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新型コロナ禍でも安心・安全なショッピング――au IKEBUKUROへ新型コロナ対策ソリューションが導入
2020年8月18日 16:04
KDDIは、直営店舗「au IKEBUKURO」において、画像認識による体温測定やデモ機の接触検知などのソリューションを導入した。
導入されたソリューションは全部で6つ。画像認識による来店者の体温測定、店舗の混雑状況認識、店頭に展示されているデモ端末の接触検知、スマートフォンを紫外線で除菌する専用のケース、子どもが待ち時間に遊ぶための知育体験ツールなど。
au IKEBUKUROへ来店すると、まず体温測定のシステムに出迎えられることになる。測定用のカメラと映像を映し出すディスプレイという組み合わせだ。これまでは、ハンディ式の測定器でスタッフが一人ひとり検温していたが、これにより効率化が望める。au IKEBUKUROの場合、37.0度以上の体温がある場合は入店を遠慮してもらう運用という。
横に並ぶディスプレイは、店舗の混雑状況をカウントするものだ。店内へ向かう人を認識し、状況に応じて混雑具合をイラストで示す。au IKEBUKUROにおいては、50人ほどがカウントされると画像のように赤い警告表示に切り替わる。
さらに足を進めると、au スマートフォンの展示機がずらりと並ぶテーブルがある。新型コロナ禍においては、電車のつり革などに抵抗感を持つ人が増えているということも耳にするが、展示機も実に多くの人が手に取るものだ。しかし、端末接触検知のソリューションを用いることで、スタッフが素早く消毒作業に入ることを実現している。
来店者が端末を持ち上げ、もとのホルダーに戻すことでスタッフ用のパソコンに表示される展示機のステータスが緑から黄色に変わる。これが、“要消毒”のサインで放置されるとさらに赤色に変化するという。消毒後はパソコンの操作でステータスを緑にリセット。ユーザーは安心してスマートフォンを試せるというわけだ。
また、さらに店内には、スマホを消毒できるケースも設置されている。1分でおよそ95%、2分でおよそ99.9%の菌に対処できる。もちろん持参したスマートフォンを消毒でき、ワイヤレス充電規格「Qi」に対応していれば、充電もできる仕組みになっている。au IKEBUKUROには店舗1Fの展示機スペースに2台、B1Fには10台の消毒ケースが設置されている。
ところで家族連れで来店するユーザーにとっては、手続き中に子どもを遊ばせておくキッズスペースがありがたい存在だ。触れる場所が多くなる遊具などは昨今の情勢を鑑みると厳しいが、デジタル技術を用いて解決するソリューションも設置されている。
自動車の絵を書いてスキャンすることで立体的なモデルに変換され、レースすることができるというものだ。なお、デザインによって自動車の性能も影響を受ける仕様で、空力に優れたボディだとスピードが出るが、曲がりづらいというように勝つための工夫ができる要素が取り入れられている。
なお、この子ども向けのツールについては、今週金曜日ごろを目処に他店舗へ移設されるという。
店舗の閉店後などには、空気中のウイルスを不活化するロボット「UVバスター」が活躍する。これは、国産としては初の消毒ロボットで、新型コロナウイルスと同じRNA型と呼ばれるインフルエンザウイルスであれば、10cmの距離で照射すると2.4秒程度で99.9%が不活化されるという威力を持つ。実験では、すでに新型コロナウイルスに対しても効果が確認されており、精密機器を多く扱うテレビ局などからの需要があるという。
人が近くにいると、強力な紫外線で健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、人のいない閉店後・開店前などに運用される。
また、国立感染症研究所によれば、ウイルスは空気中のみならず床にも多く留まることが調査でわかったという。これに対応するため、このロボットは、装置を横に倒して床に集中して光を当てるということも可能だ。
JOY SOUNDでも同様の取り組み
今回の取り組みでは、au IKEBUKUROの他、池袋駅西口のJOY SOUND 池袋西口公園前店でも同様のスタートアップによるソリューションが導入されている。au IKEBUKUROでも導入されている自動体温測定の他、店員との接触を減らせるコミュニケーションロボットやマイクを紫外線で除菌するBOXなどが取り入れられた。
スタートアップ企業と継続的な付き合いを、今後は対応店舗も増加予定
今回、au IKEBUKUROに導入されたソリューションは、スタートアップ企業各社によるものだ。KDDIでは「KDDI∞Labo」パートナー連合46社が競争環境や専門分野のデータなどをスタートアップ企業に提供し、新型コロナ禍での事業を支援する「MUGENLABO支援プログラム 2020」を実施している。今回の取り組みは、その第1弾となるもの。
大企業46社から提供されるアセットは101種類。KDDI 経営戦略本部 ビジネスインキュベーション推進部 オープンイノベーション推進グループ グループリーダーの石井亮平氏は1年ほどかけてアセットを集めていく予定だったが、3カ月ほどでこれらは集まったという。中には、共創環境として松竹から演劇場の施設や住友生命保険相互から住友生命いずみホールなど変わったアセットの提供もある。
同プログラムの支援アセットを提供するスタートアップには認定マークの提供もあり、「取り組みが一時的なものではなく、今後も継続的なお付き合いをしていく」という意思表示と石井氏。スタートアップ企業にこのマークの価値を感じてもらえるようにプログラムの認知をしっかりしていきたいと熱意を示した。
今回、au IKEBUKUROに導入されたソリューションは今後、その他の直営店においても対応予定。いずれは代理店への導入の可能性もあるという。