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SUPER GT開幕戦、au TOM'Sが2位表彰台獲得
2020年7月20日 11:41
7月19日に、静岡県小山町にある富士スピードウェイにおいて、日本を代表するレースシリーズ「SUPER GT」（スーパージーティ）の開幕戦がワンデーレース（予選と決勝を1日で行うこと）として開催された。元々SUPER GTの開幕戦は4月に岡山県にある岡山国際サーキットで開催される予定だったが、COVID-19の感染拡大による緊急事態宣言などにより開幕が延期され、6月にスケジュールが見直され、今回の富士スピードウェイでの開幕戦にこぎ着けた。SUPER GTの主催者であるGTAは、今回のレースを「無観客レース」とし、参加する関係者に毎日問診票の作成や体温の測定を義務付けし、サーキットでも体温測定を行う、他チームとの行き来をしないなどの感染対策を実施し開催にこぎ着けた。
7月19日の午前には予選が行われ、今年度もauブランドを展開するKDDIがスポンサードする「au TOM'S GR Supra」（36号車）は、予選3位という決勝レースに向けて絶好のポジションを獲得した。
今シーズンのau TOM'S GR Supraは車両もドライバーの組み合わせも一新した。車両は昨年まで利用されていたLEXUS LC500からGRスープラに変更されている。GRスープラは、トヨタ自動車のスポーツカーで、2019年から販売が開始された最新モデル。そのSUPER GT向けのレーシングバージョンは今回がデビューレースとなる。
また、ドライバーラインナップも昨年までの関口雄飛選手と中嶋一貴選手という組み合わせから、関口雄飛選手が残留し、サッシャ・フェネストラズ選手という若手成長株のドライバーが加入してよりフレッシュな組み合わせになった（中嶋一貴選手は、世界選手権であるWEC＝世界耐久選手権に注力するため、今シーズンはSUPER GTには参戦しない）。フェネストラズ選手は、昨年はSUPER GTのGT300クラス（au TOM'S GR Supraは上位クラスとなるGT500クラスに参戦）に参戦して表彰台に登るなどの結果を残しており、若手の登竜門である全日本F3選手権で昨年チャンピオンを獲得するなど今注目の若手の一人だ。
午後3時から行われた決勝レースでは、au TOM'S GR Supraはそのフェネストラズ選手がスタートドライバー、関口雄飛選手が後半のスティントのドライバーとして参加した。スタートドライバーを務めたフェネストラズ選手は、スタート直後こそ、今回のライバルとなるホンダ NSX勢に抜かれて4位にダウンする。しかし、今回のNSX勢はタイヤ選択に失敗したのが、レースの周回が進めば進むほど苦しくなり、フェネストラズ選手操るau TOM'S GR Supraは、そのNSX2台を料理し、同じチームのKeePer TOM'S GR Supra（37号車）に次ぐ2位に浮上した。
その後、義務づけられているピットストップを行い、ドライバーを関口雄飛選手に交代すると、トップを走る37号車への追い上げを開始した。レース後半には、コースのど真ん中に車両が停止して動けなくなってしまうというアクシデントが発生したため、セーフティカーが導入され、レースは振り出しに戻ることになった。au TOM'S GR Supraはこれでトップを走るKeePer TOM'S GR Supra（37号車）との差を縮め、僅差の2位となった。その後しばらくはトップを追い詰めたものの、後半はタイヤが厳しくなってきたのか、徐々にトップと差が開いていく展開に。むしろ後ろから迫ってきたWAKO'S 4CR GR Supra（14号車）とのバトルに防戦を強いられる展開になっていった。
しかし、そこはさすがベテランの域に届きつつある関口雄飛選手、しっかりとWAKO'S 4CR GR Supra（14号車）の追い上げをブロックし、2位を維持したままゴールし、2位表彰台を獲得した。同チームは、昨年の最終戦でも3位表彰台を獲得しており、年をまたいで2戦連続での表彰台獲得となった。
今シーズンのSUPER GTはCOVID-19の感染対策から、富士スピードウェイで4戦、鈴鹿サーキットおよびツインリンクもてぎでそれぞれ2戦ずつという変則的なスケジュールになっており、富士スピードウェイでよい結果を残す事はシリーズを戦う上で重要になってくる。その意味で、その富士スピードウェイでの開幕戦で2位という上々のスタートを切ったau TOM'S GR Supraにとっては悲願のタイトル獲得が現実的に見えてきたと言え、次戦8月8日～8月9日に同じく富士スピードウェイで開催される予定の第2戦での活躍にも期待したいところだ。
