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クアルコムが語る、arrows 5Gがsub6/ミリ波対応の世界最薄スマホの理由
2020年6月26日 14:08
クアルコムは、富士通コネクテッドテクノロジーズが製造、NTTドコモが発売予定の「arrows 5G F-51A」が、クアルコムの「Qualcomm Snapdragon 865 5G Modular Platform」を採用し、5Gのsub6/ミリ波の両方に対応するスマートフォンで世界最薄となるなど、同プラットフォームの優位性をアピールしている。
4Gでは、世界中で使われる多数の周波数帯に対応するために、モバイルデバイスが複雑化する課題があった。メーカーはデバイス内部に基板を並べて配置するが、内部スペースが不足するため基板を縦に積み重ねるようになり、デバイスの厚みが増え、製造・設計プロセスが非常に複雑化した。
クアルコムでは、スマートフォンの5G対応によって製造・設計プロセスがより複雑化するため、これらのサブシステムを設計しやすいブロックに組み込む方法で解決した。
クアルコムのプラットフォームを採用すると、端末内部にこれらのハードウェアを積み重ねる必要が無くなり薄型化できほか、省スペース化によって内蔵バッテリーの大型化や拡張部品の追加が可能となり、消費者の体験を改善できるという。
「Qualcomm Snapdragon 865 5G Modular Platform」は 同社のチップセット「Snapdragon」に加えて、モバイル通信に欠かせないアンテナやRFフロントエンド回路をパッケージ化したプラットフォーム。同プラットフォームのチップセットには、ハイエンド向けの「Snapdragon 865」のほかに、ミッドレンジ向けの「Snapdragon 765G」なども用意される。
「arrows 5G F-51A」はハイエンド向けの「Snapdragon 865」を搭載する。「Snapdragon 765G」を搭載するプラットフォームは、HMD Globalが手がけるノキアブランドの「Nokia 8.3 5G」に採用されている。
クアルコムは、同プラットフォームがより多くのメーカーが早期に5Gスマートフォンを製造・開発するのを支援するだけでなく、同じバージョンのままIoTおよびIIoT(産業用IoT)製品にも搭載可能で、モバイル通信システムを取り扱いしたことがないメーカーであっても、5G通信に対応する製品を簡単な設計・製造プロセスで開発できるとしている。