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ソフトバンクの“動画SNS放題”でテザリング&YouTubeが誤カウントされる事象、現在は解消

 ソフトバンクは、一部の料金プランで提供する「動画SNS見放題」について、一定の条件下にある場合、本来カウントしない通信量を誤ってカウントしていたことを明らかにした。6月17日現在、解消している。不具合というよりも、いわゆるゼロレーティングでは、発生し得る内容となっている。

 同社によれば、スマートフォンのテザリング機能を経由して、Windowsパソコンでブラウザアプリの「Chrome」を使い、YouTubeを視聴すると、「動画SNS放題」の対象外になる事象が発生していた。原因はChromeのアップデートに伴い、識別子と呼ばれる情報が変化したため。アプリのバージョンアップで、まれに発生する事象という。

 動画SNS放題は、「ウルトラギガモンスター+(プラス)」「メリハリプラン」で導入されているサービス。一部のコンテンツの通信量をカウントしないという内容で、YouTubeやLINE、TVer、Instagramなどが対象。ネットワークの中立性を踏まえ、ソフトバンク側から対象サービスを選ばず、条件をコンテンツプラットフォーマーや事業者へ開示し、対応するサービスであれば無料対象にしているという。

 仕組みとしては、識別子と呼ばれる情報をもとに、無料対象のコンテンツかどうか判定している。ただ、識別子がどのような情報かは明らかにされていない。

どのサービスでも発生し得るもの、対処法は?

 ソフトバンクによれば、動画SNS放題のようなゼロレーティングサービスでは、いわゆる「通信の秘密」を保護したまま、カウント対象かどうかチェックしようとすると、どうしても誤ってカウントすることがあるという。

 確かにソフトバンクだけではなく、他社のゼロレーティングサービスでは、そうした事象に関して、案内している。たとえば、auが2019年9月末まで提供していた料金プラン「auフラットプラン7プラス」、はたまたMVNOのLINEモバイルやBIGLOBEモバイルでは「アプリの更新にともなう識別子の変更などにより、対象外として認識される場合がある」と注釈を添えている。

 今年3月、総務省が発表した「ゼロレーティングサービスの提供に係る電気通信事業法の適用に関するガイドライン」では「ゼロレーティングサービス対象コンテンツなどへのアクセスであっても、使用データ通信量にカウントされたり、正確なカウントが行われなかったりすることによって、結果として課金される場合は、カウント対象となる閲覧方法などを説明する必要がある」と記されている。

 ソフトバンクの場合は、「My SoftBank」のギガノーカウント使用量を見ることで、自分がどの程度、ゼロレーティングサービスのコンテンツを利用したかわかる。現状、技術的に全ての通信をゼロレーティング対象かどうか、通信事業者が把握するのは難しいとのことだが、ユーザーとしては「そんなことあるの?」と驚かれることもあるだろう。思っていた以上にデータ使用量が減っていた場合は、通信量をチェックし、おかしな場合は、通信事業者の窓口へ問い合わせたほうが良さそうだ。