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KDDI総研が新たなネットワークスライシング技術を開発、1つの無線装置で複数のサービスを展開可能に
2020年1月29日 12:16
KDDI総合研究所は、アンテナサイトに設置する1つの無線装置(RU)に複数のサービスを収容する新たなネットワークスライシング技術を開発した。同種の技術は世界初であり、O-RAN Allianceに対して同技術に関する寄書を提案した。
新たに開発されたのは、基地局ネットワーク(RAN)を制御するRANコントローラーの機能を拡張した新たなRANスライシング技術。従来は5G時代に想定される超高速・大容量、超低遅延、超多接続の3つの特長に対して、用途に応じたネットワークを構築する必要があった。この技術を用いることで、3つの特長を利用するそれぞれのサービスを1つの無線装置で提供できるため、迅速なサービス展開が可能となる。
KDDI総研では、2018年に仮想化技術を用いて基地局の機能を汎用サーバー上に配置するRANスライシング技術を開発していたがこの場合、サービスごとに無線装置が必要だった。今回は「1つの無線装置で複数サービスを収容する」新たなコンセプトに基づいて開発された点で異なっている。
従来技術では、イベントなどの時限サービス提供時にほかのサービスと基地局を共有するため輻湊時に通信品質が劣化する可能性があるが、今回の新技術ではイベント開催期間だけ専用のスライスを構築でき、臨時のネットワークでも安定した通信を実現できるという。