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クアルコム「Snapdragon XR2」発表、世界初の5G XRプラットフォーム
発表会にKDDI、ナイアンティックも登場
2019年12月6日 05:47
クアルコムは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などのXRプラットフォーム「Snapdragon XR2」を発表した。世界で初めて5Gに対応したXRプラットフォームになる。
多くの製品で採用されてきたという「Snapdragon 835 XR Platform」と比べ、CPUとGPUのパフォーマンスは2倍、ビデオ帯域は4倍、解像度は6倍、AI処理は11倍となる。
カメラパススルー対応で、MR(Mixed Reality)も利用できる。
90fpsでの映像再生、3K×3Kの解像度、8K360度に対応。7台同時のカメラをサポートし、たとえばARグラスに仕込むことでで、ユーザーのくちびるや目、頭の動きや傾きなどをリアルタイムにトレースできる。
オーディオでは、低消費電力のプロセッサー「Hexagon DSP」が搭載される。
5G対応で、デバイスとエッジクラウドを繋げて、よりシームレスなXRコンテンツを体験できるという。
KDDI、5Gを見据えた取り組みを紹介
5日に米国マウイで開催されたクアルコムの発表会には、KDDIサービス本部長の山田靖久氏が登場。
渋谷で行われたARの実証実験や、VRグラスのnreal、あるいはARを手軽に実現するバーチャルポジショニング技術(VPS)を手がけるSturfeeなど、携帯電話会社として、5G時代を見据え、ARやVRに取り組む姿勢が紹介された。
同じ通信事業者としてドイツテレコム(T-mobile)も紹介され、ARサービスのコンセプトが紹介された。
ナイアンティックも協力
ARゲームを手がける米ナイアンティックも、クアルコム子会社のクアルコムテクノロジーズと、XR2プラットフォームの登場にあわせ、協力していくことを発表した。
ARグラスのリファレンスハードウェア、ソフトウェア、クラウドコンポーネントの設計で協力していく。クアルコム側のXR2プラットフォームと、ナイアンティックの「Niantic リアルワールド プラットフォーム」の最適化が計画されている。
11月にNiantic リアルワールド プラットフォーム向けの開発者支援プログラム「Niantic Creator Program」と「Niantic Beyond Reality Fund」が発表されており、ナイアンティックではクアルコムとの協力を通じて生み出される技術を開発者に提供していく。
登壇したナイアンティックCTOのPhil Keslin氏は、ナイアンティックの目標が「Nianticリアルワールドプラットフォーム」を進化させ続けることと説明。現在提供中のサービスと、将来のサービスの両方へ刺激を与えることも目指すとする。クアルコムとの協力は、新たなカテゴリーのARグラスをコンシューマー向けに提供できるとその意義を説明した。
現在開発中の、大規模なマルチプレイヤー機能の多くは、高速大容量・低遅延・多数接続の5G通信によって花開く可能性があり、5Gを活用するともコメントしていた。