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窓を基地局にするLTEアンテナ、ドコモとAGCが運用スタート

5G向けアンテナも開発開始

 NTTドコモとAGCは、電波を送受信できるガラスアンテナをビルの窓に設置する“窓の基地局化”による携帯電話サービスの提供を開始した。世界初の取り組みになるという。

 窓の基地局化は、透明で透視性のある導電材料とガラスを組み合わせて作られたガラスアンテナを、既存の窓ガラスに貼り付けることで、周辺をサービスエリアにできる。

 これまでも建物の屋内では、小型基地局(スモールセル)用のアンテナの設置などが進められてきたが、建物の屋上や壁面は設置場所が限られるほか、状況によっては街の景観を損ねるといった課題があった。ガラスアンテナであれば、屋内から施工するため足場の設置や土台工事が必要なく、街の景観も損なわないといったメリットがある。

 ガラスアンテナでは、設置環境によって異なるものの半径100~200m程度をサービスエリアにできる。大きさは850×212mm、重さは約2.5kg。アンテナから先の装置には有線で繋がる。対応周波数は3.44~3.52GHz帯となる。基本的には屋外のエリア化で用いられるとのことだが、屋内向けにも利用可能で、具体的な運用は今後検討される。今後は数カ所に導入されるとのことだが、長期的な設置台数は未定。設置される場所はたとえば丸の内のような景観を守りつつオフィスビルが多いエリアなどが想定されている。

 両社では今後、5Gのエリア構築にも活用できるよう、ガラスアンテナの開発を進める。5G対応ガラスアンテナは年内に開発を終えて2020年からの運用が予定されている。