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ブロックチェーンスマホ「FINNEY」、銀座に直営店をオープン

SIRIN LABS JAPAN CEO 三浦氏が語る、日本で展開する理由

 SIRIN LABS JAPANは、セキュリティに特化したブロックチェーンスマートフォン「FINNEY」を販売する直営店を銀座にオープンした。なお、端末の詳細は別の記事で紹介している。

店舗完成予想図
FINNEY

 同店舗は、FINNEYを実際に体験することができる直営の店舗。店頭では、FINNEYの販売のほか、アクセサリー、SIRIN LABSが手掛けるアパレルも販売される。

 FINNEYには、有償の端末保証サービス「SIRIN Care For FINNEY」が用意されているが、端末が破損した場合は、同店舗に持ち込むことで修理依頼をすることが可能。

 店頭では、ブロックチェーンに関する質問もできる。また、ブロックチェーン知識の提供やミートアップイベントの開催などが予定されている。

 店舗の住所は、東京都中央区銀座4-12-1で、営業時間は10時~20時。今後は国内で店舗を拡大していくという。また、家電量販店やECサイトなどの販路拡大にも取り組む。

暗号資産を管理する“ハードウェアウォレットを搭載”

 FINNEYは、セキュリティ機能に特化したスマートフォン。すでに販売は開始されているが、改めてSIRIN LABS JAPAN CEOの三浦広樹氏に端末の特徴を聞いた。

 同端末は、Androidベースの独自のOS「SIRIN OS」を搭載する。セキュリティアプリとして外部からの攻撃を防ぐ「サイバー セキュリティ センター」がプリインストールされており、ネットワーク攻撃やUSBからの攻撃などを防ぐ。ハッキング事例は学習され、パッチがあてられていくという。

セキュリティアプリ「サイバー セキュリティ センター」
ハードウェアウォレットをスライドして表示
暗号資産受信用のQRコードを表示

 端末上部には、暗号資産用のスライド式ハードウォレットを備える。ハードウォレットには有機ELディスプレイが搭載され、パスコードを設定することで暗号資産を管理でき、暗号資産受信用のQRコードなどを表示できる。本体のディスプレイから独立させることで、ハッキングなどによる不正送金などの被害を防げる。

 また、分散型アプリケーションのストア「dCENTER」も用意されている。ストアにある「Learn & Earn」では、トークンを発行する企業がブロックチェーンに関するCMを公開しており、視聴することでトークンを無料でもらえる。一般的な、広告を見てポイントをもらうサービスとは異なり、サービス会社を挟まず、CMを発行する会社から直に報酬をもらえるため、そのようなポイントサービスよりは報酬が大きいという。

分散型アプリケーションのストア「dCENTER」
広告を見るとトークンがもらえる「Learn & Earn」

 そのほか、セキュリティ機能を備えた専用の電話アプリ、メールアプリもプリインストールされ、バッテリーのシェア機能も装備する。

カメラ
設定

FINNEYを日本で展開する理由

 銀座の直営店は、ロンドンの1号店に続き、世界で2店舗目となる。

 三浦氏は、日本で販売することになった背景として、アカウントのパスワード盗難などによるセキュリティ被害が大きくなってきていることや、各スマートフォン決済サービスの普及を挙げた。多くの金銭がスマートフォンを通ることで、これまでよりも個人が狙われやすく、セキュリティが高いスマートフォンが必要になっていると説明した。

SIRIN LABS JAPAN CEO 三浦氏

 また、暗号資産(仮想通貨)の保有率は、日本が世界1位であり、トークンの発行額数も日本が多いといったことも展開の理由だという。

 銀座に店舗を設けた理由は、銀座は流行の発信地であり、影響力があるためと説明した。また、東京オリンピックに向けた訪日客も想定している。

 Facebookが独自の仮想通貨を発表し、より仮想通貨が身近な存在になる可能性もある。こうした業界の動きについて同氏は「日本として遅れをとらないためにも関心を持つ必要がある。当社がブロックチェーン業界の最先端である必要はなく、FINNEYはコンシューマーにとってブロックチェーンの体験の入り口であり、末端のサービスを体験してもらうために、こうしたデバイスは(今後)必要となる」と説明し、そのような入り口として、FINNEYが一番最初の端末になるのではと語った。

 続けて、同氏は「仮想通貨は知っている人と知らない人の二分化が激しい。FINNEYはそこのギャップを埋める架け橋になるようなコンセプト」と説明し、まずは銀座の店舗で体験してもらい、多くの人に知ってもらいたいと意気込んだ。