通信パターンをAIが学習、mineoが「5G」に向けたセキュリティ技術を実証へ

　東京大学大学院情報学環中尾研究室、オプテージ、シャープは、5Gネットワークのセキュリティ高度化などに向けた実証実験を2019年8月頃に開始する。

　実験では、5Gを見据えた新たなモバイルネットワーク向けセキュリティ技術の実現性を検証する。エンドユーザーが使う端末とネットワーク側の機能を連携させられるプログラマブル・ネットワーク・ノード「FLARE」を使い、アプリごとのトラフィックや通信パターンをAIが識別して学習する。

　この技術によって将来的には、たとえばセキュリティ対策がされていないスマートフォンでユーザーの意図しない通信が発生した際に、ネットワーク側で即座に検知してブロックできるようになる。実験はMVNOサービス「mineo」のネットワーク上で、シャープが開発した実験用端末を使って行われる。

　5G時代を見据えた技術と謳われる理由のひとつに、セキュリティ分野以外にも応用できる技術である点が挙げられる。FLAREによるトラフィック識別の仕組みを使って、5Gのユースケースとして期待される「遠隔医療」や「自動運転」のための通信を検知し、信頼性の高い低遅延かつ高速なネットワークに優先的に接続することが可能になる。