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4キャリアに「5G」免許の交付式、石田総務大臣が期待を表明

各社がコメントを発表

 既報の通り4月10日、NTTドコモ、KDDI(沖縄セルラー含む)、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアに対して、5G向けの電波が割り当てられた。同日夕方には総務省にて開設計画の認定交付式が開催され、4キャリアのトップが出席、石田真敏総務大臣が認定書を手渡した。

左から、ソフトバンク 代表取締役社長の宮内謙氏、楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏、石田真敏総務大臣、NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏、KDDI 代表取締役社長の高橋誠氏、沖縄セルラー電話 代表取締役社長の湯淺英雄氏

 石田総務大臣は認定書の交付後、「5Gは21世紀の基幹インフラと考えている。5Gがあるかないかで、その地域の今後の発展度合いが変わってくる。開設指針にもあるように、2年以内に全国すべての都道府県でサービスが開始されるよう、強く要請したい。5Gが整わなければ、政府が進めている『Society 5.0』を実現することはできない。皆さんに精一杯の尽力・協力をいただきたい」と挨拶。5Gが今後の日本の発展を支えるインフラになるとして、各社への期待を表明した。

各社のトップに期待を語る石田総務大臣

楽天モバイル

 楽天モバイルが獲得した5Gの電波については、楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が、認定交付式の後に囲み取材に応じた。

楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 三木谷氏は5Gの割当について、「5Gによって、単純に通信速度が速くなるというより、産業革命を超えた“社会革命”を起こす可能性が、極めて高いと考えている。大切な周波数帯を割り当てていただいたので、国の発展に貢献できるよう頑張りたい」とコメント。

 通信以外での5Gの活用については「5Gは、IoTやそれ以外の用途でもどんどん革新が起こってくる。楽天モバイルのスタンスとして、 オープンな形で、さまざまな企業と提携してやっていく 。その中の一環として、楽天が推進するエコシステムへ貢献できればいいかなと思う」とした。

 5Gの料金水準については、「これからの部分だが、基本的には、5Gだからすごく高くなることはなく、我々を(電波の割当先として)選んでもらったひとつの大きな社会的ミッションは、より安く、便利につかってもらえることだと思っている。その中でサービスや価格を考えていく」とし、使命として低い価格帯を目指すとした。

 エリア展開の「5G基盤展開率」の計画が、5年後までに全国で56.1%と、90%台のドコモ・KDDIより劣っている点については、「出発点がそこ。利用状況、価値をしっかりと認識しながら、提出した計画の数字より上げられるよう、頑張っていきたい」としている。

 10月に開始する予定の、4Gのサービスの準備・進捗状況が聞かれると、「最初から5Gを考えながら4Gを作っている。現在の進捗状況は、すべての面でロードマップ通り。順調に進んでいる」とコメントしている。

 また、一部であった「完全分離で楽天は除外」などとする報道(報道後に総務大臣も否定)について、「それは、かなり憶測の部分での報道」とした上で、「楽天モバイルは“携帯電話の民主化活動”をテーマに掲げている。もしそういうことが許されたとしても、そういう選択肢はとらない」という方針を明らかにした。

ソフトバンク

 ソフトバンクは、CTOの宮川潤一氏が、認定交付式の後に囲み取材に応じた。

ソフトバンク CTOの宮川潤一氏

 宮川氏は、5Gの電波の割当について「大変嬉しく思う。希望しているものにほぼ近い。これから精一杯頑張っていく」とコメント。

 割り当てられた枠の数がドコモ・KDDIより少ない点については、「本音では同じだけ欲しいが、今回の割当対象の周波数帯でそこまで背伸びする必要はないかなと考えた。正直ベースで開設計画を書いた。 既存の周波数と足して、どんなネットワークを作るのかという部分で勝負していきたい 」としている。

 エリア展開の「5G基盤展開率」の計画が、5年後までに全国で64%と、ドコモ・KDDIより劣っている点については、「(基盤展開率を上げるためだけの)カバー率には興味がない。(計画は)正直ベースで作ったつもり。今回の周波数帯でやるべき展開と、既存の周波数帯で展開するものは、組み合わせでやりたい。ターゲットにしているのは、2021年ぐらいの端末が普及する時期。2021年末ぐらいまでに、90%を超える『人口カバー率』で展開したい。既存の周波数帯をフル活用しないとできないが、最終的に人口カバー率で99.8%になった3Gや4Gと同じレベルの展開は行っていく」とした。

 LTEでは“使い放題”をうたうプラン・キャンペーンが常態化しているが、5G時代ではこれが当たり前になるのかという問いに、宮川氏は、「そうしないと5Gの本当の良さはでない」とした上で、「今まではパケットでカウントしていたが、“時間”もあるかもしれない。ある程度ヘビーユーザーとそれ以外で料金に違いを出す必要はあるが、制限をかける場合でも、LTEのような形にはならない気がしている」として、これまでとは異なる考え方でプランを組み立てる方針を語っている。

NTTドコモ

 NTTドコモは、代表取締役社長 吉澤和弘氏の名前で以下のコメントを発表した。

 「総務省から開設計画の認定を受けることができ、大変うれしく思う。これから5Gで社会や産業の発展に貢献できるよう取り組みたい」

KDDI・沖縄セルラー

 KDDIは、代表取締役社長 高橋誠氏の名前で以下のコメントを発表した。

 「このたび、5Gの開設計画の認定をいただきました。KDDIは5Gの新たな通信方式の特性をフルに活用し、ライフデザイン事業との融合によりお客さまにワクワクする体験価値をお届けしていきたいと考えております。

 また、あらゆるパートナーの皆さまとともに、5Gらしい新たなサービスを提供するとともに、お客さまのデジタルトランスフォーメーションのサポートも推進してまいります。

 さらに、地方創生への5G活用も重要な課題と捉えており、積極的に取り組んでいきますので、ご期待いただければと思います」