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OPPOの「10倍ズーム」、その仕組みは

 18日、オッポジャパン(OPPO)が日本市場へ、10倍ズームカメラのスマートフォンを投入することが明らかにされた。10倍ズームカメラは、第2四半期に発表する製品へ組み込まれるという。

 同日に開催された発表会では、あわせて5Gへの取り組みなども紹介された。

10倍ズーム、呼び名が変わった理由は

 10倍ズームについては、2月、スペインで開催された展示会「MWC19」にあわせて発表。その際には「ロスレス10倍ズーム」と案内されていたが、今回は「10倍ハイブリッド」と説明する。

 10倍ズームスマホは、広角、標準、望遠の3つのカメラを組み合わせて実現している。広角は16mm相当で、望遠カメラはズーム比率で言えば8倍相当だが、その後、800万画素相当の写真を維持する形。デジタルズームとの組み合わせという“ハイブリッド”な仕組みだ。この名称変更は日本だけではなく、グローバルで適用されるものになる。

 18日に披露された実機は、外観こそカバーで隠されていたが、端末背面の中央に3つのレンズが並び、実際にカメラ機能を試せるようになっていた。8.1倍にすると画面が切り替わるような挙動を見せ、仕組みが切り替わるような印象を受けた。

ペリスコープ構造

 そうした仕掛けをスマートフォンのボディへ収めるため、いくつかの工夫がこらされている。そのひとつが「ペリスコープ(屈曲光学構造」だ。これは、入射光を90度曲げて、レンズ群を横方向に配置するというもの。

 何も工夫しなければ、レンズモジュールで15mmもの厚みが必要になるが、レンズを横向きにすることで全体で6.76mmという薄さを実現。従来の手法と比べても、55%の空間を節約できた。

 またメインカメラと望遠カメラのオートフォーカス用モーターを同じモジュールに組み込むといった工夫で、13%の空間を節約した。

5Gにも積極的

 OPPOでは、2015年に5G関連のチームを発足。標準仕様に向けて開発を続けており、3GPP(標準化団体)へ2000以上のドキュメントを提出。同社の標準化リサーチ担当ディレクターのヘンリー・タン氏は「5Gにおいて、影響力を持つ1社になった」と胸を張る。

 2018年8月には世界で初めて5Gで通信し、データ接続を達成した1社となり、同年10月にはスマートフォンから5G経由でのネット接続試験を実施。11月には5Gを利用したWeChatでのマルチビデオ通話に成功したほか、Find Xをもとにした5G対応の試作機を開発している。

タン氏が手にする5Gスマホの試作機

 日本での展開については、まだ日本の事業者への5G向け電波が割り当てられていないこともあり、今回の発表会では、明らかにされることはなかった。ただしグローバルで5Gへの対応を積極的に進めていることが繰り返し説明され、日本での展開を示唆した。