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NTT、「透ける電池」を開発

 NTTは、光を透過する「透ける電池」を開発し、基本動作を確認したと発表。同研究の成果は、11月29日~30日に開催される「NTT R&Dフォーラム2018(秋)」で展示される。

 従来型電池の電極は、金属の集電層上に活物質、導電材、結着剤が混合された合材層を形成しているため、黒色で光を透過しない。「透ける電池」では、光透過性の観点から集電層や正極、負極の材料を選定。構造面でも光の吸収と反射を抑える工夫を施した。平均約25%の透過率を有し、これは向こう側が透けて見えるサングラス相当の透過率となっている。

 また、膜状の電極を導電性フィルム上に作り、電解質をゲル化することで、透けるだけでなく曲げられる電池としての性質も備える。

 今回開発された「透ける電池」は9×5cmの長方形で、市販のLEDを5分間点灯させることに成功した。充放電可能な二次電池で、充放電を100回繰り返した後でもLEDの点灯が可能であることも確認されている。一般家庭にある掃き出し窓約1.5個分の大きさで作った場合、市販のコイン電池(CR1025)1個に相当する容量になるという。

 開発の背景としては、IoTの普及に向けて、存在を感じさせないデバイスを作製するための取り組みとしている。