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KDDI総研、漁獲量の予測を可能とする新型スマートブイ

 KDDI総合研究所は、漁獲量予測のための各種センサーや通信機能を搭載した新型スマートブイを開発した。

 同社は総務省 戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の「局所的海洋データを活用した漁業の効率化の研究開発」の一環として、スマート漁業の研究に取り組んでおり、2016年10月からは東松島みらいとし機構(HOPE)と共同で、宮城県石巻湾漁場にてスマートブイを用いた実証実験を行っている。

 今回発表された新型スマートブイは、IoT向けの通信技術LPWA(Low Power Wide Area)の一種であるLTE-Mや、LTE カテゴリー1など複数の通信方式に対応した。従来のスマートブイは約1カ月ごとの電池交換を必要としていたが、新型では浸水による発火の危険性が少ないリン酸鉄リチウムイオン電池とソーラーパネルを組み合わせ、メンテナンスフリーでの1年間の連続動作を目指す。

 また、1台のスマートブイに水温・水圧・塩分濃度・潮流などの複数のセンサーを搭載していた従来型は重量が20kg以上となり、構造の複雑さや、頻繁な清掃の必要性など、整備性の面で課題があったという。これまでの実証実験で得られた結果から、水深が異なる位置に対応した複数の水温センサーのみでも十分に漁獲量の予測は可能であるとして、新型では多層の水温測定が可能な水温センサーを搭載。目的に応じて塩分や溶存酸素などを測定する各種センサーに交換できる仕様とした。

 新型スマートブイは、6月19日・20日に宮城県仙台市のせんだいメディアテーク1階で開催される「ICTフェアin東北2018」にて展示される。