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独自設計“オープンイヤー”で新たな音楽体験、「Xperia Ear Duo」4月21日発売
2018年4月11日 11:30
ソニーモバイルコミュニケーションズは、耳をふさがない独自設計を採用した左右分離タイプのBluetoothステレオイヤホン「Xperia Ear Duo」を4月21日に発売する。価格はオープン価格で、ソニーストアでの販売価格は2万9880円(税抜)になる見込み。
予約は4月11日から。ソニーストアでは4月12日から先行体験展示を開始する。販売店は、家電量販店などのほか、「docomo select」として全国のドコモショップとドコモオンラインショップで、また一部のソフトバンクショップと「SoftBank SELECTION オンラインショップ」でも取り扱われる。
周囲の音に音楽が溶け込む「デュアルリスニング」
「Xperia Ear Duo」(XEA20)は、独自設計により耳の穴が開放されたままの“オープンイヤー”タイプとうたうBluetoothイヤホン。2016年11月に発売された「Xperia Ear」(XEA10)は、片耳に装着するBluetoothヘッドセットで、通話や音声コマンド、音声による情報の取得といった用途を主なターゲットにしていたが、シリーズ第2弾となる「Xperia Ear Duo」は左右分離タイプで、音楽のステレオ再生にも対応している。
利用上の最大の特徴は、独自の音導管設計により、音漏れを大きく低減しながら、鼓膜に音が届く仕組みを実現したこと。耳穴がふさがれず周囲の音がしっかりと聞こえる状態で、なおかつ音楽もユーザーには明確に聴こえるため、周囲の音と音楽がきれいにブレンドされた、新しい音楽体験が可能になる。ソニーモバイルではこのブレンドされた音楽体験、聴取体験を、デュアルリスニングと呼んでいる。
オープンイヤー構造でも高音質になるよう、ソニーのClear Phase技術が利用されている。また、周囲の環境にあわせてボリュームを自動調整するアダプティブボリュームコントロールも搭載されている。左右のユニットはNFMI(Near Field Magnetic Induction、近距離電磁誘導)で接続され、低遅延と安定性を実現、映像の視聴にも最適とする。
デュアルリスニングを初めて体験すると、聴こえてくる音楽が、その場でBGMとして流れているような、周囲の人にも自然に聴こえているかのように錯覚される。実際に音楽が聴こえているのは自分だけだが、周囲の音との自然なブレンドが新鮮だ。じっくりと音楽を楽しむというより、周囲の音や雰囲気に溶け込む、BGMとして楽しむのが最適と感じられる。自分の発声時にも、従来のイヤホン装着時のような閉塞感がないため、周囲とのコミュニケーションを大事にしたい場合に向いている。
「下掛けスタイル」
外見上で大きな特徴にもなっているのは、耳の下側から音導管ユニットを伸ばしているデザイン。ソニーモバイルによれば、耳穴から耳たぶの下側にかけての距離は個人差が少なく、このスタイルはより多くの人の耳の形にフィットできるという。さらに、耳の下側を通すことでメガネのツルや帽子に干渉するケースも減らせ、より快適に利用できる場合が多いとしている。耳穴に接触するパーツのリングサポーターは、独自の形状により耳穴の下側全体に重量を分散する仕組みで、点で負荷がかからないよう装着性にも配慮されている。リングサポーターについてはS、M、Lの3種類のサイズがパッケージに同梱される。
本体は1回の充電で約4時間の利用が可能。バッテリー内蔵の充電ケースで3回分の“おかわり充電”が行える。約7分の充電で1時間再生できる急速充電機能が用意されている。
スマートフォン連携のスマート機能
スマートフォンと連携し、独自のボイスアシスタント機能である「Assistant for Xperia」に対応。Google アシスタント、iOS端末ではSiriに対応する。
さらにLINEの「Clova」もサポートされており、スマートフォンの「LINE」に設定しているアカウントでメッセージの送信など可能。LINE MUSICの音楽を再生するといった、Clovaの機能・サービスも利用できる。LINE以外が開発したハードウェアに「Clova」が搭載されるのは初めてで、ウェアラブルデバイスに搭載されるのも初となる。
左右の本体それぞれにタッチパッドが搭載されており、タップやなぞる操作、長押しで、音楽の操作やボイスアシストの起動といった操作を行える。
第1弾モデルから引き続き、各種の音声案内機能の声は声優の寿美菜子が担当する。
センサーを利用し、頭を動かすジェスチャーで操作するヘッドジェスチャーをサポート。うなずく動作で着信に応答したり、首を横に振る動作で着信拒否や読み上げをキャンセルしたりできる。音楽再生中には、右を向くと次の曲を再生、左を向くと前の曲に戻るようになっている。
センサーの活用も強化され、ユーザーの状況を認識して、状況にあわせて情報を提供するデイリーアシスト機能が拡張される。この機能では、朝には今日の天気を読み上げるなどの機能が用意されているが、音楽の再生に移行したり、会社に近づくと現在時刻やスケジュールを読み上げたりする機能、帰宅すると明日の天気や予定を読み上げる機能などが追加される予定になっている。
このほか第1弾モデルでも提供されていた、Androidスマートフォンのモバイル回線を使い、最大5人までの仲間とトランシーバーのように利用できる「Anytime Talk」機能がサポートされる。第1弾モデルの「Xperia Ear」もグループに加えることができる。
本体には左右それぞれに2つ、合計4つのマイクが内蔵されており、ノイズを分離したクリアな音声認識や通話が可能。
Bluetooth 4.2 Low Energyに対応。BluetoothコーデックはSBC、AACをサポートする。充電端子はUSB Type-C。IPX2の防滴性能を備える。
連続音楽再生時間は約4時間、連続通話時間は約2.5時間。連続待受時間は約22時間。約7分の充電で1時間再生できる急速充電機能が用意されている。
大きさは約17.5×59.6×10.2mm、重さは左右それぞれが約10.6g。充電ケースの大きさは約89×25mm、重さは約76g。ボディカラーはブラック、ゴールドの2色。
革新的なリスニング体験、「LINE」連携も特徴
4月11日には都内で発表会が開催された。登壇したソニーモバイルコミュニケーションズスマートプロダクト部門 商品企画課の八木泉氏は、「周囲の音を聞きながら、会話も音楽も楽しめる」と「Xperia Ear Duo」を紹介。周囲の音と音楽が混ぜ合わさるデュアルリスニングの体験は「自分だけのBGMを聴くよう」としたほか、自分の声がこもらないので会話がスムーズにできることや、耳穴が蒸れるないこと、高音質技術を採用していることなども解説した。
八木氏は、LINEのClovaに対応したことも大きな特徴とし、ここでLINEからClova事業企画室 Clovaオープンプラットフォーム企画チーム プロダクトマネージャーの小城久美子氏が登壇した。
小城氏は、他社開発の製品がClovaを呼び出す点や、ウェアラブルデバイスへの搭載といった点がLINEとしても挑戦だったとした上で、「新しいLINEのユーザー体験。未来を感じさせるもので、ワクワクした。ランニングにあう曲をLINE MUSICで再生したり、通勤中にLINEニュースを読み上げたりと、Xperia Ear DuoのユースケースとClovaは相性がいい」と期待を語った。
八木氏は、センシング技術もふんだんに搭載していることを紹介し、最後に「ソニーの技術の集大成というべき商品に仕上がった。新しいリスニングスタイル、新しいライフスタイルを提供できるのを楽しみにしている」と語り、革新的な製品に仕上がったことに自信を見せた。
JALの客室乗務員が機内で活用する実証実験も
「Xperia Ear Duo」は、業務で活用できるかどうかの実証実験を行うことも明らかにされている。
日本航空(JAL)では、4月下旬から、客室乗務員間のコミュニケーションを効率化する目的で「Xperia Ear Duo」と「Anytime Talk」が活用される。
なお実証実験では、機内のWi-Fi向けにカスタマイズされた「Anytime Talk」が利用される。一般ユーザーは、「Xperia Ear Duo」を持ち込んでも、通常の無線デバイス同様に機内の案内に従って利用する必要がある。
また、この日の発表会の会場にもなった東京・目黒の八芳園では、庭園の案内に「Xperia Ear Duo」を活用する取り組みを実施する。期間は5月14日~18日で、庭園の自然の音を聞きながらガイドを聞ける「デュアルリスニング」を体験できる。