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ドコモがJリーグのトップパートナーに、NTTグループも技術提携

 JリーグとNTTドコモは、トップパートナー契約を締結した。あわせてNTTグループはオフィシャルテクノロジーパートナー契約を結ぶ。契約期間は2017年7月~2019年12月。

 Jリーグのトップパートナーは、キヤノンやイオンリテール、Electronic Artsなどに続くもので、ドコモで9社目。またオフィシャルテクノロジーパートナーはNTTグループのみとなる。

Jリーグの村井チェアマン(左)とドコモの吉澤社長(右)

 ドコモとNTTグループではパートナー契約を通じて、AR、VRなどを活用した新たなエンターテイメント体験の実現を目指すほか、新たなファン層の開拓、サポーターとJリーグやクラブの関係強化、地域コミュニティの活性化などの貢献を図る。

 ドコモには全国2400もの店舗があり、今回のトップパートナー契約により、全国38都道府県に54チームあるJリーグのクラブチームとは、地域に根差した連携といった面での役割も期待されている。

第1弾はアントラーズ VS セビージャ戦で

 「鹿島アントラーズ対セビージャFC」の試合にあわせ、TwitterやInstagramへ、指定のハッシュタグ付きでスコアの予想を投稿し、的中すると抽選で選手のサイン入りグッズなどが当たるキャンペーンが実施される。応募期間は7月16日10時~22日の試合開始前まで。キャンペーンサイトのフォームから参加することもできる。

村井チェアマン「DAZNでVR配信構想も」

 具体的な取り組みは今後、徐々に明らかにされる予定だが、Jリーグの村井満チェアマンは「まだ構想段階」と前置きしつつ、DAZN側と毎節、1試合程度、“VR放送”を配信することについて議論が始まっていることを明らかにした。

 その内容や、時期は未定ながら、DAZNの配信はNTTグループもサポートしており、今回のパートナーシップによって更なる進展が期待できそう。試合でも、レフリーの判断の一助となるようビデオアシスタントなどが既に利用されているほか、スマートスタジアムもJ1クラブが利用する拠点での早期の展開を目論んでおり、NTTグループの技術協力に村井チェアマンは期待を寄せる。

ドコモ吉澤社長はサッカー経験者

 これまでもNTTグループとNTTドコモは、スマートスタジアム化や、映像配信サービス「DAZN」の展開、各クラブ向けのデジタル共通基盤の開発で協力している。さらにクラブチームのひとつである大宮アルディージャは、その前身が旧電電公社のサッカーチームであり、今もNTTグループ会社が運営する。

 また2016年夏からNTTドコモの社長に就任している吉澤和弘氏は、社長職への就任が発表された際、前社長の加藤薫氏から「スポーツマン」と紹介されたが、これは、NTTに就職してからも3年間ほど選手として活動を続けるなど、吉澤氏自身がサッカーをたしなんでいたためだ。

 今春スタートした、ドコモユーザー向けのスポーツ映像配信サービス「DAZN for docomo」は、会員数が55万人に到達。ドコモでは、既に大宮のスタジアムで決済サービス「iD」や、ドコモのポイントサービス「dポイント」を利用できるようにして、チームのグッズをキャッシュレスで購入できる環境も整えた。

 今回のパートナーシップは2019年12月まで、となっているが、会見では、Jリーグ関係者やドコモ吉澤社長から、より長期的な関係構築を望む声も挙がった。特にドコモでは2020年ごろにも、「5G(第5世代)」と呼ばれる次世代の通信規格の商用化を目指しており、「スポーツは、コンサートとともに、臨場感を持って複数の場所で多くの方に楽しんでいただけるようにするのは、当然やっていく。そのときに活躍するのは5Gだと思う」と述べ、ゆくゆくはJリーグの試合中継などで、5Gを活用していく考えを示した。