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パスワードの使い回しは危険――iPhone向けにパスワード機能を強化した「ノートン」最新版

 シマンテックは、モバイルデバイス向けのセキュリティソフト「ノートン モバイルセキュリティ」の最新版を4月20日に発売する。価格は1年版で3065円(税込)、2年版で5637円。日本で人気のiPhoneで、よりセキュアに利用できるようパスワード関連の機能が強化されている。

 「ノートン モバイルセキュリティ」最新版の最大の特徴は、iOSだけに限定し、パスワードに関する機能を強化したこと。ひとつは数字や記号を交えパスワードを自動生成できる機能。

 もうひとつが「データ保管庫」になる。データ保管庫は、パスワードや住所などを暗号化を施してクラウドに保存、専用ブラウザを使えばログイン時に自動入力してくれる。電子メールやクレジットカード情報などを保存できる。データ保管庫へアクセスする際には、指紋認証も利用できる。Safariでのブラウジングの際には、エクステションとして呼び出せば利用できる。Chromeには非対応。なお、自動入力非対応のサイトでは「ノートン モバイルセキュリティ」も自動入力はできない。

思わぬ形で流出するリスク

 「ハッキングで流出するだけではなく、SNSで公開している情報からパスワードが類推されることもある」と警鐘を鳴らすのは、シマンテックのノートン事業統括本部マーケティング部長の古谷尋氏。パスワードを使い回していると、いったんパスワードが流出した場合、さまざまなサービスに被害が拡大する恐れがある。

 同社が実施した調査によると、多くの人がパスワード、IDの流出のリスク自体は認識している。2種類以上のパスワードを使い回している人も多く、1種類だけのパスワードという人は12%しかいなかった。ちなみに男性・女性ともに10代後半~になると、80%以上がロックをかけることも判明。いわゆるスマホネイティブ世代だが、家族に見られたくないという志向が強い、あるいは学校での教育の影響と考えられる。

 パスワードの決め方として最も多かったのは「何かを元にして決めていない」(43.1%)だったが、何かを元にする場合は「自分の誕生日」(17.3%)が最も多く、自分のニックネームや家族・恋人の誕生日、自分の名前を元にしているケースが続く。10代女性では好きなタレントやミュージシャンの名前を活用する例も多かった。つまり、先述した「SNSで公開している情報」になりえるものでパスワードを決める人が半数ほど存在していることになる。

 「複雑なパスワードを使う、定期的に変更する、使い回さない、他人から類推されやすいパスワードにしない」といったアドバイスをする古谷氏は、世の中にある管理ツールの活用もベターと語る。

 こうした状況を踏まえた新製品が「ノートン モバイルセキュリティ」の最新版であり、特に日本ではiPhone、iPadが人気ということでiOS限定でパスワード関連機能を強化したのだという。グローバルでサービスを提供するシマンテックだが、今回のiOS向け機能は日本で先行して導入される。Android版での導入は未定。