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「Galaxy S8/S8+は新時代のデザイン」、サムスン発表会「Unpacked 2017」レポート
2017年3月30日 21:39
サムスン電子は3月29日(現地時間)、ニューヨークでプレス・関係者向けイベント「Unpacked 2017」を開催し、同社のフラッグシップモデルの「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」、全球撮影カメラ「Gear 360」の新モデルなどを発表した。
「完全に新しいフォームファクタ」
発表会ではまず最初にサムスン電子のMobile Communications BusinessのPresident、DJ Koh氏が登壇した。Koh氏はサムスン電子の最大のコミットメントは「Quality」「Safety」「Craftmanship」の3つであり、それがすべての基礎であると語る。そうした基礎の上で開発された新機種を、さまざまな体験をもたらす「モバイルライフへのゲートウェイ」と表現し、「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」を発表した。
DJ Koh氏に続いてProduct Strategy担当のSenior Vice PresidentのJustin Denison氏が登壇し、Galasy S8/S8+の詳細を説明した。Denison氏は冒頭で、Galaxy S8シリーズを「完全に新しいフォームファクタ」で、「ただの新しいスマートフォンではなく、新しい種類のスマートフォン、新時代のデザイン」と表現する。
ベゼルレスなInfinity Display
Galaxy S8シリーズの特徴として、Denison氏はまず「Infinity Display」を紹介する。極端な狭額縁設計により、前面全体の面積に対するディスプレイ面積の比率はスマホ史上最高となる広さで、いろいろなコンテンツが見やすくなっている。さらに縦長・細長の形状により、たとえばFacebookのタイムラインを見るとき、より下まで見えるため、従来よりも少ないスクロール量で済ませられる、とアピールしている。
メカニカルなホームボタンは廃止されているが、代わりに「Invisible Home Button」となり、ホームボタンが表示される位置に内蔵された力覚センサーにより、画面の押し込みが検出され、押したときの感覚も震動で疑似的に再現される。さらにアイコンデザインなども変更され、「Natural Interface」が採用されている。
カメラは前モデルと同じデュアルピクセルカメラを搭載したほか、複数のフレームを合成するマルチフレーム撮影やインカメラの顔認識AF、防水仕様、10nmプロセスのプロセッサなどの機能も紹介された。
バッテリーの安全性をあらためてアピール
バッテリーについてはGalaxy S8が3000mAh、Galaxy S8 Plusが3500mAhを内蔵するとともに、非接触充電にも対応。一方でバッテリーの安全性チェックも行っていることをアピール。
セキュリティも重視していて、従来同様の指紋認証に加え、Galaxy Note7でも搭載された虹彩認証、さらに顔認証機能も搭載している。
サムスン独自機能も
サムスン独自の機能としては、「Samsung Pay」はこれまで2.4億回使われ、870以上の銀行などと提携して使える場所が広がっていることをアピール。Webサイトなどのパスワード入力を補助するアプリ「Samsung Pass」は、指紋や虹彩認証でよりセキュアに利用が可能。歩数計などの機能を持ち、アメリカでは医師と情報共有にも使える「Samsung Health」も搭載している。
新機能「Bixby」
続いてサムスン電子のServices & New Business担当のSenior Director、Sriram Thodla氏が登壇し、Galaxy S8シリーズが搭載する新機能である「Bixby」について説明した。
Bixbyはユーザーをアシストするインテリジェントインターフェイスだ。その機能は非常に多岐にわたるが、簡単にまとめると、「Talk」「See」「Recommend」「Remind」の4つの特徴がある。
まず「Talk」としては、Bixbyは音声コマンドによるGalaxy S8の操作が可能となっている。他社が提供している音声アシスタント機能と異なり、Bixbyは文脈を理解することができて、たとえば「コレをキャプチャして」と言うと、その「コレ」が何を指し示すかをBixbyが判断してくれる。また、複数のアプリにまたがる操作も可能となっている。
カメラの撮影した映像も利用でき、撮影したモノを画像解析で調べ、Amazonの販売ページを見せたり、街中の建物を撮影すると、その場所の情報や近隣の飲食店を検索したりもできる。
音声や画像をインプットしないでも、Bixbyはユーザー個人がどんな情報を必要としているかを学習し、時刻や場所も含めて「contextual understanding」(文脈理解)して、そのユーザーにパーソナライズされたさまざまな情報・機能をBixbyの画面に表示してくれる。この画面はホーム画面1ページ目を右にスワイプするか、側面のBixby専用ボタンで表示される。ここにはニュースや天気予報などの情報もカード状の要素となって表示されるが、場所や時刻、スケジュールによっては、たとえばUberを呼ぶカード要素も表示されたりする。
白物家電を含めたIoT機器と連携する「Samsung Connect」にも対応する。1つのアプリから対応機器を統合的に管理することができ、たとえばある冷蔵庫と連携すると、最後に開閉したときの中身の画像を遠隔で確認する機能を実現できる。
S8にはAKGのイヤホンを同梱
このあと、Justin Denison氏が再びステージに戻り、Galaxy S8シリーズの機能を総括しつつ、4月21日より販売を開始すると発表した。さらにすべてのGalaxy S8シリーズにはAKGのイヤホンが同梱されるとも発表した。
新しいGear 360
Galaxy S8シリーズの紹介の後は、サムスン電子のProduct StratesyのDirector、Suzanne De Silva氏が登壇し、全球カメラの「Gear 360」やVRゴーグルキット「Gear VR」など、Galaxy向けの周辺機器を紹介した。
Gear VRについては、MWCにおいて公開した専用コントローラーについても紹介。このコントローラーは4月後半より単独販売とGear VRとのセットで販売される。
さらにGear VR向けに、日本のコミック原作の実写映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」(攻殻機動隊)の全球映像コンテンツが提供されることも発表された。
全球撮影が可能なカメラ「Gear 360」については、新モデルが発表された。従来の製品はほぼ完全な球状ボディに2つのレンズやバッテリなどが内蔵されていたが、新モデルでは球に棒がついた、てるてる坊主のような形状となっている。
新モデルでは従来できなかった、ライブストリーミングにも対応していて、会場外のGear 360からのライブストリーミングを視聴するデモも行なわれた。デモのライブストリーミングはFacebook経由で行なわれていたが、ほかにもYouTubeやSamsung VRでのストリーミングも可能となっている。
さらにスペシャルサプライズとして、Unpacked 2017の来場者全員に、Gear 360の新モデルが配布された。すぐに操作方法が説明され、Silva氏が促すと、多くの来場者が配られたばかりのGear 360を魔法のステッキあるいはウルトラマンの変身アイテムのように高く掲げ、会場の様子を撮影していた。
新Gear 360はAndroidではGalaxyシリーズ専用となるが、対象機種が広げられ、さらにiOS端末にも対応するようになった。パソコンも従来モデルはWindows向けアプリしか提供されていなかったが、新モデルではmacOS向けのアプリも提供される。日本での発売はアナウンスされていないが、全世界で販売される予定となっている。