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AXON 7/7 mini発表会、ハイレゾとドルビーアトモス対応でハイエンドを訴求

 ZTEジャパンは、SIMロックフリーのAndroidスマートフォンのハイエンドモデル「AXON 7」「AXON 7 mini」を日本で10月21日に発売すると発表した。13日には都内で記者向けの発表会が開催され、担当者からAXON 7/7 miniの特徴が解説された。端末の詳細は別のニュース記事で掲載している。

 最初に登壇し挨拶したZTE Corporation Marketing Director of Device EMEA and APACのハーバート・チャン氏は、「ユーザーの声に耳を傾けることでプレミアムモデルの開発ができる。全世界で調査を実施し、すばらしいサウンドをどこでも体験できるフラッグシップモデルのシリーズを開発した。日本において新たな成功をもたらすと確信している」と、高音質にこだわったフラッグシップモデルの投入に自信を見せる。

 チャン氏はZTEのスマートフォンがグローバルで大きく成長している様子や、スポーツマーケティングで知名度向上に努めている様子を示し、日本においても今後スポーツチームへのスポンサーシップを検討しているとした。また端末単体だけでなく、VRなどの先進技術とコンテンツの組み合わせに積極的に取り組んでいくとしたほか、量販店などでの販売に加えて、MVNOからの提供にも前向きな姿勢で、アフターサービスの延長プランの提供など、安心して利用できる環境も構築していく方針を明らかにした。

ZTE Corporation Marketing Director of Device EMEA and APACのハーバート・チャン氏

 AXON 7/7 miniの具体的な特徴については、ZTEジャパン モバイルターミナル事業部 デザイン兼商品企画ディレクターの荒井厚介氏から解説された。荒井氏はAXON 7/7 miniの特徴を「サウンド」「デザイン」「カメラ&ディスプレイ」の3つに分けて解説する。

 「サウンド」面では、「スマートフォンの常識を超えるオーディオ体験。これがAXON 7シリーズ最大のポイント」とし、旭化成のDACを搭載することによる高音質なハイレゾ音源の再生をアピールする。これらはプロによるチューニング、ソフトウェアの最適化、ハードウェアの設計の3つの要素からなり、西安音楽学院の教授とチューニングしたことや、旭化成エレクトロニクス、ドルビーと協力し最適化や開発を行ったことを紹介した。

ZTEジャパン モバイルターミナル事業部 デザイン兼商品企画ディレクターの荒井厚介氏

「スマートフォンではこれまで感じたことのない繊細な息遣い」

 壇上にはここで旭化成エレクトロニクスの担当者として、シリコンソリューション事業部 オーディオ&ボイス事業開発部 Audio Quality Expertの小瀧敬氏が登場し、旭化成のDACなどについて解説した。

旭化成エレクトロニクス シリコンソリューション事業部 オーディオ&ボイス事業開発部 Audio Quality Expertの小瀧敬氏

 小瀧氏はオーディオ専用チップの提供で30年の歴史があることや、高級オーディオ機器を中心に累計25億個以上を出荷した実績、現在は高音質なチップについて「VELVET SOUND」として打ち出していることを紹介した。

 「AXON 7」に搭載されるDAC「AK4490」は、2014年の登場から一気にベストセラーになったハイレゾ対応のDACチップ。「これまで数十万円~数百万円の高級オーディオ機器を中心に搭載されてきたが、今回、世界で初めてスマートフォンに採用された。高級オーディオ機器向けのAK4490をスマートフォンに搭載するのは我々にとっても新たな挑戦だった。これまで培ってきた技術や経験を、厚さ8mmの筐体の中に収めるためにはスペースの制約や通信モジュールからのノイズ対策など、数多くの課題を解決する必要があった」と、搭載にあたって協力してきた様子を語り、「最終的な音質チューニングではZTEのラボを借りて、試作と調整を繰り返し、音楽家にも納得いただける音に仕上がった。スマートフォンではこれまで感じたことのない繊細な息遣いや華やかな音色を体験してほしい」と、最終製品の音質にも太鼓判を押した。

ドルビーアトモス「スマホでは誰も聞いたことがない立体音響」

 続いて、サウンド面でもうひとつの特徴になっている「ドルビーアトモス」への対応について、Dolby Japan 代表取締役社長の大沢幸弘氏が登壇した。

Dolby Japan 代表取締役社長の大沢幸弘氏

大沢氏は、「今日は単なる新製品の発表会ではない」と前置きした上で、「オーディオの世界も日進月歩だが、今は20年ぶりぐらいの、サウンド技術の大革新が起きている。元々は、1つのスピーカーで1チャンネル、ステレオで2チャンネルといったように、マルチチャンネルの方式を我々ドルビーも長い間提唱してきたが、この方式をベースに、オブジェクトオーディオという新しい方式を世に出した。それが、AXON 7シリーズに採用されている。これをドルビーアトモスという」とドルビーアトモスへの対応を紹介。

 「今までチャンネルを増やすことで包まれるように聞こえていた音、ドルビーサラウンドをベースに、三次元の空間に、自由に音の要素を送れるようにした。鳥が飛ぶ、雨が降る、雷が鳴る、そういったものが、見ているように聴こえる。今までと違う、立体的な音響が世に出始めた。全然違うサウンド体験。その立体的なサウンドが日本のスマホに登場するのが今日。大げさに言えば、歴史的な日だ」「スマホでは誰も聞いたことがないような音、立体音響。映画を見るとシーンに迷い込んだような体験ができる。TOHOシネマズの一部の映画館、ドルビーアトモス対応のAVアンプなどで聞いたことがあるかもしれないが、普及は始まったばかり。ぜひAXON 7、AXON 7 miniを買って体験してほしい」と、大沢氏はドルビーアトモスの革新的な立体音響とスマートフォンへの搭載を強く印象づけた。

デザイン、カメラ、ディスプレイ

 BMWグループのDesignworksとのコラボによる外観デザインについては、ラグジュアリー・カーなどに多用されるというG3曲線を用い「手のひらにすっぽりとおさまり、優しさも感じられるデザイン」(荒井氏)で、素材には6000番台のアルミ合金が採用された。

 カメラは「AXON 7」が2000万画素で光学式手ぶれ補正にも対応、「AXON 7 mini」が1600万画素で、高精細な写真を手軽に撮影できる。

 またカメラだけでなく音の録音にもこだわっているとのことで、マイクの性能にも注力されているという。

 ディスプレイはAMOLED(有機EL)で、色再現性だけでなく「高速な応答性はVRにも最適」とする。GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」への対応については、「Daydream」対応を前提に開発しているとし、2016年第4四半期中にソフトウェアアップデートで対応予定とした。

囲み取材

 荒井氏は発表会後の囲み取材で、ラインナップをハイエンドまで広げた意図について、「数が出るローエンドも重要だが、ラインナップ全体を整えていこうという中で、(日本市場への投入を公表済みだった)AXON 7 miniだけでなく、AXON 7も投入することになった」と回答。シェア拡大のための施策については、「ブランディングの強化と、取り扱い店舗や売り場の拡大など地道なところも強化していく」とした。

 MVNOでの取り扱いについては「今回は製品の発表ということでMVNOとのコラボは発表していない。販売促進では提携を模索していきたい」。

 他社ではau VoLTEに対応したSIMロックフリーのスマートフォンが増えている点については、「AXON 7/7 miniでは対応していないが、今後は検討していきたい」と前向きな姿勢を示している。

平原綾香が登場、曲をライブで披露

 発表会の後半には歌手の平原綾香がゲストとして登場し、「AXON 7」を試用した感想を語ったほか、「AXON 7」のマイクで録音した歌が、音割れする箇所がなく綺麗に録音されている様子を紹介。

平原綾香

 平原綾香はこの後、楽曲「アリア-Air」をライブで披露。展示会場には同曲をハイレゾ音源で搭載した「AXON 7」が用意され、高音質なハイレゾ音源の再生を体験できるようになっていた。

「AXON 7」
「AXON 7 mini」