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ASUSが本社で「ZenFone 3」シリーズを解説
2016年6月2日 14:28
ASUSは6月1日、台湾・台北市にある本社で、グローバルのメディアを対象にしたプレスイベントを開催。5月30日に発表されたAndroidスマートフォンの新モデル「ZenFone 3」シリーズの詳細な機能を、デモを交えながら紹介した。同シリーズの主な特徴や機能は、既報のとおりだが、ここではその模様をお届けする。
ZenFone 3シリーズは、これまでのZenFoneからデザインを大きく変え、機能も一新した。「映像」「サウンド」「カメラ」にこだわっているのも特徴だ。プレスイベントでは、こうした機能の詳細が明かされている。ここでは、順にその様子を見ていきたい。
リアルタイムHDR、フレーム補間、屋外での視認性などにこだわったディスプレイ
ディスプレイには、「VisualMaster3.0」という独自の機能が搭載されている。VisualMaster3.0は、映像に関するさまざまな補正機能をまとめたもの。その中の1つが「Tru2Life+」で、「ZenFone 3 Ultra」にのみ搭載される。これは、アプリケーションチップとは別建てとなる、映像補正用のチップのこと。最上位モデルである「ZenFone 3 Deluxe」は、一部機能が含まれない「Tru2Life」を内蔵する。
Tru2Life+は、コントラストやシャープネスを高めたり、フレームの補間を行ったりといった処理を担当する。コントラストを分析して、「リアルタイムHDR」で最適化を行うほか、シャープネスも強めており、細かな文字などがくっきり見えるのが特徴だ。担当者によると、CPUやGPUとは別のチップで処理を行うことで、動作に与える影響も少ないという。
環境に応じて、ディスプレイのコントラストや明るさを自動的に調整する機能にも対応。これによって、太陽光が強い屋外でも、しっかり画面に表示されたコンテンツを見ることができるとした。
Tru2Life+は、フレーム補間技術にも対応。前後のフレームを分析し、中間となるフレームの映像を生成することで、残像感を減らすことができるという。ASUSでは、これを「Blur-free motion」と呼び、“4Kレベル”の技術とうたっている。ZenFone 3 Ultraが、4Kレベルを売りにするのは、こうした技術を採用しているためだ。
スピーカーとヘッドホン、どちらにもこだわった「SonicMaster3.0」
ZenFone 3 Ultraはサウンドにもこだわりがあり、「SonicMaster3.0」を搭載する。VisualMaster 3.0と同様、これは、複数の機能をまとめたもの。構成要素としては、ハイレゾ対応、大音響、7.1chサラウンド対応といった、エフェクト対応が挙げられる。
ZenFone 3 Ultraには、「DUAL Five-Magnet Speakers」が搭載される。薄型で、タブレットに比べるとコンパクトな6.8インチのZenFone 3 Ultraで、大音量を実現できた理由は、ここにある。音量は従来比で40%アップ、低音部の再生性能も向上しているという。
ヘッドホン装着時には、「DTS Headphone:X」の利用が可能となる。DTS Headphone:Xとは、バーチャルでサラウンドを実現する技術。ZenFone 3 Ultraでは、7.1chのサラウンドが可能になっている。利用するヘッドホンを選ばないのも、DTS Headphone:Xのメリット。ASUSによると、この技術に対応するのは「世界初」だという。
シリーズ3機種とも、「PixelMaster3.0」でカメラが進化
カメラに関しては、「PixelMaster3.0」を搭載する。搭載されるセンサーはZenFone 3と、ZenFone 3 Deluxe、ZenFone 3 Ultraで異なり、前者が1600万画素、後者が2300万画素だが、いずれもソニー製のカメラモジュールとなる。PixelMaster 3.0は、「高速撮影」「手ぶれ補正」「リアリティ」に重きが置かれているという。
高速撮影に関しては、オートフォーカス性能に磨きをかけてきた。シリーズ3機種に共通するのが、3つのオートフォーカスを併用するところ。1つがセンサーに搭載された「位相差AF」で、これによって0.03秒でのオートフォーカスを実現した。ただし、位相差AFは、暗所での撮影に弱い。それを補完する技術として、ASUSが選んだのが、レーザーオートフォーカスだ。
レーザーオートフォーカス自体は、「ZenFone 2 Laser」などに搭載されているが、この性能自体も改善。スピードを0.03秒と高速化したうえに、到達距離も1.2メートルにまで伸ばした。従来比で言うと、約3倍となっており、暗い場所でも被写体をしっかり捉えやすくなったという。2つのAF技術に加え、動体を検知し、フォーカスを合わせ続ける「コンティニュアスAF」にも対応する。
手振れ補正に関しては、4軸、8方向の光学手ぶれ補正を搭載。これに加え、3軸6方向の電子式手ぶれ補正も利用でき、動画の撮影を安定させることができるという。
また、色を正確に校正する「Color Correction sensor」も搭載しており、自然に近い色味で写真を撮ることができる。撮影時のリアルタイムHDRに対応したり、4枚の写真を合成することで、通常の4倍の画素数の写真を撮れる「Super Resolution Mode」が搭載されていたりと、カメラ機能は大きく進化した。