【WIRELESS JAPAN 2009】
KDDI、位置情報による3Dマッピング技術「実空間透視ケータイ」


 KDDIブースでは、参考出品として、位置情報を使ったインターフェイス「実空間透視ケータイ」が展示された。

 「実空間透視ケータイ」は、6軸センサー(加速度センサーと地磁気センサー)を搭載した携帯電話で利用できる、位置情報をベースとしたインターフェイス。携帯電話を向けた方向や傾きで、バーチャル空間上にマッピングされたデータの表示が変わるBREWアプリ。

 今回の技術は、昨年開催された展示会「CEATEC JAPAN」でも披露されたものだが、6月にau oneラボとして発表した技術のお披露目となった。今回は3つのアプリのデモが体験できる。

 「地球アルバム(β版)」は、アプリで写真を撮影すると、写真に自動的に位置情報が付与され、マッピングされるというもの。携帯電話を向けた方向によって過去に撮影した写真がサムネイル画像で表示される。同一方向にある画像でも、撮影した場所が遠いものは小さく、逆に付近で撮影されたものは手前に表示される。

 表示されたサムネイル画像にアクセスすれば大きな画像が確認できる。ブースのデモでは、端末をお台場に向けると、先日撮影したというお台場のガンダムの写真が確認できた。

地球アルバムお台場のガンダム

 「トラベルビューアー(β版)」は、“今居る場所”周辺の名所やホテル施設といったランドマークを表示するもの。旅行クチコミサイト「フォートラベル」のデータと連携しており、携帯電話を向けた方向にあるクチコミデータが表示された。

 「MAWARIPO」は、博報堂などと実証実験を行っているもので、周辺にあるコンビニや飲食店の情報が表示される。気になる店舗情報にアクセスして動画を確認したり、クーポンを取得したりとより実際のサービスに近い形で紹介されていた。

 KDDIでは、「実空間透視ケータイ」の商用化時期については未定としている。説明員は、プラットフォーム化して展開したい考えを示しており、BREW APIの公開も検討しているという。コンテンツプロバイダーなどがサービス提供しやすい環境作りを行っていく方針としたが、キャリアを超えたプラットフォーム展開などについては明言していない。

 なお、今回のデモは6軸センサーに対応するCA002やW62CAで行われていたが、KDDIの研究所では、携帯電話のカメラを利用して加速度センサーのように傾きを検知する技術も「直感コントローラー」として開発されている。

トラベルビューアーMAWARIPO
目的地を決めておおよその方向をナビする機能なども用意されているマッピングされた情報をソートして表示できる

 



(津田 啓夢)

2009/7/22/ 17:03