【WIRELESS JAPAN 2009】
ドコモ、触る感覚を伝える技術や拡張現実アプリなど


 7月22日より東京ビッグサイトで開催されている展示会「WIRELESS JAPAN」のNTTドコモブースでは、先端技術や発売中の最新機種などが展示されている。

離れていても触った感覚を伝える

離れた場所にあるギター

 最先端の技術の1つとして展示されていたのが「触力覚メディア」というコーナーだ。これは、ユーザーが操作するアーム(機械の腕)と、離れた場所のアームを連動させ、遠隔操作するだけではなく、離れた場所のアームで触れた物の感覚までユーザーに伝わるというもの。実際に体験できるようになっており、手元のアームを動かすと、離れた場所にあるアームがギターの弦をかきならし、弦に触れる感覚が手にフィードバックするデモや、離れたアームでガラスの瓶やゴムボールを軽く叩いてその感触の違いを比べるデモが用意されていた。

 商用化は未定だが、通販利用時に購入しようとする服や物の触感を事前に確かめるといった利用シーンが想定されている。20ミリ秒~70ミリ秒程度の遅延はあるものの、実際に操作してみると遅延はまったく感じられなかった。基本的に、2つのアームは、次世代高速通信技術「LTE」で通信する。アームにはエンコーダーと呼ばれる機械とモーターが付いており、エンコーダーで加速度やアームの向きなどを検知しているという。

“マスタ装置”と名付けられた装置のアーム(本体下部)を動かすこちらはビンなどに触れるアーム

 

Androidケータイ「HT-03A」利用の“拡張現実”アプリ

HT-03A利用のアプリ

 「直感検索・ナビ」と題したコーナーでは、グーグル主導の携帯電話向けソフトウェアプラットフォーム「Android」搭載の新機種「HT-03A」を利用したアプリケーションが紹介されていた。実際に試せるようになっており、多くの来場者が楽しんでいる様子だった。

 これはHT-03Aの電子コンパスや加速度センサーを利用したアプリで、見ている方向に横向きにしたHT-03Aをかざすと画面上に店舗情報やランドマークなどが表示される。現実に対して電子的な情報を加える“拡張現実”と呼ばれる種類の内容となっており、友人のいる方向を示す「友達レーダー」といった機能や、メッセージを入力した後に友人のいる方向に向かって携帯電話本体を振るとメールが送信される「投げメール」といった機能が用意されている。

 「投げメール」については、携帯電話の振った勢いによって、「メールを飛ばす勢いがなく、すぐ下に落ちた」などと表示され、相手に届かないこともある。ただし、他のユーザーがその場所を訪れてアプリを立ち上げて周囲を見渡すとテキストデータ、つまり誰にも届かなかった「投げメール」のデータを見つけることもあるという。

 同アプリは、「HT-03A」向けに、7月22日より3カ月間、1000名限定で体験版が提供されている。

画面上では街並みに合わせ、店舗などの情報が表示される傾けると地図に切り替え
「投げメール」のメッセージ入力画面投げる直前の注意案内画面
力を入れて本体を振り抜くしかしメールは足元に落ちた

 


(関口 聖)

2009/7/22/ 16:00