みんなのケータイ

市場再参入を果たしたNokiaのスマートフォンを買うに買えず

Nokia 6のパッケージ。買おうと思えば買えるのだが、後述の理由で断念

 2017年1月19日、ついにNokiaのスマートフォン「Nokia 6」が中国で発売となった。Nokiaブランドのスマートフォンは、2014年のNokia Lumia 638以来、約2年ぶり。今回はNokiaがブランド供与したHMD Globalからの登場が、まわりくどい説明は抜きにして「Nokiaの製品」と呼んで差し支えないだろう。

 Nokiaが携帯電話事業をMicrosoftに売却してからのこの2年間で、市場のバランスは大きく変わった。そのためだろうか、Nokia 6の販売は中国の通信事業者や小売店ではなく、オンラインのECサイト「JD.com(京東)」のみとなっている。

 ここ数年、Xiaomiをはじめとする新興メーカーはコストのかからないオンラインストアでの販売を強化してシェアを高めてきた。しかし、最近ではオフライン販売を拡大しているOPPOなどが中国市場を席捲している。Nokia 6がオンライン販売だけというのはその動きに逆行しているように思えるが、久しぶりの市場参入、しかも中低位価格帯のミッドレンジ製品ということもあり慎重なスタートとなったようだ。

 Nokia 6のスペックはSnapdragon 430(1.4GHz)、RAM 4GB、ROM 64GB、5.5インチ、フルHDディスプレイ、1600万画素カメラなど。Dolby Atomosに対応しているが、その他にはこれと言って大きな特徴はない。とはいえ、やはりNokiaという名前を冠した製品だけに、安心や信頼といったものが感じられる。しかもうれしいことに、あの独特の起動音、Nokia Tuneもしっかり入っている。電源を入れてその懐かしい音を聞いたら、筆者は涙を流してしまいそうだ。

Nokiaを買う前に飲茶で昼食。この時は買う気満々だった

 さて、長年のNokiaファンである筆者だけに、このNokia 6は今すぐにでもほしいところ。だが発売当日は日本に滞在中であり、しかも販売はオンラインのみ。すぐに買えない状況のまま香港に戻ると、携帯電話の店舗が集まる携帯ビル「先達廣場」のとある店に在庫があるという。ネットの情報では価格は2280香港ドル、約3万3000円だ。中国の定価が1699元、約2万7900円であることを考えると悪くはない値段だろう。

 ということで現金を握りしめ、昼食を済ませてからお店に向かった。先達廣場の店はお昼過ぎから開店するのだが、残念ながらその店は13時を過ぎても閉まったまま。仕方なく香港にあるXiaomiの店に立ち寄って時間をつぶしたりして、14時くらいに再訪すると在庫は無いという。「夕方には入るよ」という店主の一声にほっとしたものの、価格を確認すると2880香港ドル、約4万1800円だそうだ。

先達廣場でNokia 6を中国から輸入販売している店

 もう一度Nokia 6のスペックを見ればわかるが、この性能で4万円近い価格はちょっと割高だ。しかも定価の1.5倍。Nokiaの久しぶりのスマートフォンとはいえ、これなら中国へ行って転売されているものを買ったほうが定価プラスαで購入できる。ちなみに後日店を再訪したところ「海外にも送っているよ」とのこと。筆者のような世界中のNokiaマニアがこのNokia 6を買っているのだろうか。

 本来なら価格は無視してでも買うべきなのだろうが、2月末のMobile World CongressでもNokia新モデルの発表が期待されている。また、年内には他にも数モデルが登場予定だという。そう考えると再参入最初の1機種となるNokia 6は、コレクション用として後から買うこととして、メインとしても使えるだろうハイエンドモデルを狙いたいと思ってしまう。何はともあれ今月下旬開催のMWC2017での新製品の発表を待ってから、久しぶりにNokiaのスマートフォンを買おうと考えている。