【Mobile World Congress 2018】

新ZenFone 5はAI対応を強化、広角撮影にこだわったZenFone 5 Liteも

 ASUSは、Mobile World Congress 2018に合わせ、27日(現地時間)にプレスカンファレンスを開催。「ZenFone 5」とその上位版の「ZenFone 5Z」に加え、フロントとリアそれぞれがデュアルカメラとなる「ZenFone 5 Lite」を発表した。合わせて、プレスリリースのみという形で「ZenFone MAX(M1)」も発表してる。

ZenFone 5。同じ筐体でスペックの高いZenFone 5Zも発売する
イン、アウト両方がデュアルカメラのZenFone 5 Lite

 プレスカンファレンスは「Back to 5」と銘打たれていたが、これは過去に同名のZenFone 5が存在したため。旧ZenFone 5は2014年に発売されたモデル。当時、SIMフリースマートフォンが今ほど一般的ではなかった日本にも上陸しており、MVNOの普及の一翼を担った。「5に戻る」という意味のBack to 5には、その原点に戻るという意味が込められている。

発表会場には、初代ZenFone 5を起点にした、歴代ZenFoneが展示されていた

 ただし、旧ZenFone 5の「5」は、ディスプレイサイズを示す番号だった。その翌年からASUSは、発売順のナンバリングに命名規則を改め、「ZenFone 2」を発売。以降、「ZenFone 3」「ZenFone 4」と続き、今回のZenFone 5で、原点に戻った格好だ。

「5」に戻ったZenFoneシリーズ、売りはカメラとAI

 プレスカンファレンスには、ASUSのCEO、ジェリー・シェン氏が登壇。最新技術やデザインを妥協なく追い求める、ZenFoneのブランドスピリットを語ったのち、「もっとも賢いZenFone」だというZenFone 5シリーズを披露した。

ASUSのCEO、ジェリー・シェン氏。なお、同社の発表会でおなじみのジョニー・シー会長は、ショップのオープニングイベントのため来日中とのこと
ZenFoneのブランドスピリットが語られた

 シェンCEOに続けて、ASUSの南東欧州マーケティング担当、ダニエラ・イディ氏がZenFone 5 Liteの特徴を紹介。同氏は、フロントとリアどちらのカメラも利用頻度が高いというデータを示しつつ、その用途として多いのがグループ撮影(Wefie)であると解説。このニーズを満たすため、ZenFon 5 Liteはフロントとリアの両方に、120度の広角カメラを搭載したという。

フロント、リアともに利用率が高く、グループ撮影に活用されるという
前後それぞれにメインカメラと120度の広角サブカメラを搭載

 ZenFone 5を披露したのは、ASUSでグローバルマーケティングを担当するマルセル・キャンポス氏。同氏は、まず、ZenFone 5に搭載されたAI機能を解説した。キャンポス氏によると、ZenFone 5にはAIカメラやAIディスプレイ、AIリングトーン(着信音)、AIブース、AIチャージング(充電)、AIフォトラーニングという6つの機能が搭載されているという。

AIを活用した、6つの機能に対応するZenFone 5

 AIカメラは、シーン認識機能。ZenFone 5では16のシーンを見分けることができ、自動で最適な設定に切り替える。AIフォトラーニングは、ユーザーの好きな補正を学習する機能。AIリングトーンを使うと、周囲の音に応じて着信音の音量を自動で調整するという。AIブーストはパフォーマンス向上、AIチャージングは就寝時に80%で充電を止め、バッテリー寿命を延ばすというのがその役割だ。周囲の環境に応じてディスプレイの色温度を自動で設定する機能となる。

16のシーンを自動で選択する
好みの補正を学習していくというAIフォトラーニング
着信音の音量を自動で調整するAIリングトーン
パフォーマンスを向上させるAIブースト
バッテリー寿命を伸ばすAIチャージング
色温度を自動で設定するAIディスプレイ

 ZenFone 5は、19:9で上下左右のベゼルが細いディスプレイを採用しているが、画面上部にはiPhone Xに近い切り欠き(ノッチ)があり、凹形状になっている。キャンボス氏は、この切り欠きが「Fruit Phone X(iPhone Xのこと)よりも、26%小さい」と力説。画面上部右をドラッグするとボタンや通知がすべて表示される一方、左をドラッグすると設定用のボタンだけが現れるといった形で、UIも形状に合わせて工夫したという。

iPhone Xより切り欠きが小さいことが強調された

 さらにキャンポス氏は、ZenFone 5の上位モデルとして、ZenFone 5Zが存在することを明かす。ZenFone 5ZはデザインやカメラなどはZenFone 5と共通しているが、「1つだけ大きな違いがある」という。その違いとはチップセットのことで、ZenFone 5がSnapdragon 636を搭載しているのに対し、最上位モデルのZenFone 5ZはSnapdragon 845を搭載する。こうしたスペックの高さを示しながら、キャンポス氏は「アメージングフォン(驚くべき携帯電話)」だと語った。

スペック強化版のZenFone 5Zも用意

 プレスカンファレンスの最後には、シェンCEOが再び登壇。ZenFone 5 Liteが3月、ZenFone 5が4月、ZenFone 5Zが6月から発売されることを発表した。価格はZenFone 5Zのみ発表されており、3バージョンあるSKUのうち、もっとも安いものが479ユーロになるという。

3月から6月にかけ、順次発売される
価格は479ユーロから

ZenFone 5シリーズの主な仕様

 ZenFone 5は、6.2インチ、19:9のディスプレイを採用。チップセットはSnapdragon 636で、メモリ(RAM)は最大6GB。DTS Headphone:Xにも対応する。上位モデルのZenFone 5Zは、チップセットがSnapdragon 845で、メモリは最大4GB、6GB、8GB。ストレージ(ROM)は64GB、128GB、256GBとなる。

切り欠きのあるディスプレイや、AI機能が特徴的なZenFone 5

 ZenFone 5 Liteは6インチで18:9のディスプレイを採用。チップセットはSnapdragon 630を採用しており、メモリ(RAM)は最大4GBとなる。リアカメラは1600万画素のメインカメラに加えて、120度の広角カメラを採用。フロントカメラはメインが2000万画素で、こちらにも120度の広角カメラがサブとして搭載される。

イン、アウト両方に120度の広角サブカメラを備えたZenFone 5 Lite