【Mobile World Congress 2016】
新端末「REI」を語るFREETEL、海外展開やMWC出展の狙いも
(2016/2/23 20:58)
昨年、Mobile World Congressに初出展を果たした、プラスワン・マーケティングのFREETEL。同イベントで発表したSAMURAIシリーズは「MIYABI」「KIWAMI」として日本で発売され、SIMフリースマートフォン市場で人気を博している。Mobile World Congress 2016では、ブースを拡大。奥まった場所にあった昨年からは一転して、メインブースが集まるホール付近に移動してきた。往来が多い通り沿いに設置されているだけに、足を止める来場者も多いようだ。
このMobile World Cognressに合わせ、FREETELはSAMURAIシリーズの新モデルとなる「REI(麗)」を発表、同社ブースに展示を行っている。REIは、MIYABIとKIWAMIの間を狙ったモデルで、5.2インチのフルHDディスプレイを搭載。OSにはAndroid 6.0 Marshmallowを採用する。この端末のコンセプトや、FREETELの海外事業、Mobile World Congressの出展意図などを、ビジネスディベロップメントグループ マーケティングチーム シニアマネージャー 林亮治氏と取締役 グローバルビジネスディベロップメント 吉岡ユージン氏に聞いた。
――REIが発表されましたが、この特徴を改めて教えてください。
林氏
新しいSAMURAIシリーズで、世代的な特徴としては、OSにAndroid 6.0を採用しています。11月、12月にMIYABI、KIWAMIを出してきましたが、ポジショニングとしては、その真ん中ぐらいのものです。
――お値段も真ん中辺りになりそうですか。
林氏
まだ確定はしていませんが、お求めやすい価格になることを想定しています。
――質感も今までとは異なりますね。
林氏
FREETELとしては、初となるフルメタルボディです。MIYABIもKIWAMIも、サイドのフレームはメタルでしたが、今回はフルメタルです。しかもアルミなので、メタルであっても軽いし、強度も出ています。
――カラーバリエーションは4色ですか。
林氏
今のところは4色ですが、ちょっと考えているところです。REIでは、日本の色を表現したい。メタルではありますが、日本の色にちなんだ名前を、いくつか考えています。たとえば、伝統工芸のようなものですね。この色(展示機)の色も、確定したわけではありません。
吉岡氏
金属で黒いモデルも、あまりないと思います。REIでは、フルメタルのブラックを用意しようと考えています。
――このホームキーは?
林氏
ホームボタンで、指紋センサーも兼ねたものです。また、カメラは13メガピクセルですが、オートフォーカスに新しい技術を入れています。
――OSがAndroid 6.0ということですが、既存モデルへのアップデートは行うのでしょうか。
林氏
検討中ですが、ユーザーさんも多いので、何とかしたいと考えています。アップデート後の使い心地も含めて、今検証しているところです。
――SAMURAIシリーズも売れ行きはよさそうですからね。
林氏
MIYABIは、いろいろなところでランキング1位をいただいています。KIWAMIは我々も読み誤ったところがあり、高いのであまり作っていませんでした。ところが思った以上に売れ、増産して1月末ぐらいにある程度十分在庫がある状態になりました。3万9800円なので、作りすぎるのはリスクが高いですし、量販店の中にも疑問がありましたからね。
――Windows 10 Mobileの取り組みはいかがですか。
林氏
実際にお客様の声を聞きながらというところはありますが、大きくなるのは法人マーケットと見ています。うちはダイワボウさんと提携しているので、そこで販売して、声を聞いていきたいと思います。Continuumがいいという声も聞きますが、この機能はまだ完全に使い物になるところまではいっていません。その意味では、KATANA 01/02をまず試していただき、Windows 10 Mobileがどう広がるのかを見ていきたいところはあります。
――そこは、お客様次第ということですね。
林氏
法人はすぐに動くわけではないので、本当にContinuumがいいのか、それともKATANA 02ぐらいでいいのかは、まだ分かりません。反応を見ながら、対策を考えていきたいと思います。
――Mobile World Congress出展の理由を教えてください。
林氏
そもそも昨年続いて2回目になりますが、海外に打って出たいという思いがあります。海外のお客様に、まずはFREETELを知っていただきたい。そのために製品も展示していますし、プロモーションビデオも流しています。
――昨年より、場所もよくなりました。でも、お高いのでは?
林氏
海外でやっていくためには、それなりのプレゼンスが必要になります。場所を取るのはなかなか難しかったのですが、ここが空いたタイミングで、24時間以内に決断しました。すぐに社内で承認を取り、連絡して決めています。
――グローバル事業の進捗状況はいかがでしょうか。
林氏
昨年11月にカンボジアに入り、メキシコでもやっていますし、アメリカでの発売も決まっています。ここにもお客様が来て、すぐにハンコを押すわけではありませんが、きめていただけます。販路はオープンマーケットもあれば、キャリアもあります。キャリアも完全にカスタマイズするわけではなく、どちらかというと、オープンマーケットに近く、そのままに近い状態で納入しています。
――とは言え、SEATELで販売された端末は、VoLTEに対応しています。
林氏
SEATELさんはキャリアの中でもかなり変わっていて、サービスを4Gだけでやっています。その中で、VoLTEに対応できるということで、我々が選ばれました。Priori 2はまずお試しで2000台ぐらいから始めましたが、売れ行きがよく、今は3を準備しているところです。まだ製品のテスト中ですが、でき次第投入します。カンボジアでは、覚書ベースですが、2016年に50万台という数字も出ています。
――50万台は多いですね。
林氏
あちらも新興のキャリアで、数を伸ばしたいというのはあるのだと思います。今まではサムスンさんのような高い端末しかありませんでしたが、カンボジアなので、そこまでユーザーの所得も高くありません。我々もちょうど新興だったため、お互いに投資していこうという形になりました。
――日本のMVNOで得たノウハウを海外で生かすことはありますか。
林氏
大きな構想としては、海外でも通信ビジネスをやりたいというのはあります。ただ、それなりの投資や経験も必要ですから、今、何かが進んでいるわけではありません。まずはプリペイドSIMを発売して、海外から日本に来たお客様にアプローチするという形を取っています。単にハードを作って終わるのではなく、トータルでサービスを提供したいですからね。
――逆に海外で得たノウハウは日本に生かせますか。たとえば、VoLTEなどは……。
林氏
VoLTEは1つの課題で、すぐに対応しようというところにはありません。
また、通話の需要がどのくらいあるのか。逆に我々にはプレフィックスのサービスがあり、この新たなバージョンを考えています。これは、来週発表があるので、お楽しみに。
――生産を日本でという構想はまだ生きているのでしょうか。
林氏
最終的にはメイドインジャパンでやりたいので、いくつか探しています。どこまでできるかは分かりませんが、まずはSAMURAIシリーズの一部をやるところから考えていきたいですね。ただ、今でもだいぶクオリティはよくなりました。日本の技術者も中国に常駐しています。
――それでも投入スピードが速いような印象を受けます。
林氏
これでもだいぶ品質優先になりました(笑)。もっと早く出せたのに、問題があるからダメと止めたこともあります。
――本日はありがとうございました。