【Mobile World Congress 2012】
LGのBae常務に聞く、日本市場での戦略


 LG Electronicsは、「Mobile World Congress 2012」の開催に先立ち、ディスプレイの縦横比が4:3で5インチの液晶を搭載した「Optimus Vu」や、クアッドコアの「Tegra 3」を搭載した「Optimus 4X HD」を発表、さらに会期中にもグローバル市場向けモデルとして新たなブランド「L」シリーズを立ち上げ、Androidスマートフォンのラインナップを積極的に拡充している。MWCの同社のブースでは、これら新端末が大々的にアピールされている。

 本誌は、MWCの会場にて、LG Electronics MCマーケティングセンター MC日本マーケティング 常務のBae Hyung Ki(ベ・ヒョンギ)氏に話を伺う機会を得た。

LG Electronics MCマーケティングセンター MC日本マーケティング 常務のBae Hyung Ki(ベ・ヒョンギ)氏

 

 MWCで展示されたラインナップのコンセプトについては、「今後のトレンドを先に反映させたラインナップ」とし、特に5インチで4:3の液晶を搭載した「Optimus Vu」は「新しいジャンルを切り開くもの」と、今回の目玉であるとし、続いてクアッドコアの「Optimus 4X HD」も、先進的な性能をいち早く反映させた製品になっているとした。また、デザインコンセプトを明確にしたものや、3Dコンテンツを楽しめる「Optimus 3D MAX」は3Dコンテンツを利用するテレビやストレージといった環境でキーになる存在だとした。

 展示会場での反応は、「Optimus Vu」が大きな注目を集めているとのことで、「世界の通信事業者も関心があるようだ」と手応えを語る。日本のキャリアも「『可能性はある』と言われている」とのことで、日本市場での展開は「楽しみにしていただければ」と含みを持たせている。


「Optimus Vu」は縦横比が4:3で5インチの液晶を搭載「Optimus 4X HD」はクアッドコアの「Tegra 3」を搭載
シンプルでスタンダードなデザインが特徴の「L」シリーズ。写真は上位モデルの「L7」「Optimus 3D MAX」は3Dコンテンツを楽しめる

 

 日本でもデータ通信端末がラインナップされているように、LGはLTEに対しても積極的に取り組んでいる。「LTE関連の特許は、金額ベースでは世界で最も高い」と先行して取り組んでいることが改めて示され、「LTEナンバー1はLGというイメージを続けていく。LGの端末販売台数は世界で8500万台、このうちスマートフォンは45%を占める見込みで、その中でもLTEの割合は拡大させていきたい」と意気込みを見せた。

 LTEは展開する体制が整いつつあるが、WiMAXなどほかの通信方式に対しては、「基本的には、WiMAX系はLGでは考えていない。世界的に広がる中、LTEに集中していく」と、LTEを中心に据えていく方針が示された。

 日本市場向けの取り組みについては、「世界のトレンドを持っているのがLGの特徴。クアッドコアのスマートフォンを素早く投入するといったことができる。一方、日本市場では、日本のユーザーが満足できるように、グローバルの良さに加えて日本仕様をしっかり入れたものを、継続して開発していきたい。我々は、スマートフォンは始まったばかりだと思っている。長い目で、日本のユーザーに愛されるような、グローバルと日本の機能を取り入れたものを作っていきたい」と、継続して取り組んでいく姿勢を示した。

 




(太田 亮三)

2012/3/1 02:03