【Mobile World Congress 2012】
インテルがAtomプロセッサーの協力関係を強化、ロードマップも


 インテルは、スマートフォン向けの「Atomプロセッサー」に関するプレスカンファレンスを開催し、新たなメーカーとの協力関係を構築したことや、今後のロードマップなどを発表した。1月に米国ラスベガスで開催されたCESでは、モトローラ・モビリティやレノボがパートナーとしてAtomを採用していく方針が明らかにされたが、Mobile World Congressではこの枠組みに、Orange、Lava International、ZTEが加わった。

インテルのPresident and CEO、ポール・オッテリーニ氏CESで発表されたモトローラ・モビリティやレノボに加え、Orange、Lava Internationa、ZTEがパートナーに加わった。サービス事業者としてVISAとも協力関係を築いている
会見には各社の幹部も登壇。写真奥がOrangeのSenior Vice PresidentのYves Maitre氏

 Orangeはイギリスやフランスなどで通信サービスを提供するキャリアで、「Atom Z2460」を内蔵した端末を台湾のGIGABYTEが開発。いわゆるキャリアブランドとして提供され、Orangeの各種サービスを利用できることを特徴としている。一方のLava Internationalはインドで急成長する端末メーカーで、同社は「XOLO X900」を開発、第2四半期にインド市場で発売する予定だ。3社目のパートナーが中国のZTEとなり、今後、インテルのプロセッサーを採用したスマートフォンやタブレットに取り組んでいくという。ただし、ZTEの端末に関しては発売が2012年の後半だといい、プレスカンファレンスでは具体的な製品が紹介されることはなかった。

インドの端末メーカーであるLava InternationalのCo-Founder and DirectorのVishal Sehgal氏ZTEのExecutive Vice PresidentであるHe Shiyou氏m会見に登壇し、端末を開発する計画を明らかにした

 プレゼンテーションを行ったインテルのPresident and CEO、ポール・オッテリーニ氏によると、同社のAtom 2460はパフォーマンスに優れる一方で、消費電力が低いといった点を特徴としている。具体的な製品名や数値などは挙げられなかったものの、会見では同氏によって他社のチップセットよりも優れていることを示すグラフが紹介された。このAtom Z2460を、インテルは2つの方向に進化させていく。1つがパフォーマンスを向上させたもので、もう1つが低コストを目指したものだ。前者のプロセッサーは「Atom Z2580」で、後者が「Atom Z2000」となる。

インテルのプロセッサーは、パフォーマンスや消費電力の低さが優れているというまず、性能を向上させたAtom Z2580を発表したうえで、ブリオーニ氏は「ローコストもターゲットにしている」と語り、Atom Z2000を披露した

 さらにオッテリーニ氏は、モバイル向けのプロセッサーの進化がムーアの法則を上回っていることに言及し、2012年には32nm(ナノメートル)、2013年には22nm、2014年には14nmの技術に基づいた製品を開発するというロードマップを発表した。会見会場にはOrange、Lolo Internationalに加え、発表済みのLenovoのスマートフォンが展示されており、どのキャリア、メーカーもインテルのプロセッサーを搭載したことによるパフォーマンスの高さをアピールしていた。

14nmの技術を使用したプロセッサーも開発中だというOrangeブランドで提供される端末。コンパクトさや、同社のサービスにアクセスできることを特徴としている
インドに投入されるLava InternationlのXOLO X900。低コストなチップセットを発表したのは、こうしたメーカーを取り込んでいきたい思惑があるからといえるだろうすでにCESで公開されていたレノボのスマートフォンも展示されていた




(石野 純也)

2012/2/28 16:28