【IFA2017】
モトローラ、デュアルカメラ&Amazon Alexa搭載「Moto X4」
2017年9月5日 18:23
レノボ・グループ傘下で、スマートフォンやウェアラブルデバイスを展開するモトローラ(Motorola Mobility)が、IFA 2017の開幕前日にあたる8月31日、Moto Xシリーズの第4世代となる「Moto X4」を発表した。
「Moto X4」
モトローラは現在、国内市場向けに超薄型でMoto Modsを装着可能な「Moto Z」シリーズ、ミッドレンジのコンパクトな「Moto G」シリーズ、その他の市場向けには「Moto E」シリーズなどを展開しているが、今回発表されたのは「Moto X」シリーズの第4世代のモデルに位置付けられる。
今回、開催されたイベントはレノボ・グループが年末商戦へ向けて発売する各ジャンルの製品が発表されたが、その先陣を切って、Moto X4が発表される流れとなった。モトローラ製品のプレゼンテーションには、モトローラのProduct MarketingのSenior DirectorのJim Thiede氏が登壇し、Moto X4のコンセプトや機能などが解説された。
モトローラは7月にハイエンドモデル「Moto Z2 FORCE」(日本未発売)を発表したばかりだが、今回のMoto X4はこれに続くモデルに位置付けられる。コンセプトとしては「#helloperfection」と題し、ハードウェアや機能面において、ライバル機種に対抗できる実力を持つという。
まず、ボディはガラスとメタルの特長を活かしたデザインを採用。前面には5.2インチのフルHD対応IPS液晶ディスプレイを搭載し、ラウンドしたフォルムの背面にはデュアルカメラを搭載する。
他機種が2つのレンズをボディに実装しているのに対し、ひとつの大きな時計のダイヤルのようなベゼル内に、2つのカメラを内蔵することで、美しく仕上げている。ボディカラーは光沢感のある「Super Black」と「Stering Blue」の2色をラインアップし、IP68の防水防塵にも対応する。
16ピクセルのセルフィーカメラも
本体前面には16Mピクセルのセルフィーカメラを搭載し、暗いところでの撮影にも強い「Adaptive Lowlight Mode」、顔を認識してエフェクトを追加できる「Face Filter」などが利用できるほか、端末を左右に動かすことでワイドな画角で撮影できる「Panoramic Selfie」も楽しめる。
背面のデュアルカメラは12Mピクセルの標準カメラと8Mピクセルのワイドアングルカメラで構成される。標準カメラは画素ピッチ1.4μmのデュアルAFピクセルセンサーにF2.0のレンズを組み合わせたもので、ワイドアングルカメラは画素ピッチ1.12μmのセンサーにF2.2のレンズを組み合わせ、120度の広角撮影を可能にする。2つのカメラを利用し、ピントの位置をずらすことで、ボケ味の利いた写真が撮影できる「Selective Focus」が搭載されるが、ぼかした背景部分だけをモノクロにしたり、被写体の服など、特定部分のみをカラーで撮影する「Selective B&W」という撮影機能も搭載される。カメラを利用した機能としては、被写体に向けたとき、その対象物が何なのかを認識する「Landmark/Object Recognition」、商品のバーコードなどを読み取る「Bar Code Scanner」も搭載される。
最大4つのBluetoothデバイスへの接続
スマートフォンでは音楽を楽しむとき、Bluetoothでワイヤレス接続をすることが多いが、Moto X4では最大4つのデバイスに接続することができる。たとえば、ヘッドホンで音楽を聴くだけでなく、他の部屋にあるBluetoothスピーカーで同時に音楽を再生することができる。ちなみに、BluetoothはBluetooth 5.0 BR/EDR対応となっている。
Moto X4はモトローラ製スマートフォンとしてはじめて、AmazonのAIアシスタント「Amazon Alexa」に対応する。Amazon Alexaは音声認識と自然言語処理により、ユーザーが発する音声によるコマンドで、メッセージやメール、アラーム、音楽再生、ショッピングなど、さまざまな機能を利用できる。現時点でAmazon Alexaが利用できる国と地域はアメリカ、イギリス、ドイツに限られているが、今後、対応する国と地域が順次、拡がる予定だという。「Moto Key」と呼ばれる新機能も搭載され、本体前面の指紋認証センサーを利用して、Webサイトにログインできるほか、PCへのログオンに連動する機能も提供される。
チップセットはクアルコム製の「Snapdragon 630」を採用し、RAM 最大4GB、ROM 最大64GBを搭載するが、提供する国と地域によって、異なる構成も提供される。microSDメモリーカードは最大2TBまで対応する。
販売は欧州向けに今年9月から開始される予定で、価格は339ユーロからとされている。その他の国と地域についても順次、展開される予定で、国内向けにも発売を予定している。価格や販売時期については、今後、モトローラ・モビリティ・ジャパンから正式にアナウンスされる。
YOGA 920「Star Warsコラボモデル」なども登場
レノボ・グループのイベントでは、Moto X4以外に、パソコンの新製品なども数多く発表された。
レノボのコンシューマ向け2in1パソコンのフラッグシップとして、「YOGA 920」が発表された。ディスプレイ部を着脱できる2in1パソコンではなく、「ウォッチバンドヒンジ」と呼ばれるヒンジを採用することで、ディスプレイ部分を反対側に回転させられる形状のモデルで、一般的な折りたたみのクラムシェルモードからテントモード、タブレットモードというように、ユーザーの利用シーンに合わせて、利用スタイルを選ぶことができる。オプションのペンで操作することも可能。CPUはインテルの第8世代Coreプロセッサを採用し、メモリーは8/12/16GB、ストレージは256/512GB/1TBの構成から選ぶことができる。ディスプレイは13.9インチで、UHDとフルHDの解像度が用意される。LTEなどのモバイルデータ通通信機能はなく、Wi-Fiのみとなっている。
このYOGA 920をベースに、天板部分にConing製Gorilla Glassを使い、オリジナルデザインを施したバリエーションモデルもラインアップされる。「YOGA 920 VIBES」は「ビジュアルバイブレーション」と呼ばれるデザインで、標準モデルにはない高級感のある仕上がりが特長。これに加え、映画スター・ウォーズとのコラボレーションによる「Star Wars スペシャルエディション YOGA 920 Rebel Alliance(同盟軍)モデル」と「Star Wars スペシャルエディション YOGA 920 Galactic Empire(帝国軍)モデル」も用意される。いずれも天板部分にそれぞれの陣営の紋章(ロゴ)があしらわれている。国内向けの販売も予定されているが、時期や価格は未定となっている。
12.5インチのフルHD対応IPS液晶を搭載し、インテルの第7世代Coreプロセッサを採用した「YOGA 720」もラインアップされる。ヒンジ部分の構造は異なるが、こちらも360度、ディスプレイが反転する2in1パソコンで、オプションでペン操作にも対応する。このモデルもLTEなどのモバイルデータ通通信機能はなく、Wi-Fiのみで利用する。
クラムシェルデザインではない2in1パソコン「Miix 520」も発表された。Microsoft Surfaceシリーズと同じように、キックスタンドを備えたデザインで、キーボードを着脱できる形状となっている。ディスプレイは12.2インチのフルHD液晶を採用する。国内での販売は未定だが、LTE通信モジュールをオプションで追加することができる。
この他にもWindows MR(Mixed Reality)に対応したヘッドセット「Lenovo Explorer」、Lenovo Tab4を装着して、Amazon Alexaが利用できる「Lenovo Home Assistantパック」、スマートフォンと連動し、映画『スター・ウォーズ』の世界を楽しめるARヘッドセット「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」も合わせて発表された。製品ごとに販売される国と地域は異なるが、多くの製品は国内市場向けの投入が予定されており、今後のレノボからの正式発表が待たれる。