【IFA2017】
LG、映画のように撮れるフラッグシップ「LG V30」発表
デュアルカメラ搭載でVR「Daydream」もサポート、国内投入はほぼ確実か
2017年9月4日 14:06
映画のワンシーンのような動画を撮る「CINEMATIC VIDEOGRAPHY」
LGエレクトロニクスは「Gシリーズ」と「Vシリーズ」という2つのシリーズをフラッグシップと位置付けている。日本市場向けには2016年冬~2017年春モデルとして、VシリーズのモデルをベースにしたNTTドコモ向けの「V20 PRO L-01J」と、au向けの「isai Beat LGV34」が投入された。
今回の「LG V30」のトピックとしてまず最初に紹介されたのは「新しい時代のスマートフォン動画」だ。現在、世界中のスマートフォンユーザーが週に1回以上、ビデオを撮影し、YouTubeには毎分のべ300時間分の動画がアップロードされ、1日に10億時間分以上の動画が再生されているなど、スマートフォンでの動画の利用が高まっている状況が紹介された。
一方で、これまでのスマートフォンでは動画撮影の機能に制限が多く、十分に楽しめる動画が撮影できないとした。そこで、LG V30の動画撮影では、「CINEMATIC VIDEOGRAPHY」というコンセプトを提案。これは、単純な動画撮影ではなく、映画のワンシーンのような動画撮影を楽しんで欲しいという考えだ。この考えを実現するための機能として、LG V30には「CINE VIDEO MODE」が搭載される。
CINE VIDEO MODEは、撮影時の色合いなどをテーマに合わせて設定する「Cine Effect」と、ユニークなズームイン/ズームアウトが利用できる「Zoom」から構成されている。Cine Effectは「Melodrama」「Scenery」などのシーンに合わせたエフェクトが用意されている。
もうひとつのZoomで使えるのは、特徴的な「Point Zoom」だ。動画撮影のズームでは、画面中央に向かってズームインしていくのが一般的だ。これに対し、Cine EffectのZoomはファインダー内の特定の被写体を選ぶと、その被写体がファインダー画面の左上や右下といった場所にあっても、その被写体に対して、スライダーを使ってスムーズにズームインできる。「Cine Effect」や「Zoom」を組み合わせることで、これまでとひと味違った動画を撮影できるというわけだ。
従来モデルに続き、「LG V30」の背面には2つのカメラが搭載される。標準カメラは16Mピクセルのイメージセンサーに業界最高クラスとなるF1.6のレンズを組み合わせたもので、71度の画角で撮影が可能。もうひとつは120度のワイドアングル撮影ができるカメラで、13MピクセルのイメージセンサーにF1.9のレンズという組み合わせ。インカメラは、F2.2のレンズに5Mピクセルのイメージセンサーを組み合わせており、90度の画角の広角撮影に対応する。
特筆すべきは、背面の標準カメラに採用されたF1.6のレンズで、コンパクトデジタルカメラなどで使われることが多いガラス製を採用している。一般的なスマートフォンで多く採用されているプラスチック製のレンズと比べて、幅広いダイナミックレンジの光をセンサーに取り込め、歪みを抑えられるため、より自然な美しい写真を撮影できる。
ディスプレイには「LG G6」などでも採用され、各方面で高い評価を得ている18:9比率で6.0インチのOLEDフルビジョンディスプレイを搭載する。最大2880ドット×1440ドットの表示が可能で、「HDR10」にも対応する。
18:9比率のディスプレイを搭載するため、縦方向に持ったときは既存の16:9のディスプレイよりもやや縦長になる印象を持たれそうだが、ボディそのものの形状は約151.7×75.4×7.3mmにまとめられており、スタンダードなモデルと比べて、手に持ったときの印象はあまり変わらない。重さは3300mAhの大容量バッテリーを搭載しながら、約158gに抑えられている。外部接続端子はUSB Type-Cを採用し、急速充電の「QuickCharge 3.0」やワイヤレス充電をサポートする。本体は「MIL-STD 810G」(いわゆるMIL規格)の耐衝撃テストなどをクリアしており、IP68の防水防塵にも対応する。
ハイスペックなディスプレイを活かすものとして、VRプラットフォーム「Daydream」への対応が発表された。DaydreamはGoogleが提供するVRプラットフォームで、専用のゴーグルの前面にスマートフォン本体を装着して利用する。Google製のDaydreamヘッドセットはすでに米国などで販売が開始されているが、「LG V30」の発売にともない、日本と韓国でも発売される。
チップセットはQualcomm製のSnapdragon 835を採用する。メモリー及びストレージについては、LG V30が4GB RAMと64GB ROM、LG V30+が4GB RAMと64GB ROMを搭載し、いずれのモデルも最大2TBのmicroSDメモリーカードに対応する。プラットフォームは出荷時にAndroid 7.1.2がプリセットされる。
関係者によると、国内向けの販売については、詳細を検討中とのことだが、今回の発表会のプレゼンテーションではGoogleの担当者が登壇し、日本と韓国でのDaydreamの発売を発表しているため、国内向けの投入はほぼ確実と言えそうだ。