【IFA2015】
デュアルブランドでNo.3固めを目指すレノボ、日本へのスマホ投入には迷いも
(2015/9/9 12:55)
中国レノボは、9月5日(現地時間)に報道陣とのグループインタビューを開催。グローバルや日本でのスマートフォン戦略を解説した。
レノボは、昨年、グーグルからモトローラを買収しており、現時点ではレノボとモトローラ、2つのブランドを持つ。2つの会社が併存する形となっていたが、今後は「販売部門などを統合していく」(プロダクトマネージメント&オペレーション バイスプレジデント ジェリー・シャオ氏)方針。すでに「販売部門や開発部門、研究部門なども、1つのチーム」(同)として活動しているという。
一方で、ブランドという形では、レノボとモトローラを今後も併存させる構えだ。モトローラのプロダクトオペレーションディレクター、クリストフ・ジャニバ氏によると、「レノボは中国やその他アジアで成功しているが、モトローラは北米、南米で成功を収めている」といい、地域ごとに、強いブランドがあり、同社はそれを生かしていくという。
ドイツ・ベルリンで開催されているIFAでも、レノボはレノボとモトローラ、2つのブランドのスマートフォンを発表。スマートウォッチでは、Android Wearを採用した第2世代の「Moto 360」を披露している。こうした「デュアルブランド」(シャオ氏)でグローバルシェアの拡大を目指すのが、モトローラ買収後のレノボの戦略だ。当面の目標として、レノボは、2~3四半期でブレークイーブン(赤字解消)を目指し、シェア3位を固める方針を明かしている。
こうしたグローバルの戦略を、日本にどう落とし込んでいくのか。すでにレノボは、日本市場へのスマートフォン投入を発表している。ところが、アジアパシフィック地域のプレジデントを務めるロードリック・ラピン氏によると、日本市場への本格参入にはまだ迷いもあるようだ。ラピン氏は「日本はドコモ、au、ソフトバンクの市場が大きく、SIMフリーマーケットはまだ小さい」としながら、「大手キャリアと取引できなければ、非常に細分化された市場になってしまう」と語る。
SIMフリーで独自の端末を投入するのは、「簡単だが、ニッチな市場になってしまう」(同)という認識だ。ラピン氏は日本市場に最適な端末として、IFAで発表された「Moto X」シリーズを挙げていたが、「今はまだノープラン」であることを強調した。
同様に、同社はセルラー対応のタブレットも多数ラインナップしているが、大手キャリアとの取引を重視する方針。「MVNO戦略については、ローカルのチームに任せたい」(ジェネラルマネージャー&バイスプレジデント ジェフ・マーディス氏)というスタンスを採る。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの大手キャリアは2台目戦略を進めており、タブレットの販売数も徐々に伸びている。マーディス氏は「北米市場も昨年転換し爆発的になったが、日本も12カ月から18カ月ぐらいでそのようにしていきたい」と語り、セルラー対応タブレットに本腰を入れていく構えを示した。
すでにキャリアとの交渉も進めており、「ソフトバンクとは、たくさん議論してきた」(同)という。この成果が実れば、同社のタブレットがキャリアのラインナップの1つとして披露されることになりそうだ。