【IFA2015】
Lenovo、6.8インチのファブレット「PHAB Plus」や「Moto 360」第二世代モデルなど発表
(2015/9/4 13:16)
Lenovoは、9月3日から「IFA 2015」が開催されるドイツ・ベルリンにおいて、プレスカンファレンスを開催し、Windows 10搭載PCやタブレットなどに加え、6.8インチのディスプレイを搭載したファブレット「PHAB Plus」、Android Wear搭載のウェアラブル端末「Moto 360」の第二世代モデルなどを発表した。ここでは主に、スマートフォンやタブレット、モバイル関連の話題を中心に取り上げる。
プレスカンファレンスの冒頭、同日に発表されたゲーミングPCや2in1 PC、ビジネス向けコンパクトPCなど、PC市場で期待の高いモデルが相次いで紹介された。かつてのThinkPadシリーズのデモを彷彿させるかのように、いくつかのモデルはステージに落とされ、踏みつけるといった耐久性をアピールするパフォーマンスも飛び出した。
6.8インチディスプレイ搭載「PHAB」
モバイル関連で最初に登場したのは、6.8インチでフルHD対応のIPS液晶ディスプレイを搭載した「PHAB Plus」だ。プレゼンテーションには同社Mobile Business GroupのJeffrey Meredith氏が登壇した。
現在、ユーザーがどんなことにスマートフォンを使っているのかという調査したところ、ビデオ視聴が18%と最も多く、これに次いで、ソーシャルメディアが13%、ゲームが12%、ニュースのチェックが12%、電子書籍の閲覧が7%、スポーツ観戦が7%、カメラの利用が3%という結果だったという。
こうした状況の中、スマートフォンと大画面のタブレットの良さを組み合わせた「PHABLETS(ファブレット)」が注目を集めているとして、今回のモデル「PHAB Plus」を開発したという。ちなみに、「PHAB」はLenovoのファブレット端末のシリーズ名に位置付けられるという。
PHAB Plusは薄さ約7.6mmのメタルのユニボディで作られ、13Mピクセルのメインカメラ、8Mピクセルのフロントカメラを搭載する。大画面でも使いやすいように、画面を縮小表示する「ONE-HAND Mode」を搭載し、ネットワークは4G LTEに対応する。スマートフォンとしてのベストなスペックを実現したとする。
タブレットとしてもベストなスペックを目指したとしており、6.8インチのフルHD液晶ディスプレイは326ppiの高解像度を実現し、ヘッドホン利用時のDolby Atmosによる再生にも対応する。バッテリーは実使用で18時間を達成するという3500mAh。CPUはQualcomm製「SnapDragon 615(MSM8939)」で、1.7/1.0GHz駆動のオクタコア。メモリは2GB、ストレージは32GBを搭載するなど、国内モデルと比較しても遜色のないスペックを実現している。
エンターテインメントタブレット「YOGA Tab 3 Pro」
より大きな画面でビデオなどのエンターテインメントを楽しみたいユーザー向けには、「YOGA Tab 3 Pro」が発表された。YOGA Tabは国内でもモバイルデータ通信対応モデルを含むラインアップが販売され、人気を得ているが、今回はプロジェクターを内蔵し、10インチディスプレイを搭載した「YOGA Tab 3 Pro」、8インチと10.1インチのHD対応液晶ディスプレイを搭載した「YOGA Tab 3」が発表された。
YOGA Tab 3 ProはYOGA Tabシリーズの特徴でもある円柱状のヒンジ部分に、最大70インチに投影可能なプロジェクターを内蔵しており、ビデオコンテンツなどをスクリーンに投影して、楽しむことができる。従来は13インチディスプレイを搭載したモデルに採用されていたが、今回、10.1インチディスプレイを搭載したモデルに採用されたことで、さまざまな場所に持ち出して、活用することが可能だ。
本体の液晶ディスプレイはQHD(2560×1600ドット)表示に対応し、CPUはIntel製Atom x5 Z8500、メモリは2GB、ストレージが16GB、バッテリーは10200mAhという構成となっている。日本でもサービスが開始されたばかりの映像配信サービス「NetFlix」に最適化されているという。
8インチと10.1インチのHD対応液晶ディスプレイを搭載した「YOGA Tab 3」は、従来モデルの流れをくむもので、新たにDolby Atmosに対応するなど、エンターテインメント機能も強化されている。CPUは両機種ともQualcomm製APQ8009を採用し、メモリは1GB、ストレージは16GBを搭載する。バッテリーは8インチモデルが6200mAh、10.1インチモデルが8500mAhを搭載する。
今回発表された3モデルは、いずれもWi-FiモデルとLTEモデルがそれぞれラインアップされている。機種によって、対応する周波数帯域が違うものの、主に日本のみで利用されることが多いLTEのBand 19をいずれの機種もサポートしており、日本国内での発売が期待される。
自分撮りを強化した「VIBE S1」
Lenovoは国内でスマートフォンを販売していないが、現在はMotorolaの端末部門が傘下に加わっており、それぞれのブランドを活かして、各地域に合ったモデルを展開しようとしている。
今回、スマートフォンのプレゼンテーションには、小寺康司氏が登壇した。本誌を古くから読んでいる読者ならご存知かもしれないが、小寺氏はかつてソニー・エリクソン(当時)に在籍し、その後HTCでCPO(Chief Product Officer)を担当した経験を持つ。HTCを退社したと聞いていたが、Lenovoに入社したとは知らず、壇上で名前が呼ばれたときは筆者も含め、周囲にいた日本人プレス関係者からは驚きの声が上がった。小寺氏は現在、Motorola MobilityのProduct Management部門のSenior Vice Presidentの職にあるという。
小寺氏がまず最初に紹介したのが、スマートフォンの新モデル「VIBE S1」だ。特徴的なのはフロントカメラがデュアルになっており、一眼レフで撮影したときのように、背景をぼかしたり、切り抜いて、背景を差し替えたりといったエフェクトを楽しむことができる。CPUはMediaTek製MT6752で、1.7GHz駆動のオクタコア、メモリが3GB、ストレージは32GBを搭載する。
5000mAhのバッテリーを搭載「VIBE P1」
続いて紹介された「VIBE P1」は、スマートフォンを長時間利用するユーザーのニーズに応え、バッテリーを大幅に強化したモデルだ。一般的なスマートフォンが3000mAhのバッテリーを搭載しているのに対し、VIBE P1は5000mAhのバッテリーを搭載し、5.5インチのフルHD液晶ディスプレイを搭載しながら、最大81時間の連続動作を実現する。Quick Chargeにも対応しており、約5分の充電で約2.8時間の動作を可能にする。CPUはQualcomm製「SnapDragon 615」で、1.5GHz駆動のオクタコアを採用し、2GBのメモリ、32GBのストレージを搭載する。
P1に比べ、ディスプレイサイズをひと回り小さくした「P1m」も発表された。このモデルも約4000mAhのバッテリーを搭載しており、QuickChargeによる急速充電に対応する。ディスプレイは5.0インチのHD対応液晶ディスプレイで、メモリは2GB、ストレージは16GBを搭載する。どちらのモデルも大容量バッテリーを搭載しているため、背面が少し張り出しているように見えるが、実際にはどちらのモデルも厚さ10mmを切っており、コンパクトにまとめられている。
第二世代「Moto 360」
そして、最後に小寺氏が紹介したのが、MotorolaのAndroid Wear搭載ウェアラブル端末「Moto 360」の第二世代モデルだ。
Moto 360はちょうど1年前の9月に米国で販売が開始され、国内では、ソフトウェアアップデートによって技術基準適合証明のマークが追加されたことが話題になったが、その後継モデルが発表された。今回は従来モデルと同サイズ(46mm)に加え、女性やスポーツのときにも身に着けやすい42mmモデルもラインアップされる。
第二世代のMoto 360がもうひとつ特徴的なのは、同社のスマートフォン「Moto X」が「Moto Maker」という仕組みによって提供しているカスタマイズ環境とほぼ同じものを利用できるようにしている点で、注文時にベゼルやカラー、材質、バンドなどを自分好みに変更することができる。
第二世代Moto 360の国内販売については、何もアナウンスがないが、第一世代のモデルもウェアラブル端末の好きなユーザーから高い注目を集めていただけに、国内向け販売も期待したいところだ。