【IFA2015】

サムスン、ベゼル回転UI採用のスマートウォッチ「Gear S2」を発表

 サムスン電子は9月1日、腕時計型端末「Gear S」の後継機となる「Gear S2」を発表した。9月3日(現地時間)には、ドイツ・ベルリンで開催されるIFAに合わせ、プレス向けのイベントを実施。Gear S2の詳細な機能の紹介や、実機の展示を行った。

円形ディスプレイを搭載した「Gear S2」
ディスプレイの形状に合わせ、会場も円形になっていた

ベゼルを回転させる、独自のユーザーインターフェイスを採用

 イベントでは、まずサムスンでグローバルマーケティングを担当するExecutive Vice Presidentのイ・ヨンヒ氏が登壇。「Galaxy Gear」や「Gear S」といった過去のウェアラブル製品がIFAに合わせてベルリンで発表されてきたことを語り、ウェアラブルに対し、早い時期から取り組んできた姿勢をアピールした。

サムスンのExecutive Vice President、イ・ヨンヒ氏
ベゼル部分を回転させるユーザーインターフェイスを採用

 Gear S2は、円形のディスプレイを採用しており、シンプルなデザインのものに加え、より普通の時計に見た目を近づけた「クラシックバージョン」も用意する。続けてリー氏が紹介したのが、“円”をモチーフにしたユーザーインターフェイス。Gear Sはベゼル部分が回転する仕組みになっており、アプリの選択や画面の切り替え、地図の拡大・縮小などと連動する。このユーザーインターフェイスのメリットとしては、タッチで小さな画面が指でふさがってしまうのを防げることが挙げられていた。

【Gear S2の操作】
ベゼルの回転に、画面の動きが連動する。なお、撮影はカメラを片手で抱えているため、画面が隠れてしまうが、実際にはGear S2を装着していない方の手で操作するため、このようにはならない
タッチと違い、画面が指で隠れないのがメリット
クラッシックバージョンには、レザーやメタルのバンドを装着できる
スマートフォン側のアプリで、各種設定を行える。ウォッチフェイスも多彩なものを用意しており、カスタマイズも可能だ

 右側面には、2つのボタンを搭載。これは、Androidのスマートフォンと同じ、戻るボタンとホームボタンの役割を担うもので、戻るボタンを押すと1つ前の画面に、ホームボタンを押すとホーム画面に切り替わるようになっている。傷に強いゴリラガラス3を採用し、ケースにもステンレススチールが用いられている。また、Gear S2には3G対応のものと、非対応のもの2つのラインナップが用意されており、前者にはSIMカードがビルトインされた形の「e-SIM」が採用されているという。

側面のボタンは、上が戻るキーで、下がホームキー
背面には心拍センサーが搭載される。写真は3G非対応モデルだが、e-SIM対応のため、3G版にもSIMスロットは搭載されない
アプリによって、幅広い利用シーンで活躍する

 OSには、サムスンなどが中心となって開発するTizenを採用。他のスマートウォッチと同様、スマートフォン経由でアプリをインストールすることもできる。イベントでは、アクティビティトラックの機能や、アリペイでの支払い、SmartThingsを使った家電との連携、Uberを使ったタクシーの手配など、様々な利用シーンが紹介されていた。

 発売は10月を予定する。イベントの最後には、再びイ氏が登壇。Gear S2と同期できるデバイスは、Android 4.4以上で要件を満たすすべてのスマートフォンであると明かされた。これまでのGalaxy GearやGear Sは、サムスン製の端末に接続対象が限られていたため、Gear Sはその要件を大きく緩和したことになる。

発売は10月を予定
対応端末が、Galaxy以外のAndroidにも広がった

 また、サプライズ的なアナウンスとして、近く、「ビューイング体験に特化した端末」が発表されることも明かされている。製品名は、「Galaxy View」になる予定だ。スライドに映し出されていたシルエットから、おそらくタブレット的な端末になりそうだが、従来からのシリーズとどのような差別化がされているのかは、現時点では明かされなかった。

Galaxy Viewという新端末の投入も予定している

Gear S2の主な仕様

 Gear S2、Gear S2の主な仕様は次のとおり。ディスプレイは1.2インチの円形Super AMOLEDで、解像度は360×360ドット。1GHzのデュアルコアCPUを採用し、OSはTizenベースのウェアラブルプラットフォームとなる。

 ストレージは4GB、メモリは512MB。通常バージョンはサイズが42.3×49.8×11.4mmで47g。クラッシックバージョンは39.9×43.6×11.4mmで42gと、サイズや重量は2つのバージョンで若干異なっている。ワイヤレスチャージにも対応する。

 また、3G対応版はサイズが44.0×51.8×13.4mmで、非対応版よりやや厚みが増している格好だ。重量も51gと、3モデルの中ではもっとも重くなっている。なお、イベント会場には3G対応モデルが展示されていなかったため、実機は確認できていない。展開国なども明かされておらず、日本での発売状況も現時点では不明となる。

石野 純也