【IFA2013】

「Show Stoppers」や「Digital Focus」などにも注目製品多数

「Show Stoppers」の会場。IFAに合わせて行われる小規模なオフィシャルイベントで、会場ではビュッフェを楽しみながらメーカーの話を気軽に聞くことができる

 ソニー、サムスン、パナソニック、LGなど、大手メーカーの製品が注目を集めているIFAだが、中小企業も幅広い分野の製品を出展している。また、IFAに合わせて「Show Stoppers」や「Digital Focus」といった、小型のイベントもIFAに合わせて開催され、本会場に展示されていない企業の製品のデモも行われていた。ここでは、それらの小規模ブースやイベントで紹介された製品の数々を紹介していきたい。

 5日(現地時間)に開催された「Show Stoppers」には、Amazonが出展。日本では10月22日に発売が予定されている、新世代の「Kindle Paperwhite」が展示されていた。この製品は9月3日に発表されたもの。昨年発売されたKindle Paperwhiteと同様に電子ペーパーを採用した電子書籍リーダーだが、コントラストの向上や、動作の高速化が図られているという。

Amazonは発表したばかりの「Kindle Paperwhite」新モデルを出展

 同じShow Stoppersには、「emporia」というブランドのフィーチャーフォンも置かれていた。いわゆる欧州メーカー製らくらくホンで、ボタンが大きく操作しやすいのが特徴。クラムシェル型というのも、収納時に誤操作を防げるので安心だ。さらに、この機種はスマホと連携。アプリからテキストや写真を送ったり、位置情報を確認したりといったことも可能。両親に渡し、息子や娘はスマートフォンで顕在であることを確認するといった使い方が想定されているようだ。

emporiaのフィーチャーフォンは、高齢者をターゲットにしたモデル。背面には緊急用ボタンがある
スマートフォンとの連携も想定している

 6日(現地時間)の「Digital Focus」には、ノキアの買収が決定した直後のマイクロソフトがブースを構えていた。新製品は発表されていなかったが、発売済みのWindows Phoneを一挙に出展。どれも日本で購入できないモデルだが、海外では徐々に端末数を増やしている。

マイクロソフトの小ブースには、現行モデルのWindows Phoneが展示されていた
4100万画素のカメラを搭載した「Lumia 1020」

 また、同会場にはクアルコムも出展しており、「AllJoyn」でスマートフォンから家電を制御するデモも行っていた。ワイヤレス充電のQiを推進するWireless Power Consortiumのブースもあり、ここではソニーモバイルの「Xperia Z」をQi対応にするジャケットを見ることができた。

Xperia Zに装着するだけで、Qiに対応するケース

 IFA本会場には、中国や韓国といったアジアの企業を集めたホールがある。ここにも、ベンチャー企業や中小企業ならではの、面白い発想で開発された製品が並べられていた。Andorid 4.2で標準対応したMiracastに対応するモバイルディスプレイを出展していたのが、韓国企業のTO21。スマートフォンの画面をミラーリングする仕組みで、ディスプレイ側からスマートフォンの操作も行える。同社の社長によると「タブレットをもう1台持つより、通信コストを抑えられる」といい、開発コスト自体もタブレットより低くできるようだ。

Miracastに対応した、モバイル用のディスプレイ。スマートフォンの画面を表示するためのデバイスだ

 同様に、TO21は「UIBC」というプロトコルで、タブレットをこのMiracastディスプレイのように活用するソリューションも展示していた。こちらはTO21がソフトウェアの開発を行い、メーカーにプリインストールしてもらう形での販売を計画している。これらの製品やソリューションは、日本での展開も視野に入れているという。

タブレットをスマートフォンのディスプレイ代わりに利用できる技術も開発した

石野 純也