【IFA2012】
サムスンが「GALAXY Note II」や「GALAXY Camera」を発表


 韓国・サムスン電子はドイツ・ベルリンで開催される「IFA 2012」に合わせ、「GALAXY Note II」「GALAXY Camera」を発表した。また、実機は展示されなかったが、「Windows Phone 8」を採用する「Samsung ATIV S」もプレゼンテーションの中で披露している。


フルモデルチェンジとなる「GALAXY Note II」デジカメのような外観だがAndroid 4.1を採用する「GALAXY Camera」
「Windows Phone 8」の「Samsung ATIV S」も紹介された

 

 プレスカンファレンスには同社のモバイル部門を統括するJK・シン氏が登壇。同氏は「Be Creative(創造的であれ)」というテーマを掲げ、「誰もがアインシュタインのような天才ではないが、クリエイティブになりたいと願っている」と語り、Noteカテゴリーの新製品である「GALAXY Note II」を紹介した。日本でも発売中の「GALAXY Note」より大型の5.5インチディスプレイを搭載しているが、「持ち運びやすさはそのまま」(同氏)。実際、横幅や厚みといった数値は初代「GALAXY Note」より低く抑えられている。デザインは「GALAXY S III」を彷彿とさせ、丸みを帯びているため手にフィットする。


プレスカンファレンス全体を通してのテーマは「Be Creative」JK・シン氏は「GALAXY Note II」と「GALAXY Camera」の2機種を紹介

 

 「GALAXY Note」最大の特徴である「Sペン」も改良され、「もっと自然に、正確にノートを取ることができる」(同氏)ようになった。新たなSペンでは「Air View」と呼ばれる機能を利用でき、画像の選択や動画の再生位置指定といった一部操作については、ペン先を画面に近づけるだけで行える。画面をこする必要がなく、ドラッグなどもよりスムーズに操作できる。また、Sペンに搭載されるボタンを押しながら、特定の記号や文字を画面上に描くことで、「戻る」や「メニュー」などの基本的な操作も可能になった。「Quick Command」と呼ばれる、特定の文字にアプリの起動を割り当てる機能も搭載される。


Air Viewと呼ばれる機能を搭載。一部の機能については、ペンを画面に近づけるだけで操作できる
ジェスチャーで「戻る」や「メニュー」などの操作が可能「Quick Command」には、さまざまなアプリを割り当てることができる

 

 ペンを本体から抜くと自動的に対応アプリが表示される。電話中の場合は「Popup Note」という画面の一部だけに表示されるメモアプリが起動し、通話の内容などを書き留めることが可能と、ユーザーの利用シーンに即した改善も加えられた。「Popup Note」は、「GALAXY S III」に搭載された、動画を画面の一部分で再生する「Popup Play」の応用的な機能。「GALAXY Note II」では、この「Popup Play」も利用できる。Sペンのボタンを押したまま画面内の一部を囲むと、画像として切り抜くための範囲指定が可能だ。この操作を行うと画面下に対応アプリが表示される。地図の一部を切り抜いてMMSやメールに添付するときなどに役立つ機能といえるだろう。


メインの画面に重なるように表示される「Popup Note」。通話時にペンを抜くと、自動的に起動する指定した範囲を切り抜くことが可能。画像を利用するアプリも選択できる
スケジューラーアプリの「Sプランナー」には、直接手書きの文字などを加えることが可能になった

 

 こうしたユーザー体験の強化を前面に押し出しつつ、「GALAXY Note II」ではスペックも大幅に底上げされた。サムスン製の1.6GHzクアッドコアCPUを搭載し、カメラは8メガの裏面照射型CMOSセンサーを採用。OSはAndroid 4.1(Jelly Bean)となる。バッテリーは3100mAhで、通信方式はLTEにも対応する。サイズは151.1×80.5×9.4mm、重さは180g。なお、プレスカンファレンスでは、発売済みの「GALAXY Note 10.1」や「GALAXY Note」について、間もなくAndroid 4.1にアップデートされることが明らかにされた。


「GALAXY Note II」の主なスペック。発売は10月を予定している
Android 4.1は、発売中のモデルにも適用される予定だ

 

GALAXY Cameraを発表

 サムスンが、「GALAXY Note」に続く新ジャンルの製品として送り出すのが、「GALAXY Camera」だ。その名のとおり、「GALAXY Camera」はAndroidスマートフォンとカメラの中間に位置づけられる製品。16.3メガピクセルの裏面照射型CMOSセンサーを採用し、レンズは最大21倍のズームが可能だが、OSにはAndroid 4.1(Jelly Bean)を採用しているため、「Google PlayやSamsung Appsから簡単にアプリをインストールできる」(同氏)。また、Wi-Fiに加え、4G(LTEとは明言されなかった)、3Gにも対応する。ただし、展示会場のスタッフによると「電話には非対応」とのことで、データ通信にのみこれらの通信機能を使用するそうだ。内蔵メモリは8GBで、1.4GHzのクアッドコアCPUも搭載する。サイズは70.8×128.7×19.1mm、重さは305gとなる。


光学ズームを備え、見た目はまるでデジカメOSにはAndroid 4.1を採用する。ネットにも接続可能だ
オート設定が充実しており、簡単に撮影を楽しめる
シャッター速度や露出、F値などを変更可能な手動撮影にも対応。カメラのUIは従来のGALAXYシリーズとは大きく異なる上部には、シャッターボタンや電源ボタンを備える
ポップアップ式のフラッシュを搭載。側面にボタンがある充電には、従来のスマートフォンと同様、microUSBを使用する
カバーやケースのほか、三脚などのアクセサリーがあるのもこの機種らしい特徴
撮影や画像閲覧をスムーズに行うウィジェットを内蔵
展示されていた「GALAXY Camera」で撮影した画像。会場が暗かったため、フラッシュを使用している ※リンク先は4608×2592ドットのオリジナルサイズ

 

Windows Phone 8搭載の「ATIV S」

 同プレスカンファレンスでは、Windows 8を採用したパソコン、タブレットに加え、Windows Phone 8搭載の「Samsung ATIV S」も披露されている。展示会場に実機は置かれていなかったが、サムスン電子UKのGeneral Manager、Damian Cusick氏によると、「ATIV S」は4.8インチの「HD Super AMOLED」を搭載。8.7mmとスリムで、ヘアライン加工を施したデザインが特徴だという。Windows 8やWindows Phoneを採用するATIVシリーズは、IFAのブースに展示されるとのこと。詳細は、本誌で追ってお伝えする。


「Samsung ATIV S」の主な特徴
会場に置かれていた端末には触れることができなかった同イベントには映画監督のヴィム・ヴェンダース氏も登壇。同氏が行っている「Recreate Berlin」という活動にGALAXY Note 10.1が使用された

 

(石野 純也)

2012/8/30 12:59