【CES 2019】

表も裏もディスプレイな「Nubia X」、実機をCESでチェック

 中国のメーカーでZTEの関連会社Nubiaは、表と裏の両方にディスプレイを搭載するスマートフォン「Nubia X」を「CES 2019」で展示した。

 Nubia Xは、10月31日に発表された同社の最新モデル。表面に通常のディスプレイとして6.26インチの液晶ディスプレイ、裏面に5.1インチの有機ELディスプレイを搭載しているのが最大の特徴だ。裏面にディスプレイがあるため、セルフィー(自撮り)はアウトカメラ(メインカメラ)を利用できる。このため従来のインカメラは必要なくなり、表面から見たデザインはほぼ全面がディスプレイになる。

両面がディスプレイの「Nubia X」。インカメラが必要ないため、表面(写真左)はほぼベゼルレスのデザイン

 「両面ディスプレイ」と聞くと“キワモノ”のように思えるかもしれないが、Nubia Xに実際に触ってみると、想像以上に機能が作り込まれていた。上記のように、セルフィーをする際に高画素なアウトカメラを利用できるのはメリットの1つ。Nubia Xに搭載されるカメラは、2400万画素+1600万画素のデュアルカメラで、2つのカメラを使って背景をボカすポートレートモードに対応する。

高画質なアウトカメラでセルフィーが撮れる
背景をキレイにボカす、ポートレートモードにも対応する

 基本的に、裏側のディスプレイは常時使うわけではなく、本体を裏返すと自動的に点灯する仕組み。表側と同じホーム画面が表示され、タッチ操作も行える。ディスプレイの切り替え方法は、設定で変更可能。Nubia Xは左右両方に指紋センサーが搭載されているが、ここに同時に触れて、表裏を切り替えることもできた。電源ボタンに切り替えを割り当てる設定も可能だった。

端末をひっくり返すだけで、点灯するディスプレイが自動で切り替わる。切り替え方法を変更することも可能だ
電源ボタンを押した際にどちらの画面をつけるかの設定もでき、意外と芸が細かい
左右に指紋センサーが搭載されており、同時押しで画面を切り替えられる

 裏面ディスプレイでは、黒い部分の電力を消費しない有機ELの特性を生かし、画像やテキストなどを常時表示させることもできる。背面デザインを自由に変えられるというわけだ。表示する時間帯を制限したり、バッテリー不足時に自動でオフにするといった設定も用意されていた。

背面に時計や画像を常時表示させることが可能
常時表示は、設定で一部の時間帯だけにできる

 また、裏面のディスプレイは、ゲームの操作を補助するためにも利用可能だ。ここに左右のボタンが割り当てられることで、本体を横位置で持ったとき、背面に回る人差し指でボタンをタッチできる。残念ながら実機には対応したゲームがインストールされておらず、実際に操作することはできなかったが、両面ディスプレイを生かす、おもしろい工夫といえる。

裏表両方のディスプレイを使い、ゲームの操作性を向上させる機能も用意

 表と裏、それぞれに別のアプリを起動しておき、裏返すだけでサッとアプリを切り替えることも可能だ。画面分割したときのように、1画面で2つのアプリを表示できないため、実用性には少々疑問符がついたが、たとえばブラウザで調べ物をしながら、メモを取るようなときには、アプリ自体を切り替えるよりも、スムーズに操作できるかもしれない。

 両面ディスプレイが注目のNubia Xだが、ベースとなる機能も豊富で、パフォーマンスの高いハイエンドモデルに仕上がっていた。チップセットにはクアルコムのSnapdragon 845を採用。メモリ(RAM)は6GBもしくは8GB、ストレージ(ROM)は64GB/128GB/256GB/512GBで、バッテリーは3800mAhを内蔵する。

表と裏の両面がディスプレイだが、薄さは他のスマートフォンと比べても遜色ないレベルで、実用性は高そうだ

 Nubiaのスマートフォンは、日本では未展開だが、なぜか日本語のWebサイトが存在し、「Z17mini」というモデルの日本語紹介ページも存在している。特徴的なコンセプトの端末が多いブランドなだけに、今後の日本上陸にも期待したいところだ。