本日の一品

iPhoneやiPadで室温や湿度、さらにエアクオリティを確認できる「Eve Room」

 iOS 8.1から利用できるようになった「HomeKit」は、対応した家電などの家庭内の機器をiOSデバイスから制御するための仕組みだ。対応機器を用意すれば、iPhoneやiPadを使って、室内の照明や空調をコントロールしたり、モニタリングしたりといったことが可能になる。今回紹介する「Eve Room(イブルーム)」は、このHomeKitに対応した屋内用のホームセンサーだ。

「Eve Room」。メーカーはElgato Systems社、国内ではソフトバンク コマース&サービスが販売する

 「Eve Room」はモニタリングに特化したデバイスで、部屋の室温や湿度、さらにエアクオリティのデータを蓄積し、iPhoneやiPadからそれらを確認できる。一昔前の表現で言うと「ハイテク温湿度計」というべき製品だが、時間経過による温湿度の変化をグラフで見ることができるのに加え、Siriのコマンドを使って音声で確認できるのが、いかにも今風だ。なにより、機器の近くに行かなくても、宅内の離れた位置からデータを確認できるのは大きな利点だろう。

ボタンなどは一切ない。わずか94gと軽量
単三電池3本で駆動する。メーカーサイトを見る限り、電池寿命は公表されていないようだ

 製品本体はタバコの箱をやや厚くした程度のサイズで、スイッチ類は一切ない。室内の適当な場所に設置したのち、iOSデバイスとBluetoothで連携するよう設定してやれば、あとは何もしなくてもデータが蓄積されていく。アプリを起動して画面を表示し、明らかに異常な数値が見つかれば、換気するなどして正常値に戻してやるようにすればいいというわけだ。

設置を終え、アプリを起動すると自動的に検索が始まる
本体背面のコードをカメラで読み取ることで識別完了
どの部屋で使用するか選び、名前をつける。複数台ある時は識別からここまでのプロセスを繰り返し行う
アプリのメイン画面。現在のステータスをタップするとグラフでそれまでの推移が表示される。室内用の「EVE ROOM」では温度/湿度/エアクオリティ、室外用の「」では温度/湿度/気圧がそれぞれ表示できる

 記録できるデータは、温度と湿度、そしてエアクオリティの3種類。エアクオリティはVOCと呼ばれる、シックハウス症候群につながる室内の化学物質を検出できる。実際に試した限りでは、揮発性のウェットティッシュを取り出しただけで値が急上昇するなど、空気の流れが特になくとも反応する様子が見られた。新築の一戸建てやマンションなどで化学物質の健康への影響を気にする人にとっては、換気などの対策の目安となってよいだろう。

温度など同じタイプの測定値を室内と室外とで比較することも可能
過去の測定値。件数を見る限り測定間隔は10分ごとのようだ

 また、複数台を自宅のあちこちに設置して、iOSデバイスで一元管理することもできる。本製品のほかに、生活防水に対応した「Eve Weather(イブウェザー)」もラインナップされており、ベランダなど屋外でも温度、湿度と気圧を測定することができる。組み合わせて使うと、エアコンの消し忘れを見つけたり、あるいはオンオフのタイミングを計ったり、また気圧の変化から天候を読み取るといったことも可能になる

生活防水対応で気圧の測定が可能な「Eve Weather」もほぼ同一形状だが、こちらは単三電池が3本ではなく2本で駆動するなど細部は異なる

 室内の気温などを測定できるソリューションは他にもあるが、本製品は1万円強で入手が可能、また前述のEve Weatherはさらに安く実売で7000円を切っているため、複数台を導入する場合もコストが抑えられる。メールやSMSなどのプッシュ通知に対応しないことや、Apple TVを経由しなければ外出先からの確認が行えないこと、また二酸化炭素だけを測定できない点はやや気になったが、宅内で快適な生活環境を整えたい人には、またとない製品と言ってよいだろう。これからますます増えるであろうHomeKit対応製品をいち早く体験したい人にもおすすめだ。

時間/日/週/月ごとにさらに詳細なグラフを表示し、別の期間と測定値を比べることもできる
複数台設置しているとこのように概要だけを一覧で表示することもできる
製品名販売元購入価格
Elgato Eve Roomソフトバンク コマース&サービス1万1232円(税込)
Elgato Eve Weatherソフトバンク コマース&サービス6912円(税込)

山口 真弘