本日の一品

「もうやめて! あなたのスタミナはゼロよ!」を可視化する体力測定センサー

 11月8日、自転車関連用品の展示会「サイクルモードインターナショナル2015」を見に行った。自転車の変速機能をAndroid/iOSアプリで制御できるめちゃくちゃ高価な電動コンポーネントを試用したり、2分間の平均出力を競うイベントに参加できたりと楽しかったが、その中でも興味を引いたのが「GoMoreスタミナセンサー」だ。

「GoMoreスタミナセンサー」。内蔵バッテリーで最大24時間駆動

 なんでも体内の乳酸量を推測して、自身の体力の“残量”を測ってくれるアイテムらしいのだが、本当にそんなことが可能なのだろうか……。体内の乳酸量が分かればどのくらい疲労しているかは予測できそうだが、乳酸値を測るにはこれまで血液を採る以外に手段はほぼなかったはず。どうやって予測するのか気になり、同イベントで開かれていたトークショーを聞いてみたが、どうも、本製品は心拍から乳酸値を予測するらしい。

本体をベルトに取り付け、胸に装着する
ベルト、microUSBケーブル、取扱説明書が付属
ベルト込みの重さは実測54g

 詳しい仕組みは特許出願中で企業機密としていたが、心臓の拍動を細かくモニタリングすることで拍動ペースの微妙な変化を捉え、乳酸値を推測できる、とのこと。話を聞いてもなんだか釈然としなかったが、面白そうなので結局買ってみることにした。

ベルトの締め付けの強さは調整可能。本当は素肌に直接付けるものだが、絵面を考え自粛

 本製品は、チェストベルトで固定するタイプの心拍センサー。使用するには、まずアプリ「GoMore」をインストールしたスマートフォンとペアリングする。その後は体力を正確に計測するため、初回使用時にキャリブレーションを行う。ランニング・トレッキング・サイクリングの運動ごとにそれぞれキャリブレーションが必要となる。

 キャリブレーションを適切に終える条件は、ランニングでは5km、サイクリングでは10km以上走るなど運動の種類によって異なるが、どのタイプの運動でも15分以上動けばOKという条件は共通。時間を決めて計測する場合は、計測を開始してから徐々に運動の負荷を上げていき、運動を終える最後の3分で全力を出し切ると良いとのこと。

アプリ上でペアリングを行い、現在の心拍数が表示されたら準備完了
運動の種類を選択して運動開始。キャリブレーション以外の計測でもこの操作は必要
キャリブレーションを正しく終えるための条件に従って運動しよう

 自転車の場合、3分間も全力を出せる道なんて都心にはそうないし、そもそも危なくてできない。サイクリングロードで10km走るか、スピードを出さずに負荷をかけられる峠を上るしかないが、とりあえずエアロバイクをこいでキャリブレーションしてみた。しかし、いずれにしても3分もの間、全力を出すのは非常にしんどい。

 計測中の画面には残りのスタミナ、有酸素性・無酸素性エネルギーの残量などが表示される。スタミナ残量に応じてセンサー本体が振動するので、いちいち画面を見なくても、おおまかな残量をチェックできるのはうれしい。

キャリブレーション結果はこんな感じ
心拍数や経過時間、有酸素性・無酸素性エネルギーなども表示できる
キャリブレーション中でもスタミナ残量などは表示されるが、精度はまだ高くない

 キャリブレーションも終わったので、後日、スタミナが全回復したと思われるところで自転車通勤時に計測してみた。走り終えた後、さほどスタミナは減っていないだろうと甘く見ていたが、結果を見てみるとスタミナ残量はほぼ半分。ストップ&ゴーの多い道ということや、重めのギアを選択していたこと、何といってもそもそものスタミナ量が少ないことが影響しているのかもしれない。

 なお、アプリ上ではスタミナがゼロになってもまだ走れる場合は、スタミナが向上したか、キャリブレーションが不完全だったかのどちらか。その時点で再度キャリブレーションが行われ、正しくスタミナを計測できるようになる。

赤信号の停止時間が長い場所が多く、後半はちょっとスタミナが回復しつつある
心拍数情報のほか、スマートフォンのGPSを使って平均速度も計測・記録してくれる
走行ルートと1kmごとの平均速度も表示

 本製品は、オーバーペースやスローペースで走ることを防いだり、乳酸が急激に溜まり始める閾値を見極めて有酸素・無酸素系トレーニングに活かす、といった活用が可能。個人差がある最大心拍数を指標とした心拍トレーニングよりも、個々人に合わせた強度でトレーニングがしやすくなる、とのこと。これからどんどん使い込んで、せめて人並みのスタミナを身に付けたいと思っている。

製品名販売元購入価格
GoMoreスタミナセンサージークス1万9440円(税込)

藤縄優佑