本日の一品

「KNOT」の腕時計はオプションベルトが秀逸
(2015/8/10 06:00)
今年の春先に、知人のすすめで「KNOT」と言う新進の腕時計会社の商品を紹介された。「KNOT」は国産腕時計メーカーにいた方が創業した会社だ。商品企画を独自に行い、製造は国内の生産メーカーに委託するファブレス方式を採用。直営店である吉祥寺のギャラリーショップを除くと、ほとんどの販売がオンラインだ。
シンプルなデザインがウリの「KNOT」の腕時計のもう一つの特徴は、ベルト交換がきわめて容易なことだ。実際に自分の指先でやってみると、すぐに理解できるだろう。今まであまり実感のなかった着せ替え腕時計のイメージが現実になってくる。
季節やTPOに応じてベルトを交換することで、さまざまな楽しみが増えてくるだろう。腕時計本体はたったの一つでも、ベルトを交換することでその雰囲気はガラッと変わるので驚きだ。
今回、筆者がオプションとして購入したのは、“ORANGE & SILVER TOCHIGI ORIGINAL HAND STITCH”(シルバーの金属パーツと栃木レザー社のオレンジ色ヌメ革)、“CAMEL SILVER INTRECCIATO”(シルバーの金属パーツと茶色のメッシュベルト)そして“OAK SILVER NATO LEATHER”(シルバーの金属パーツとNATOデザインのオイルドレザー)の3本だ。
さて、ではその超簡単なベルト交換を実現している仕組みを少し見てみよう。一般的な腕時計のベルトは、腕時計の上下にあるラグと呼ばれる部分に“バネ棒”と呼ばれる、内部にスプリングが入っていて長さが伸縮する特殊なパーツを使って固定する。
バネ棒は、スプリングのパワーで常に伸びようとする。時計屋さんは、“バネ棒はずし”と呼ばれる特殊な道具を使ってバネ棒を無理矢理押し込んで、少し短くしてベルトを付け外しする。
手先が不器用な筆者は、過去、何度かバネ棒をどこかに飛ばしてしまい、行方不明になったこともある。もちろん少し慣れれば素人にもできる比較的簡単な操作なのだが、やらなくても済むならありがたい作業なのだ。
一方、「KNOT」の交換ベルトは全て、バネ棒の代わりに、伝統的な鍵の構造“閂錠”(かんぬき錠)に似たEasy Lever(イージーレバー)と呼ばれるピンを採用している。これはベルトに内蔵されていて、従来のバネ棒はずしを使わずに、誰でもつめ先だけで10秒もかからずベルト交換が出来てしまう。
「Easy Lever」は、高級ベルト製作会社の仏カミーユ・フォルネ社が10年ほど前から、自社のすべての腕時計ベルトに採用した実績のある「アビエシステム」と同様の仕組みなので安心だ。そんなこんなで筆者は、1つの腕時計本体に4つのベルトを揃えてしまった。
汗をかく季節、金属メッシュのベルトを使うのが王道だろうが、ここはあえて栃木レザー製のオレンジ色のベルトを使ってみることにした。いずれも4000円~4500円のリーズナブルな価格なので思い切って楽しめる。
腕時計本体と4本の着せ替えベルトを合計しても、その価格はApple Watchのミラネーゼモデルの3分の1くらいなのだ。ミニマルデザインのシンプルなアナログ腕時計とスマートウォッチ。この両者の使い分けもなかなか難しくて面白い。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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KNOT 腕時計交換ベルト | KNOT Webショップ | 4000円~4500円 |