本日の一品

二重のファンで超強力送風、無印良品のUSB扇風機

 USBで駆動する扇風機としてはケタ外れの風量、という噂は以前から聞いていた。無印良品のUSBデスクファンのことだ。ラインナップ上は標準タイプと首振りタイプの2種類があるが、今回は後者、首振りタイプを購入したので、購入してあらためて実感したこの製品のポテンシャルを紹介する。

「USBデスクファン」前方から見たところ。左右約80度の首振りに対応する
背後から見たところ。USBケーブルは直結タイプ

 一般的に、扇風機の風量を増すにはファンの径を大きくするか、あるいはファンを高速で回転させるというアプローチが採られるわけだが、本製品はまさに卓上扇風機といったルックスで存在感こそあれど大柄というわけではないし、ファンの回転が高速すぎて騒々しいこともない。見た目は家電量販店の店頭に並んでいるUSB扇風機と大差ない。

かなり存在感があるデザインだが、高さやフットプリントは一般的なUSB扇風機と大差ない。左はエレコムのFAN-U25WH
上下約30度の角度調整に対応とされているが、実際には上方に40度、下方に20度といったところ
前後2つのファンが同時に送風するため風力はかなりのもの。1メートル離れても充分に風を感じる

 にもかかわらず風量が強い理由は、二重反転羽根を採用しているからだ。USB扇風機の中には、50cmも離れるとほとんど風を感じなくなる製品も少なくないが、本製品は2つのファンが同時に回転するというギミックゆえ、1m以上離れても充分に感じられるほどの風を受けられる。USBの電力供給の制限内でこれだけ強い風が出るというのは、少なからずカルチャーショックである。

 風量は強弱の2段階で切り替えられる。外出先からの帰宅時や風呂上がりなど汗をかいている際は「強」、ふだんは「弱」という使い分けになるだろう。USB扇風機には珍しい首振り機能も内蔵しているので、風に当たりっぱなしになることを避け、適度に分散しておけるのもよい。ちなみに使ってみた限りでは風は直進する傾向が強く、扇風機というよりはサーキュレーターに近い性質だ。

手前のスイッチで風量を2段階で切り替えられるほか、スイッチを押し込むことで首振りにも対応する

 目についた欠点も挙げておこう。ひとつは首振りが若干カクついた動きになりがちなこと。USB扇風機では、首振りの「左→右」と「右→左」のスピードが違う製品もざらにあるので、むしろ良好な部類に入るが、市販の扇風機と比較して違和感を感じる人もいるかもしれない。

 もうひとつは、スイングする台座部分にケーブルが取り付けられているため、首を振るたびにケーブルが引っ張られる格好になること。それゆえケーブルが何かに引っかかると、首を振っていたはずがあらぬ方向を向いて止まっている、ということが稀に起こる。ケーブルが周囲と干渉しないよう、ゆとりを持って設置したほうがよさそうだ。

輸入元はリズム時計工業。ホワイトのほかブラックがラインナップされている

 価格は2900円で、USB扇風機としてはやや高い価格帯だが、これまで何十種類というUSB扇風機を試してきた筆者に言わせると、価格ぶんの価値は十分にある。夏本番に向けて、心強い味方になってくれる一品としておすすめしたい。

製品名購入場所購入価格
USBデスクファン良品計画2900円

山口 真弘