本日の一品

最新のSound Blasterは音の十徳ナイフや!

「Sound BlasterAxx AXX 200」

 世の中には2種類の人間がいる。Sound Blasterという名にコーフンと懐かしさを覚える人間と、そうではない人間だ。CD-ROMドライブからSound Blasterへの配線をし忘れて「CDの音が出ない!」と狼狽、なーんて昔話にクスリとしていただける方は前者ではないだろうか。筆者も狼狽したクチです、はい。

 かつて、IBM PC互換機の世界で「デファクトスタンダード・サウンドカード」として名をとどろかせ、今も精力的に製品がリリースされているクリエイティブメディアのオーディオインターフェイス「Sound Blaster」シリーズ。20年以上の歴史を誇る名ブランドである。今回はそのシリーズ最新作をご紹介したい。「Sound BlasterAxx AXX 200(以下AXX 200)」次世代Sound Blasterと銘打たれた意欲作である。

 「えっ?これがあのSound Blasterなの?」と、一見ポータブルスピーカーのようなAXX 200だが、その機能はスゴい。

・ USBオーディオインターフェイスとして、PC/Macの音声入出力をサポート
・ 内蔵スピーカーで、PC/Macのミュージック、ムービー、ゲーム音声を楽しめる
・ マイク搭載でSkypeなどのボイスチャットもこれ一台でOK
・ Bluetoothとバッテリー内蔵で、スマートフォンのワイヤレススピーカーとして使える
・ 対応スマートフォンならNFCをワンタッチでBluetoothをペアリング
・ Bluetoothヘッドセットとしても使える。もちろん電話着信も可能
・ 対応iOSデバイスなら、SiriもAXX 200から操作
・ microSDスロットを装備し、AXX 200だけでミュージックプレーヤーに
・ しかも内蔵マイクでカラオケができる
・ さらにBluetoothでスマートフォンの音楽ファイルでもカラオケが可能
・ ボイスレコーダーにもなる
・ 拡声器にもなる
・ しかもボイスチェンジャー機能付き
・ しかもサイレン付き
・ USBモバイルバッテリーとしても使える

 書き並べてみると機能てんこ盛り、まさに音の十徳ナイフだ。スペックに圧倒されてしまいそうだが、そもそも「Sound Blaster AXX」シリーズはPC用オールインワン外付けスピーカーという位置付けの製品。それが今回バッテリーを搭載したことによって、はやりのポータブルBluetoothスピーカーへとさらに進化した、と考えればうまく製品をイメージして頂けるのではないだろうか。

 ハードウェアの仕様について説明しよう。サイズは幅72.3mm、奥行64mm、高さ200.6mm。重さは約500g。デスクに置いても場所を取らず、手にしてみると見た目よりとても軽い。持ち運びはそれほど苦にならないサイズだ。

本体のメイン操作はタッチパネルで
背面上部にはミュージックプレーヤーや拡声器、ボイスレコーダーの操作キー

 2つのスピーカーはクリアかつパワフルなサウンド。六角柱という形状からか、ステレオの定位性は弱め。そのかわり、周囲のどこにいても良好なリスニングが可能だ。じっくり音楽を聴くよりもカジュアルな楽しみ方に向くだろう。マイクを前面・背面にそれぞれ2つずつ装備しており、同じくどこからでも音が拾える設計だ。あくまでSound BlasterなのでAUX/Mic音声入力端子も装備。ヘッドフォン端子もちゃんとある。PC/Macとの接続のためmicroUSB端子が、これは給電を兼ねており、USBパワーアダプターが同梱されている。

 スマートフォンを充電できる5V1A出力のUSBポートも装備。これには筆者も意表をつかれたが、今季Bluetoothスピーカーのトレンドになっている機能らしい。使ってみると地味に便利。とても良いアイデアだと思う。なお仕様でのバッテリー持続時間は、8時間以上の充電で最大約15時間となっており、実際iPhoneを充電しながら音楽を聴いていても、かなり電池の持ちが良い印象だ。

各コネクタ類は背面下部にまとめられている
スマートフォンの充電ができるのは地味に便利

 ソフト面は、Windows/Mac OS X/iOS/Androidの各OSに対応。それぞれに設定ソフトウェアが用意されている。ソフトにはAXX 200の使い方に合わせた音色設定があらかじめ用意されており、シチュエーションごとにスピーカーとマイクを最適に調整できる。設定はユーザーが好みに編集・保存が可能だ。かなり細かく調整できるので音色にこだわるユーザーも満足できるだろう。ちなみに設定はAXX 200本体に保存されるので、各OSソフトで共有されるのは評価したい。

各OSの設定ソフトウェア。イコライザーはかなり細かく設定できて◎。スマートフォンアプリにはリモコン機能も。ハードウェアキーまで操作できるのが面白い
本文で割愛した拡声器機能、オマケだが面白い。本体を手にスイッチをいれ写真左上のマイクに喋るだけだ。ただしサイレンは容赦なく爆音なので、うっかりおまわりさんを呼ばれない様に注意しよう

 PCパーツメーカーとしてサウンドデバイスを長年リリースし続けているクリエイティブメディア。バッテリーを搭載し、多彩な機能をそなえ、BluetoothでもUSBでも使えるAXX 200は、専業の楽器メーカーや音響メーカーとはひと味違う「PCとスマートフォンを中心とした音の楽しみ方」を、これでもか!というボリュームで提案している。室内・野外、シチュエーションを問わず、様々な用途にガンガン活用できるだろう。PCもスマートフォンもバリバリ使いこなすコンピュータ野郎な方に、是非オススメしたい一品だ。

製品名販売元購入価格
Sound BlasterAxx AXX 200クリエイティブメディア1万4800円

はやしだ