本日の一品
自由課題手つかずのキッズにおススメのプログラミング入門書
(2013/8/29 06:00)
夏休みも週末をあと1つ残すのみ。もしかしたら、自由課題が手つかずのキッズに心を痛めているご家庭もあるかもしれない。この夏は、子どもを対象にしているプログラミングの本が出版されており、簡単に作れるプログラムも載っているので、2冊紹介しよう。夏休み最後の週末を、プログラムづくりで一緒に過ごされてはいかがだろうか。
1冊目の「小学生からはじめるわくわくプログラミング」(阿部和広著、日経BP刊)は、子どもの教育向けに開発されたScratchというプログラミング言語を使用している。画面の中でブロックを組み合わせてプログラムを作るので、低学年でも大丈夫だ。
この本は、「物語メーカー」「フィズバス(3と5の倍数を『フィズ』と『バス』で言い換えながら数を数え上げるゲーム)」「アリシミュレーター」「なんでもクイズ(クイズメーカー)」「かえるのうた(輪唱)」「100mハードル(スペースキーでネコがハードル越え)」といったプログラムを作りつつ、プログラムを作るときの「考える道筋」が会話形式で進んでいく。
ところどころ入っている4コマ漫画が、印象を親しみやすいものにしている。また、Scratchはアラン・ケイが開発したSqueakを元に開発されたものだが、巻末にはアラン・ケイの小論文「すべての年齢の『子どもたち』のためのパーソナルコンピューター」が収められている。オトナ向きの読み物になるが、それもこの本の魅力になっている。
2冊目の「enchant.js+JavaScriptで行こう! 勇者と冒険するゲームプログラミングの世界」(布留川英一著、誠文堂新光社刊)は、JavaScriptと組み合わせてゲームづくりに便利なアニメーション機能や画像素材などを含んでいるenchant.jsを使用している。と言うと面倒に思われるかもしれないが、プログラミング環境にcode.9leapというサイトを利用できるので、ブラウザーさえあれば手元のPCのセットアップがいらないし、作ったプログラムはPC、タブレットPC、スマートフォンのいずれでも動作する。こちらは、小学校中高学年からの文字を入力できる子どもが対象だろう。
この本は、変数や演算、条件分岐、ループ、関数といったJavaScriptの基本、enchant.jsのスプライト機能を使ったアニメーションを親しみやすいイラスト入りで説明したあと、サンプルプログラムとして「もぐらたたき」「パズルゲーム(絵あわせ)」「アクションゲーム」「クイズゲーム」「シューティングゲーム」が示され、ゲームを実現するための概念やアイデアが図解されている。オブジェクト指向の概念は、もぐらたたきゲームを例に説明してあった。
正直なところ、自分のような初心者にはサンプルプログラムを追うのは難しいかもしれないと心配したのだが、基本の勉強はそこそこに、公開されているサンプルプログラムをcode.9leapのForkボタンで複製し、オリジナルのパズルゲームやクイズゲームに魔改造して楽しんでいる。
プログラミング環境がウェブに移っていくと、このようなプログラミングの親しみ方もあるのだろう。これは発見だった。初心者は、文章の入力ができてもプログラムの記号の入力には慣れていないので、付録の「記号さがし」が役立つ。
書名 | 価格 | 出版社 |
---|---|---|
小学生からはじめるわくわくプログラミング | 1900円(税抜) | 日経BP |
enchant.js+JavaScriptで行こう! 勇者と冒険するゲームプログラミングの世界 | 1800円(税抜) | 誠文堂新光社 |