華麗に大変身したポメラ「DM100」
折り畳み式キーボードを廃止した新型ポメラ「DM100」。型番も3桁となり、外観も含めポメラの新しいシリーズであることが窺える |
2011年の11月25日に新しいポメラ「DM100」が発売となり、その思い切った変容ぶりに驚かされたのだが、今回、実機を使う機会に恵まれたので、筆者愛用のポメラ
「DM20」との違いを中心に、新しいポメラ「DM100」を紹介させていただく。
手元に届いた「DM100」の最初の印象は「思っていたよりも大きい」だった。しかし、手にとっていろいろな角度からしげしげと眺めてみると、非常に薄いことも分かった。これまでのポメラは、キーボードを折り畳むことで面積を小さくし、厚みが増すという方向のものだったが、「DM100」はその折り畳み機構を廃止した代わりに厚みを抑えた非常に薄い作りになっている。ポメラといえば折り畳みキーボードという印象が強かったため、この思い切った形状の変更は筆者には大きな驚きであった。
携帯性という視点で、今回の変更がプラスとなるかマイナスとなるかは、持ち歩く荷物の構成に依存すると思うが、多くの場合において、コロっとした箱型の折り畳み式ポメラより、薄い板状の「DM100」の方が、鞄への収まりは良いのではないかと思う。また、今回の形状変更に伴い、単三電池が利用できるようになり、液晶画面の大型化、グレースケール化、バックライト化が実現したのもプラス要因といえる。ポメラを使用する機会の多い薄暗い場所での視認性は格段に向上している。個人的には「DM20」に搭載された、電子ペーパーと見間違えるほど鮮明な反射型白黒TFT液晶も捨てがたいと思うのだが、一般的には「DM100」のバックライト付き液晶の方が好まれると思う。
思い切った形状の変更が大きな驚きだった新型ポメラだが、機能的には、より快適にテキストを入力するための道具として、いろいろと進化している。以前のポメラのキーボード部分は、折り畳み機構故の不安定さが打鍵中に感じられたのだが、「DM100」のキーボードにそのような感触はない。キータッチの味付けも若干変更されており、指先にしっかりとした打鍵感を感じる。筆者自身は軽めのキータッチが好みのため、このキータッチの変更は微妙な印象だ。
しかし、それなりの文章量を入力するに当たってのキーボードの使い心地は、安定感に勝る「DM100」の方が上と言えそうだ。大型化し視認性が良くなった液晶ディスプレイと併せて、頭に浮かんだ文章を入力するという作業において支障となる点は何も感じられない。
一体型キーボードのメリットとして、ポメラを開いての入力開始と、終了時の収納作業が一段とスピーディーに行えるという点がある。電車などでの移動時間を利用して文章を入力する際には非常に使いやすくなった。
今回から追加された辞書機能も、原稿執筆などで言葉の意味や用法を確認したい時には非常に便利だ。辞書からのコピー機能も良くできている。各辞書の収録見出し数はそう多くはないのだが、一般的な言葉の意味、用法を確認するという意味では十分だと感じた。
「DM100」はポメラらしさが無くなったと言えなくもないが、初代ポメラ「DM10」からの基本的な進化の過程を考えると、「より多彩な用途での文章入力をサポートする」という方向性において、今回の大変身はポメラ的に正常な進化といえると思う。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
ポメラ DM100 | キングジム | 2万5498円 |
2012/1/23 06:00