本日の一品
常時表示でもバッテリーがなかなか減らない──TicWatch Pro 5が手放せない
2023年8月10日 00:00
座りっぱなしでいることの多い職業ということもあり、脂肪とともに罪悪感もどんどん増していく。少なくとも、罪悪感だけは減らしていきたい。
そんなときに便利なのがスマートウォッチだ。ランナーやハイカーなど、運動することが苦にならない人であれば、自分がどれだけの時間を活動に費やし、そして目標を達成したのかをチェックするのだろうが、ほぼデスクの前から動かず、靴を履いて外出するのはさらに頻度が少ないような筆者のような人間の場合、家の中で歩いた歩数も可視化したいのだ。
そういった、さまざまな思惑があり、スマートウォッチを常に身に着けているのだが、本来の時計としての役割を果たしていないなぁと思うこともある。というのは、腕に目をやっても時間が表示されておらず、「ブンッブンッ」と何度か手首を大げさに回す動作が必要なこともあるからだ。
人に悟られず時間を確認したい──そういう細かいニーズにもマッチしているのが「TicWatch Pro 5」(ティックウォッチプロファイブ)だ。
そのほかのスマートウォッチでも常時表示させる方法がないわけではないが、バッテリーの減りが非常に早くなってしまう。その点、TicWatchシリーズなら、常時表示させていてもバッテリーが長持ちする。
その仕組みは、TicWatch独自のディスプレイ2層構造にある。詳細を表示する、いわゆる普通のスマートウォッチ画面のAMOLEDディスプレイの上に、バックライト付きのFSTN LCDディスプレイ(以降、LCDディスプレイ)が乗っており、普段はLCDディスプレイで表示、腕を軽く振ればバックライト点灯、そして通知の詳細を確認したい、操作したいという場合はボタンを押す、ディスプレイにタッチするなどしてAMOLEDディスプレイを表示させられるのだ。
前モデルである「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」との大きな違いは、クラウン回転ボタンを搭載したことだろう。前モデルでは、同じ大きさの押し込むタイプのボタンを2つ搭載していたが、TicWach Pro 5には主張しすぎないサイドボタンが1つ、赤いアクセントがインパクト大のクラウン回転ボタンが1つ搭載されている。
どちらも押し込む操作に対応しているが、クラウン回転ボタンのほうは、回して画面をスクロールすることができる。
同ボタンでできることは、LCDディスプレイからウォッチフェイスと呼ばれているAMOLEDディスプレイへの切り替え(いわゆるホームの表示)、アプリリスト表示、スクロール、ホームへ戻るなどだ。
これまでは、さらなる情報を得るためのスクロールを指で行う必要があった。しかし汗で指が濡れている、寒くて手袋をはめている、などの状況ではうまくスクロールできず、悲しい思いをしていたのだが、ボタンを物理的に回転させられることで、使い勝手が大幅に向上した。
もう1つメリットがある。前モデルでは、どちらのボタンを押せばアプリリストが表示されるのか毎回悩んでいたのだが、TicWach Pro 5では非常にわかりやすくなった。サイドボタンが目立たないおかげだ。
なお、もちろんサイドボタンにも役割はある。電源のオン/オフ、最近使ったアプリの表示などだ。
前モデルとの違いをほかにいくつか挙げると、ディスプレイが1.4型から1.43型へと大型化したこと、チップセットがSnapdragon Wear 4100とMobvoiディアルプロセッサシステムからSnapdragon W5+Gen 1ウェアラブルプラットフォームへ変更したこと、メモリは1GBから2GBへ、ストレージは8GBから32GBにアップしたこと、Bluetoothが5.0から5.3へとバージョンアップしたことなどがある。
内蔵バッテリーが577mAhから628mAへと10%近く増え、スマートモード(AMOLEDディスプレイ)での表示時間は最大72時間から最大80時間へとアップしている。30分で65%を充電できるため、入浴の短い時間だけの充電で充分。これならバッテリー切れを気にすることなく、ひんぱんに高精細なディスプレイで情報を確認できるだろう。
高精細といえば、TicWach Pro 5は、連携したスマホに届くさまざまな情報をバイブで知らせ、その際に手首をひねれば内容を表示させられるのだが、アプリによっては画像も一緒に表示してくれる。
これが意外と便利で、特に室内に設置している見守りカメラ(ATOM Cam 2)になにか動きがあれば手元ですぐにチェックできる。筆者宅ではペットの見守りのために使っているが、玄関やカーポートなど屋外に防犯目的で設置している人であれば、重宝するに違いない。
冒頭で述べたように、わずかな“運動”でも可視化したい筆者にとって、運動し始めてから5分経ったところで自動的に記録をスタートしてくれるのは非常にありがたい。しかも開始直後に遡って記録してくれるのだ。
おかげで、近所にコンビニへ行くのも、バス停や駅へ行くのもすべて「ウォーキング」として記録される。ズボラで出不精でも、「ああ、今日も運動したなぁ」という妙な達成感を得られるのだ。
TicWach Pro 5は5つのグローバル衛星システムに対応しているだけでなく、コンパスと気圧計も搭載している。そのため、連携しているスマホのGoogleマップでルート案内を設定しておけば、ナビを手首で表示できる。
本当に知らない土地でこれを行うのはリスキーなので、知っている場所で試してみたが、市街地でも意外なほどきちんとナビゲーションしてくれることがわかった。バッテリーをもたせたいスマホはカバンやポケットの中に入れておき、ある程度はスマートウォッチで、もっと詳しく知りたくなったらスマホで確認する、という使い方ができるのではなかろうか。
残念なのは、左利きモードがないことか。ディスプレイ表示をぐるっと180度回転できればボタン操作が楽なのになぁと思わずにはいられない。
とはいえバッテリーの持ちがよく、短時間の運動も見逃さずに記録しておきたい筆者にとって、入浴時以外つけっぱなしにできるのは非常に快適。TicWach Pro 5は、手放せないし、手放さなくても大丈夫な相棒なのだ。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
---|---|---|
Ticwatch Pro 5 | Movboi | 4万9999円 |