本日の一品

「まったく新しい」に嘘はなかった! 進化したAirPods Pro(第2世代)

 AirPods Proに第2世代モデルが登場した。製品ページには「まったく新しい」という文言が踊っており、いち早く試用した人達からも同様の評価は聞こえてくるが、とはいえ外観は従来モデルと同一で新鮮味はなく、それでいて3万9800円とべらぼうに高価だ。初代モデルを愛用している筆者ですらドン引きの価格だが、最終的に意を決して購入することにした。

本体はおなじみの形状。スティック部にはスワイプによる音量調節機能が追加された

 実際に試してわかったのは、この「まったく新しい」という触れ込みは、たしかにウソではないということだ。一般的にIT系のデバイスでは、外見が変わっていない新製品ほど、中身が進化していることがよくあるが、本製品はその典型例だ。なかでも目玉であるアクティブノイズキャンセリング機能は、従来モデルとは完全に別物といっていい。

反対側。本体付属のイヤーピースのサイズは従来の3種類から4種類へと増えている
初代(右)との比較。上部にある黒い部分はこの第2世代で新たに追加された

 その具体的な違いを文章で説明するのは難しいが、しばらく試用した限り「新幹線の中で実用レベルで使えるようになった」という説明は、比較的分かりやすいと思う。東海道新幹線の車内で装着していると、従来モデルはゴーッという風切り音を完全に遮蔽できず、サードパーティ製のイヤーピースに交換して多少緩和できるレベルだったのが、今回の第2世代は標準イヤーピースのままで風切り音をほぼ完全にカットしてくれる。

充電器兼用ケースの比較。新たにスピーカーを搭載したことで底部に穴が開いている
側面にはストラップホールが設けられている。Apple製品には珍しい意匠だ
ケースのサイズは同一だが、初代と第2世代を交互に入れ替えることはできないようだ

 それゆえ、初代モデルと第2世代モデルを交互に装着していても、いま自分がどちらを装着しているのは100%正解できるし(もちろん新幹線車内での話である)、この第2世代モデルをいちど使ってしまうと、初代に戻ることは不可能だ。音楽を再生せずに耳栓として使うことが多いユーザーにとっても、この遮音性の高さは大きなメリットだろう。

iPhoneからの認識のされ方をはじめ、挙動は初代モデルと変わらない

 またノイズキャンセリングをオフにした時に聞こえる外部の音も、従来の人工音っぽさが大幅に解消されているほか、本体に音量調節機能が追加されたり、ケースにスピーカーが内蔵されてiPhoneの「探す」で音を鳴らせるようになったり、イヤーピースのサイズが増えて4種類から選べるようになったりと、細かい進化も見逃せない。

 結果的に買ってよかったと言える本製品だが、あえてマイナスを挙げるならば、初代と同様に、光沢感の強い表面処理による、つまんだ時の滑りやすさ、落としやすさだろう。従来モデルに慣れている筆者ですら、購入から3日と経たないうちに駅のホームでケースに入れ損ねて落としてしまったほどで、取り扱いに慎重さを要するのは従来と変わらない。次期モデルには、つまんだ時に滑りにくい工夫を、期待したいところだ。

製品名発売元実売価格
AirPods Pro(第2世代)アップル3万9800円