本日の一品

あえて単ポートにこだわる。iPhoneやiPadの付属ケーブルとの組み合わせに適したUSB PD充電器

 USB PDによる急速充電に対応したデバイスの普及により、複数のポートを備えたUSB PD充電器の人気が高まりつつある。しかしこれらは単ポートのUSB PD充電器にはない欠点がある。それはデバイスを接続し直すたびに、他のポートへの給電がリセットされることだ。

 これは各デバイスに適切な電力を割り振るための挙動で、構造上やむを得ないのだが、とはいえ抜き差しのたびに順調に行われていた充電が中断されるのはあまり気分がよいものではないし、またバッテリー非搭載機器への給電中にリセットされると、運転そのものが停止してしまう。例えばホテルでモバイルWi-Fiルータの電源をその充電器から取っていた場合、ほかのポートで充電しようと挿した瞬間、Wi-Fiが切断されてしまう。

 こうしたことから、充電や給電が途絶えては困る環境下では、複数のポートを備えた充電器を使うよりも、単ポートの充電器を複数使ったほうが、なにかと小回りが利くことが多い。コンセントの口の数はそのぶん必要になるが、発熱のリスクを押さえられるぶん、安全性も高まる。

 そうした経緯もあって、今回単ポートのUSB PD充電器を探していたのだが、最終的に購入に至ったのが、エレコムの「MPA-ACCP29WH」だ。ノートPCの充電にも使える45W対応で、ボディがコンパクト、なおかつプラグが折り畳めるので持ち歩きも容易という、筆者が求めていた複数の条件をクリアする製品だ。

単ポートで、最大45Wの出力に対応する
パッケージ。今回紹介するホワイトモデルのほかにブラックモデルもある
プラグは折りたたみが可能なので持ち歩きに適する

 この条件に合致する製品としてもっとも有名なのは、おそらくAnkerの「Anker Nano II 45W」だろう。筆者はこちらも所有しているが、本製品もコンパクトさは負けずとも劣らず、またプラグが折りたためる構造も同一だ。ポートの配置が違うためOEMというわけではないようだが、USB PDの出力をチェッカーで測定しても、値はまったく同じだ。

 敢えて違いを挙げるならばカラーリングだろう。両製品とも、ブラック系とホワイト系、2つの色違いがあるが、Anker製品はどちらも正面プレートがシルバーで、「黒+シルバー」「白+シルバー」というツートンカラーなのに対して、本製品はホワイトもブラックも、ボディ全体のカラーが統一されている。iPhoneやiPadに付属しているUSB Type-C-Lightningケーブルと組み合わせるならば、本製品のほうがよりマッチしやすい。

iPhoneやiPadに付属しているUSB Type-C - Lightningケーブルとは色もマッチする
Ankerの「Anker Nano II」(左)との比較。ほぼ同等サイズだ
奥行きは本製品がやや長いが、背は本製品のほうが逆に低い
プラグはどちらも折りたたみ式
どちらも最大45W対応の単ポート仕様。配置が違うのでOEMではないようだ

 本稿執筆時点でのAmazonでの実売価格は3545円ということで、前述のAnker製品が3990円なのに比べると約1割お得。販売店によっては売価が逆転していることもあり、必ずしも本製品のほうが安いとは言い切れないのだが、使い勝手もほぼ同じということで、45Wに対応した単ポートのUSB PD充電器を探しているのであれば、併せてチェックしたい製品だ。

本製品のPDO。PPSにも対応する
「Anker Nano II」のPDO。PPSの値も含めて本製品とまったく同じだ
製品名実売価格発売元
MPA-ACCP29WH3545円エレコム
Amazonで購入