本日の一品
タイメックスのCamper Classic Tile Collectionを手に入れた
2021年12月27日 06:00
時々、ウィンドウショッピングをやってる上野の時計屋さんで発売すぐのTIMEX「Camper Classic Tile Collection」(以降:キャンパー・タイル)を手に入れた。キャンペーン期間なのか発売記念プレゼントなのか忘れてしまったが、TIMEXの今回の腕時計のテーマであるブラックとホワイトのタイルを組み合わせた立体的なトレイが付いていたが宅内紛失で未だ発見に至っていない。
そういえば、その1カ月ほど前にも同じお店でタイメックスとカシオのパックマンコラボ腕時計のどちらを買おうか悩んだことがあった。結局その時は見掛けの造作の派手なカシオ製のモデルを買ってしまった。実はその時、店頭で見たタイメックスの”キャンパー”という有名なモデルをなぜか持っていないことに気づいた。キャンパータイルを買う伏線はあったようだ。
今回、キャンパー・タイルを手に入れてから机の引き出しを開けてみたらそっくりさんがいくつか出てきた。よく見ればいずれもダイソーの500円ミリタリーウォッチだった。ダイソーのカーキとブラックのキャンパーオマージュモデルは、いずれも本体ケース表面は反射を抑えたマット処理。ベルトはタフで汚れの落ちやすい通称NATOベルトのミリタリー仕様だった。
一方、キャンパー・タイルはケースもベルトも全体がテカテカのプラスチック素材のなんちゃってセラミック仕様だ。外観上はミリタリーの流れを引き継ぐキャンパーモデルではあるが全く別の変身商品だ。時代は移り変わり今や本物のミリタリーウォッチも使い捨てでコスパが最優先される製品と、機能優先の高級製品が共存する世界になってきているようだ。
それまではポケットに入っていた懐中時計が腕時計に変身した背景は軍事需要だ。判断、スピード、同期性が最重要視される軍事の世界では腕時計は早々に必須のアイテムとなった。司令官だけが腕時計をしていた昔から、全ての将兵が装着する時代に変わり、大量生産低コストが大命題となった。
一般的な、ミリタリー腕時計はタフで正確、シンプルが絶対に落とせない重要な要素だ。また使用者側の視認性は高く、敵からは見えにくいことも重要だ。しかしこの辺りは腕時計のプロに任せるとして、今回のキャンパー・タイルは、わずかにミリタリーDNAは受け継いではいるが、その世界とは隔絶した全く新しい世界の商品だ。
70年代風ミリタリーなご先祖様譲りのローコストな黒文字盤に見やすい白のインデックス、24時間併記の文字盤、プラスティック素材の使い捨て仕様などローコストなミリタリーテイストだ。しかし無粋なNATOベルトはシャインでお洒落なセラミック風ブレスに変わり、光沢シルバーな2つ折りロック、ワンプッシュアンロックな機構を搭載した全く違うハイセンスでありながらチプカシ的な面白みのある腕時計となった。
使っていて何より筆者が感じるのは、その超軽量性能だ。キッチン秤での実測重量はなんとたったの31g。これは通称チプカシと呼ばれるほぼ世界最軽量級のF-91Wよりたった10g重いだけだ。現在は軽量級のスマートウォッチでも51g、レガシーなブランド腕時計なら96g、クロノグラフにWENA3スマートウォッチベルトを加えると124g、国産の大型GMT腕時計なら174gとほぼ昨今の6インチ強のスマートウォッチと同じくらいの重さだ。
腕首にピッタリサイズの腕時計が大好きな筆者にとって、キャンパー・タイルのブレスはセラミック風の駒を抜き差しすることによる大雑把な長さ調整しかできない。本来ならどことなく気持ちの悪い装着感になりそうなのだが、31gという付けていないのに等しい軽量感がその煩わしさを忘れさせてくれる。
セラミック腕時計と言えば、昔からシャネルのホワイトセラミックが有名だが、難点はキャンパー・タイルの数倍近く重いことだ。令和時代の腕時計のトレンドはTPOに合わせてコスパの良い腕時計を色違い、モデル違いで複数個所有してその時に最もマッチした腕時計を選んで使用することかもしれない。
キャンパー・タイルはマーケティング次第では、チプカシに続いて超軽量お洒落ウォッチの最右翼としてのポジションを獲得できる素養を持っている。筆者はマットで少しざらざらしたグッドなテクスチュアの背面に貼られた“MOVEMENT JAPAN”、“ASSEMBLED PHILIPPINES”のシールをすぐにはがして毎日腕にしている。
商品名 | 発売元 | 価格 |
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Camper Classic Tile Collection | タイメックス | 1万3750円 |