本日の一品

大好きな”快段目盛”を採用した「スパイラルメジャー」が楽しい

 大工さんや建築士さん、服飾デザイナーなどのプロじゃなくても、どこの家にも巻き尺の1個や2個はあるだろう。

 IoT時代の昨今は引き出した巻き尺の長さがデジタルで表示されたり、結果がリアルタイムにスマホに記録されたりする類のモノもあるが、何れもレガシーな巻き尺の使い勝手や楽しさを超えていない。

 今回、ご紹介するスパイラルメジャーは長さを測る道具製造のプロである新潟精機が発売しているデザイン良し、使い勝手良しの”一皮剥けた”巻き尺だ。

 子供のころから巻き尺を見たら”カタツムリ”そっくりだと思っていた筆者だが、今回のスパイラルメジャーはカタツムリの”殻”を剥いて取り払ったイメージだ。

 殻を取り払ったことによる大きなメリットは、軽量化と小型化。殻を取り払ったことによるデメリットは従来多くの巻き尺にはあったボタンを押すだけのワンタッチ自動巻き戻し機能。

 目的に応じて選択肢の広がるのは素晴らしいことだ。筆者はワンタッチ自動巻き戻し機能よりもコンパクトさ、軽量さを選んだ。

殻を脱いだかたつむりのような軽量のスパイラルメジャー(2m)を買った
殻なしなので大きさは従来の3分の1、重さは実測たったの55g
手のひらに余裕で乗っかるコンパクトさは最高。ケース無しでもエッジは綺麗に処理されていて安全だ
本体側のスパイラルメジャーのガイド付きスライダーは固定されている。

 目盛は見やすく読みやすい同社独自のアナログを極めた”快段目盛”を採用。ほんの少し慣れればミリ単位まで確実にスピーディに読み取れる。

目盛は新潟精機お得意の”快段目盛”を採用。7ミリとか8ミリ等ミリ単位の区別のつきにくい長さも一発で読み取れる

 スパイラルメジャーには数種類ある色違いモデルごとにカラフルなスライダーと呼ばれるツマミが2個取り付けられている。

 1個は巻き取り用のガイドの付いた本体側に固定の物。もう1個は自由に移動できるスライダー単体だ。

 対象物の長さを測定するには、一方の手で丸くなったスパイラルメジャー本体を持ち、もう一方の手で、スライダーをつまんで引き出すことによって巻き尺が伸び、長さを測定できる。

 引き出す側のスライダーは巻き尺上の任意の場所にスライドして移動できるので、測定面に固定して、一定間隔で目印を付けるのも極めて簡単に出来る。

 スパイラルメジャーも筆者の愛用しているステンレス直尺同様、背面は目盛が90度回転した表示になっているので、垂直に使用して長さを測るにはなかなか見やすくて便利だ。この場合でも超アナログな”快段目盛”は極めて役立ってくれる。

先端のスライダーを引っ張ってスパイラルメジャーを引き出して測定する
実際に、先端のスライダーを壁に押し当て本体側のスライダーで長さを読む
引き出し用のスライダーは場所が可変なので、一定間隔のマーキングも超簡単
スライダーには表裏にマグネットが付属するので金属物に張り付けて保管、測定が出来る
スパイラルメジャーの背面は快段目盛が90度回転した縦型なので垂直に測る時にも便利だ

 スパイラルメジャーは名前の通り”巻き尺”だが、スライダーを引いて最後まで引き伸ばすとなんと長い金属製の直尺になってしまう。”巻き尺なのに直尺”がもう一つのスパイラルメジャーのウリだ。

 長く全てを引き出して床に置いて俯瞰するとよくわかるが、スパイラルメジャーは10cm毎に紅白に色分けされている。紅白の色分けで10cm単位で長さの感覚を的確に捕まえ、1mm単位の快段目盛で詳細を正確に見るという二段仕掛けだ。

 直尺の様に全部伸び切ったスパイラルメジャーは本体側のガイドの付属するスライダー付近で端っこを”パキッ”と折り曲げてガイドに沿わせてやるとあとは押し込むだけで元通り丸く収まってくれる。

完全に伸ばし切るとなんと2mの金属直尺になってしまうスパイラルメジャー。10cm毎に赤と白が繰り返し見やすい
本体スライダー側でパキッと折り曲げて、あとは押しこんでゆくだけで綺麗に巻き込み元のスパイラルメジャーが復元する
クレジットカードよりコンパクト。小さく持ち運んで大きく使えるスパイラルメジャーは仕事でも家庭でも超役に立つ一品だ

 当たり前だった”巻き尺の殻”を取り去り、超コンパクトになったスパイラルメジャーは”カラーリング”と得意の”快段目盛”で無敵の存在となりつつある。同社のウエブページを見たら、なんと新潟精機と大成建設の共同開発らしい。とても思い付きで作ったIoTメジャーなどでは当分は勝てそうにない。

商品購入先購入価格
新潟精機 スパイラルメジャー(2m、グレー)Amazon.co.jp2323円