本日の一品

純正品とは何が違う?  MagSafe充電器の互換モデルを試してみた

 iPhone 12シリーズ用のMagSafe充電器の互換モデルが、サードパーティーから続々と発売されている。速度は最大7.5Wと純正品(最大15W)の半分だが、価格が純正品の半値近くとなればユーザにとってもメリットがある。高速に充電したければ純正品、そうでなければ互換品と使い分ければよいからだ。

 今回筆者が入手したSpigenの充電器も、こうしたサードパーティー製のMagSafe互換充電器のひとつだ。円形のプレートにケーブルが直付けされている外観はまったく同じで(ただしサイズは微妙に異なる)、実売価格は純正品のおよそ半額、2千円台とリーズナブルだ。

純正品(右)に比べると直径がわずかに大きい
コネクタはどちらもUSB Type-Cを採用する
厚みは純正品に比べるとわずかに厚い。実測で5.7mmある(純正品は5.2mm)

 MagSafeによる充電は、一旦使い始めると、身の回りのあちこちに充電器を置いておきたくなるので、メインは純正品を使いつつ、こうしたサードパーティー製品で数を補うのはありだろう。数が増えると接続のためのUSB充電器を調達するコストも発生するので、安いに越したことはない。

 また、純正品にはない本体カラー(ブラック)が用意されているのも特徴だ。特定の場所、例えば車の中などで使う場合、純正品の白いケーブルは車の内装と絶望的にマッチしないが、黒であればそうした問題もない。このように純正品にはないカラー面でのメリットもある。

円形プレートにケーブルが直付けされた形状は純正のMagSafe充電器と同じだが、ブラックは純正品にないカラーだ
円形のプレート。このロゴマークがあるのが裏側になる。
無地の面をiPhoneに貼り付ける。純正品のような表面の軟質樹脂はない

 もっとも実際に使ってみると、思ってもみない問題点が見つかったりもする。本製品の場合、マグネットの磁力の弱さがそれだ。通常のMagSafe充電器は、iPhoneを吸着させたままケーブルを持ち上げても外れないほど磁力が強いが、本製品で同じことをしようとすると、持ち上がるのは最軽量なiPhone 12 miniがギリギリで、かつ少し衝撃が加わると簡単に外れて落下してしまう。

iPhone 12 miniに取り付けた状態
iPhone 12 Pro Maxに取り付けた状態
直径はiPhone 12 miniの幅とほぼ等しい
磁力は弱く、iPhone 12 miniをここまで持ち上げるので精一杯だ

 そのため、デスク上で平置きで使う以外の用途には、残念ながらマッチしない。前述の車載用途も、ホルダーなどに装着できたとしても、おそらく縁石を乗り越えた衝撃だけで外れて落下してしまうだろう。車内で使う場合も、実質的に平置き前提となる。

 もちろんサードパーティ製品がすべてこの問題を抱えているわけではなく、モノによりけりといったところだろうが、こうした純正品の違いを把握するためにも、やはり純正品はひとつ所有した上で、こうしたサードパーティ製品はあくまで2台目3台目として追加導入するのが望ましいだろう。性質を見極めて使いたい製品と言えそうだ。

製品名実売価格発売元
Spigen ArcField 磁気高速ワイヤレス充電器(PF2009)2999円Spigen