本日の一品

日乃本帆布製の軽量なモバイルパソコン用ブリーフケースを買ってみた

 人生の半分を大阪で過ごした筆者にとっては“帆布”と聞けば昔よく行った京都のある帆布製品メーカーを思いだす 今回ご紹介するのは、同じ帆布系ではあるが、自宅近くの谷中銀座にある“日乃本帆布”製のパソコンブリーフケース(バッグインバッグ)だ。昔からモバイルパソコン本体と同じくらいかそれ以上に興味があるパソコンブリーフケースなので、偶然見かけて気に入れば即買ってしまう。

軽量なThinkPad X1 nano用に軽量な日乃本帆布製のパソコンブリーフケースを買った
今回購入したブリーフケース。後ろは持ち手付のパソコンブリーフケースとして1年ほど使っている京都のメーカー製のもの
日乃本帆布は山形県米沢市に本拠地を置く帆布加工鞄の老舗だ

 筆者が人生で初めて本格的にモバイルパソコン用のケースに関わったのは、もうかれこれ30年近く前に発売された「ThinkPad 220」という990gの小型パソコン用の専用ケースカバーだ。当時、ユーザーから“海苔巻きケース”と呼ばれた商品を企画した時だった。

 それ以来、新しいモバイルパソコンを買い替えるたびに、いつもぴったりサイズのケースを本体の数倍以上、数多く買ってしまうことが悪い習慣となってしまった。今回ご紹介する“日乃本帆布”は山形県米沢に本拠を置く帆布加工品の専門店だ。

 同社商品の多くはごく一般的な帆布製鞄だが、今回は同社の谷中ぎんざ店の店頭でパソコンブリーフケースとしても使える持ち手無しのバッグインバッグを見つけ、その軽量性と手触りが気に入っていつもの悪い癖で脊髄反射的に買ってしまった。

谷中ぎんざ店にはオリーブ色もあったが飽きの来ないブラックを選択した

 店頭にはちょうどオリーブカラーとブラックがあったが、“悩んだ時は無彩色を選ぶ”とずっと過去から決めているので、今回も躊躇なくブラックを手に取った。確認のために現地でネットにアクセスして収納を考えている「ThinkPad X1 nano」のサイズを調べ、確実に入ることを確信して購入した。

 帰って早速、キッチン秤で重さを測ってみたところ204gだった。これはごく一部の化学繊維を採用した超軽量パソコンケースを除けば圧倒的に軽い部類に入るパソコンケースだ。触った感覚は新しい帆布独特の多少ガサガサしたラフな表面の雰囲気だが、使っているうちに間違いなく柔らかくなってくるだろう。

実測してみたところ204gで妥協点。931g(LTEモデル)をわざわざ1135gに重くして持ち歩くことになる

 日乃本帆布のブランドロゴマークが縫い付けられた側の表面には間口20㎝と11㎝幅、深さ18㎝のポケットが2つ配置されている。普段、筆者は厚さ8㎜、平面サイズが190㎜×180mmの仲間と創ったオリジナル大学ノートを入れている。

表面には大小2つのスリーブがある
普段は仲間と創った正方形に近いオリジナルデザインのツバメ大学ノートとBICボールペンだけを入れている
背面は全部で5つのスリーブと3つのペンホルダー
何か入れるとすればこんな感じだが、実際には何も入れていない場合が多い

 反対側の奥の面には、160㎜幅、深さ175㎜の薄い収納ポケットが2つ、その前面にはいずれも深さ115㎜で間口80㎜のポケットが2つ、間口100㎜のポケットが1つ、ペンホルダーが3本分配置されている。

 今のところ筆者は、昔から愛用している小振りなTHINKメモと名刺ケース、超薄型のモバイルバッテリーとケーブル、ボールペンとマーカーを各一本収納している。

 基本的に持ち手のないインナー型パソコンブリーフケースは、別のより大きな鞄に収納したり、オフィス内でパソコンを携帯しての移動などがメインの使用法なので、多くのモノを入れ過ぎないのが鉄則だ。

 モバイルパソコンが市場に登場して30年あまり、当時はまだまだひ弱だったモバイルパソコンを外部の衝撃から守るのが長年ケースの役割だった。しかし既に多くのメーカーがタフモバイルを目指し製品改良を行った結果、今やケースよりもモバイルパソコンの方が強靭な存在だ。

 世界のコンピューターメーカーが技術革新と素材革命でやっと到達した1kgを大きく切った超軽量で強靭なモバイルパソコンに、単に収納物を保護することだけが目的の300g以上のモバイルパソコンケースは不要だ。時代はモバイルパソコンケースにも健全なダイエットを求める時代になってきている。

持ち手のないパソコンブリーフケースの使命はより大きな鞄の中での意味がメインなので、両面にあるポケットは明確な目的が無ければ何らかの場合の余裕の収納箇所だと考えている
製品名発売元購入価格
バッグインバッグ日乃本帆布6500円