本日の一品

昔ながらの保温トレイが食生活のクオリティを格段に引き上げる

 本当は、マグカップに入れた飲み物を保温できる、シャレオツなUSB接続のウォーマーみたいなのが欲しかったのである。仕事中、デスクの上で温め、ディスプレイを見つめながらアツいコーヒーを思案顔ですする。なんて理想の仕事風景だろう!

 そう思ってECサイトを検索したものの、あまりにも選択肢が多すぎて逆にこれはダメだなと思った。きっと“当たり”を引く確率は低い。なかにはワイヤレス充電器を兼ねているものもあったりする。自分なら間違ってスマホを温めかねない。これは不安しかないぞと。

 なので方針転換し、とりあえず保温特化の、安心して使えるものを探すことにした。そうして見つけたのが東芝の保温トレイだったわけだ。なんというか、実家やおじいちゃん・おばあちゃんの家で見たことがあるような、懐かしいたたずまい。

どこかで見たことあるような保温トレイ。東芝製

 東芝の古いWebページに残っていた情報から考えて、少なくとも20年前からあるロングセラー製品のようだ。安心感はより一層高まるが、まさか令和の時代にこんなレガシーなアイテムを我が家に招き入れることになるとは……。スイッチの類いはなく、コンセントに電源ケーブルを差し込んだらひたすらパワーMAXで温めるという、使い勝手もなかなかにレガシー。

仕事中、いつでも熱々のコーヒーが飲める

 しかし、これが仕事中のコーヒーどころか、我が家の朝・昼・夕の食事時すべてにおいて驚くほど役に立ってくれたのである。この季節、頻繁に登場する鍋物は、上に置いておくだけでずっと温かいし、いちいちカセットコンロを取り出してガスを消費することもない。

 調理に時間がかかっていたせいで冷めてしまい、食卓に上る頃にはおいしさが半減していた唐揚げも、オーブンで焼き上げたピザも、いつまでもほっかほか。朝食のパンもスープも、スーパーで買ってきた惣菜も、とにかく「冷たくなるとマズい」やつは上に置いておけば、それだけで「温かくてうまい」やつでいてくれるのだ。

ピザなんかもほっかほかである。ただし、あまり長時間放置するとカリッカリになる

 まあ、見た目は本当に地味ではある。幅・奥行きが232mmと意外に大きく、仕事デスクだと気軽に置けるサイズでもない。が、この保温トレイがあるだけで、我が家の食生活のクオリティはウソみたいにアップした。冗談抜きで、もしかしたら2020年で一番いい買い物をしたかもしれない、と思うほどである。

ちなみに表面温度は150度を超えるようだ。触ると普通にやけどする熱さだが、これくらいじゃないとスープや鍋物の温めには力不足かも
製品名発売元購入価格(ヨドバシカメラ.com)
保温トレイ HW-91東芝ライフスタイル2900円
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