本日の一品
コンパクトなKAWECOの万年筆マーカーを買ってみた
2020年8月3日 06:00
筆記具全般が大好きな筆者だが、中でも最近気に入っているモノに万年筆用のボトルインキやカートリッジを流用して使える筆記具に興味津々だ。つい最近も、万年筆用のインクを使った水性ボールペンやフェルトペンを買ったばかりだった。
今回ご紹介する「カヴェコ・アイス スポーツセット」 (ハイライターイエロー)も万年筆用のインクカートリッジを使用するハイライター(マーカーペン)だ。
セットに入っているペンは、カヴェコ・アイススポーツ万年筆のイエローのスケルトンボディに1.9㎜のカリグラフィーペン先を取り付けた逸品だ。
セット商品としてヨーロッパタイプ(欧州共通規格)のハイライターイエロー(ショート)のカートリッジがペン本体内に1本、加えて半ダース入りの紙製パッケージが同梱される。
ところで昨今は極めてポピュラーになったマーカー(ハイライター)だが、アンダーラインを引いたり、文字列の強調をアピールして部分的に目立たたせるのが目的だが、従来の水性インクや油性インクに加えて、昨今では色鉛筆系やクレヨン系等も加わり、ペン先の素材との組み合わせを考えるとかなりのバリエーションだ。
もちろん、マーカーには事務作業に使う安価なモノだけでは無く、世界中の高級筆記具メーカーも従来の自社のプレミアムラインの中にマーカーを取り込んでいる筆記具メーカーも多い。
筆者もかなり前からモンブランやクロス、ペリカンのマーカーペンを愛用しているが、前者2本はフェルトペン先なので、正式には万年筆の仲間に入れて良いかどうかは意見の分かれるところだろう。
その点、今回ご紹介するカヴェコのハイライターは、万年筆の仲間であるカリグラフィーペン先とハイライターインクカートリッジとの組み合わせなので、ペリカンのM205 DUO イエローデモンストレーターの仲間だと言えるだろう。
ペリカンはペン先にBB(Bold Bold)と呼ばれる「極太」ペン先を採用してマーカー感を出しているが、今回のカヴェコ・アイス スポーツ ハイライターは、線幅1.9㎜のカリグラフィー用の極太ペン先を採用しているのでBBを遥かに凌駕する太い線を引くことができる。万年筆構造を採用したハイライターでは最大クラスの太線が引ける筆記具のはずだ。
ただし、カリグラフィーペンの特長である、普通にペンを持って横に線を引くと細い線、縦に引くと1.9㎜幅の太い線という傾向は変わらない。縦書きの書類の場合は幅広のハイライターイメージだが、横書きの書類に線を引く場合はアンダーライン的になるか、文字の中央を横線でぶち抜く「ストライクアウト」(打ち消し線)的に線を引くイメージだ。
無理やり真横に真っすぐに太い線を引くには、普通に指先で持ったカヴェコ・アイス スポーツ ハイライターを時計の針と反対回りに90度回転させて左から右に一気に線を引くイメージだが、ペン先を垂直に立てて引くのは、付け焼刃ではなかなか難しい。
実際にペリカンM205 DUO イエローデモンストレーターとカヴェコ・アイス スポーツ ハイライターのペン先を拡大して比較してみるとペン先の太さの差異がよく分かる。実際にペリカンとカヴェコの2本で何度も書き比べてみると、やはり2倍強の値段のペリカンM205 DUO イエローデモンストレーターの方が書き味もスムースだ。
しかし、ペンの持ち方には多少の予行演習は必要だが、マーカーらしい1.9㎜の太線が引けて、非使用時には小さく収納できる短いカヴェコもなかなか魅力的な商品だ。オーソドックスでエレガントなペリカンか、スポーティーでミニマムサイズのカヴェコか……悩んでみるのも楽しいだろう。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
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カヴェコ・アイス スポーツセット | カヴェコ | 4950円 |